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茨城大学

街中の野立て看板から考える持続的な地域づくり
―茨大×茨城県常総市

  • 3. すべての人に健康と福祉を
  • 8. 働きがいも経済成長も
  • 9. 産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 11. 住み続けられるまちづくりを
  • すべて
  • 2023年4月21日
    • 人文社会科学部
    • 全学教育機構
    • 地域
    • 工学部
    • 農学部
街中の野立て看板から考える持続的な地域づくり<br>―茨大×茨城県常総市

 まちを見渡すとさまざまな看板が目に入ってきます。民間企業がサービスや商品の広告として設置するものだけでなく、「ようこそ!●●市へ」というウェルカムサイン、人権や水道の安全に関するスローガンを記した看板、市内の観光名所への案内板、川での遊泳を禁止する立て札など、自治体が設置したものも多数あります。

 人文社会科学部の伊藤哲司教授、建築・都市デザインを専門とする理工学研究科(工学野)の一ノ瀬彩助教、景観に関わる研究に取り組んでいる農学部の髙瀬唯講師、地域活動の研究者である全学教育機構の伊藤雅一助教のグループは、茨城県常総市との共同研究として、街中にあるそうした多数の看板の状況や、それらから住民が受けている印象などを調査しました。

 地域内の看板を丹念に見ていくと、色あせて文字が読めなくなっているものや傾いているものなど、計画的な点検やメンテナンスが必ずしも行われていないと思われる看板も確認されました。プロジェクトの調査からは、自治体内の課をまたいだ連携体制による看板の設置・メンテナンスに関するマネジメントが課題であることがわかりました。そうした課題意識は常総市役所内でも共有され、職員のワークショップなどを経て、さっそく予算編成にも活かされたということです。

 一ノ瀬研究室に所属し、本プロジェクトをきっかけに卒業研究のフィールドとして常総市を選んだ大学院生の扇谷匠さんは、「看板はまちをそのまま映し出すところがあります。看板がさびれていれば、まちがさびれている。良い地域づくりは、そこに住んでいる人たち自身が良いと思わないと始まりません。私たちの取り組みが、地域の人たちが看板をとおしてまちをもう一度見つめなおすきっかけになればうれしいです」と語っています。

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担当者