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産官学連携で考える「水道の未来」
― 工学部都市システム工学科の学生による実践型セミナー ―

 昨年10月から11月にかけて、茨城大学と常陸太田市の連携により、水循環や上下水道技術についてフィールドワークも交えて学ぶ授業が行われました。国土交通省から「水道事業の啓発に向けた調査検討等及びセミナー企画運営業務」の委託を受けた横浜ウォーター株式会社がコーディネートのもと、工学部都市システム工学科の授業「都市システム工学特別講義」(藤田昌史教授)として実施した全3回のセミナーです。セミナーの模様について、藤田教授からのレポートをご紹介します。

 本セミナーは、将来、社会インフラを支えることになる学生たちが、水道事業の現状や課題を学び、これからの水道のあり方について主体的に考え提案することを目的として実施しました。都市システム工学科の3年生および大学院生、約70名が参加しました。各回の内容を紹介します。

第1回:水道の歴史と現在の課題を学ぶ

 横浜ウォーター株式会社より、江戸時代から現在までの水道の歴史や、水道管の老朽化・耐震化といった現代の課題について講義が行われました。続いて、国土交通省水管理・国土保全局上下水道企画課より、水道の大切さを社会に伝えるためのさまざまな取組について紹介がありました。

横浜ウォーター株式会社による冒頭説明の様子
横浜ウォーター株式会社による冒頭説明の様子
横浜ウォーター株式会社による講義の様子
横浜ウォーター株式会社による講義の様子

第2回:現場で学ぶ水道のしくみと経営

 茨城県中小企業診断士協会の協力のもと、水道事業を支える公営企業会計について学び、水道の経営面への理解を深めました。その後、常陸太田市の内田浄水場を見学し、藤田謙二市長から安全でおいしい水がどのように作られているのか紹介があり、実際に確認しました。さらに、災害時を想定した応急給水(給水袋への水の配布)を体験し、水道の重要性を改めて実感しました。また、佐竹配水池では、円形と矩形の高架水槽を見学し、水を安定して届けるための工夫について学びました。

常陸太田市長を交えた内田浄水場での集合写真
常陸太田市長を交えた内田浄水場での集合写真
佐竹配水池における円形・矩形高架水槽の見学の様子
佐竹配水池における円形・矩形高架水槽の見学の様子
高架水槽上部の見学の様子
高架水槽上部の見学の様子
応急給水(給水袋への給水)体験の様子
応急給水(給水袋への給水)体験の様子

第三回:学生が考える「未来の水道」

 約10人ずつのグループに分かれ、
・将来あるべき水道の姿
・その実現のための方策
・これらを全国に広める方法
について議論し、発表を行いました。
 当日は、日本の優れた水循環や上下水道技術をPRする水の広報官、ミス日本「水の天使」の高坂実優さんも参加し、学生の発表に耳を傾け、講評やコメントをいただきました。

学生からは、
・災害に強く、早期復旧が可能な水道
・AIを活用した広域管理による人材不足の解消
・水道管の長寿命化技術の開発
・SNSを活用した広報や新しいPR方法(水の王子様など)
といった、柔軟でユニークなアイデアが数多く提案されました。

 これらの提案は、安全な水の安定供給を前提としつつ、災害対応力の強化や技術革新、人材確保、情報発信のあり方など、多角的な視点から水道の将来像を描くものとなりました。

ミス日本「水の天使」とのグループワークの様子
ミス日本「水の天使」とのグループワークの様子
グループワーク成果の発表の様子
グループワーク成果の発表の様子

3回のセミナーを通して

 参加した学生の多くは、すでに上下水道工学を学んでいましたが、本セミナーでは、
・歴史や経営といった新たな視点
・実際の施設見学や体験
を通して、水道事業をより身近なものとして捉え、自ら考え、発表する貴重な機会となりました。将来、社会インフラに関わる仕事を目指す学生にとって、非常に実践的で有意義な学びの場となりました。

横浜ウォーター株式会社が作成した動画

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