茨城県の笠間出身で、岡倉天心が興した日本美術院に参加して五浦でも画業に励んだ、日本画家・木村武山(1876-1942)の作品を紹介する展覧会が、茨城大学水戸キャンパス図書館本館1階展示室で始まりました。2月17日(火)から20日(金)まで。代表作のひとつで本学五浦美術文化研究所所蔵の大作屏風《小春》などを展示しています。茨城県天心記念五浦美術館で開催中の木村武山展とあわせて、色彩の第一人者と称された武山の世界をぜひご堪能ください。
木村武山は1876(明治9)年、現在の茨城県笠間に生まれました。岡倉天心が東京美術学校の校長職を辞し、日本美術院を創設した際は武山も参加し、その後、日本美術院の拠点を北茨城・五浦に移した際も、横山大観、下村観山、菱田春草とともに同地へ移住しました。最年少だった武山について、下村観山は「おそらく、開闢以来木村君程彩色の巧みな人はなからうと思ふ。実に色彩に於ては第一人者である」と称していました。
武山は五浦の地で、秦の始皇帝の宮殿炎上を描いた《阿房劫火》を手がけ、斬新な色彩感覚をもった画家として頭角を現します。その後、1914(大正3)年に、再興日本美術院の第一回展に出品したのが、今回の茨城大学の展覧会でメインを飾る、六曲一双屏風の《小春》です。たわわに実をつけた柿の木を背景に、向日葵と赤い葉鶏頭が前面に鮮やかに描かれた画面は、季節を超越しながらも、題どおりの《小春》のあたたかさと生命の歓びを感じさせます。保存状態もよく、今回の展覧会では、ガラスケースを隔てることもなく、大きな屏風画と直接対峙し、武山の見事な色遣いを感じることができます。
その他、晩年に描かれた《秋景》をはじめとする軸装の花鳥画や、武山が得意とした仏画(《聖観音》)、さらに東京美術学校時代に武山が着用していた校服も展示しています。今回の展示にあわせて特別に製作した小冊子も配付しています。
この展覧会は、茨城大学五浦美術文化研究所の70周年記念事業のフィナーレを飾る企画です。あわせて、今年は武山の生誕150年であり、茨城県天心記念五浦美術館においても「生誕150年記念 木村武山展」が開催されています(前期2/11~3/22、後期3/24~4/19)。郷土ゆかりの画家の世界にぜひ触れてください。
茨城大学五浦美術文化研究所 所員企画展2025「木村武山—花鳥画に見る季節の移ろい―」
会期:2026年2月17日(火)~2月20日(金) 10時~17時 (20日は15時まで)
会場:茨城大学水戸キャンパス(水戸市文京2-1-1)図書館本館1階展示室
主催:茨城大学五浦美術文化研究所
共催:天心記念五浦美術館 生誕150年記念 木村武山展 地域連携実行委員会