茨城大学と連携協定を結ぶプロサッカークラブのFC水戸ホーリーホックが、J2リーグの首位を走っています。茨大に関係する水戸ホーリーホックサポーターをつなぐ「茨城大学水戸ホーリーホック応援ネットワーク(略称:茨大ホーリーネット)」が組織されているなど「水戸愛」が強い茨大では、初のJ2優勝、J1昇格に向け熱が高まっています。そんな中、茨城県内の大学生などが招待された6月28日の徳島ヴォルティス戦が開催されました(結果は1-1のドロー)。
茨大ホーリーネットの百武慶文教授(基礎自然科学野物理学領域)が10年以上にわたる茨大と水戸ホーリーホックの歴史を紹介するとともに、学生の声を交えて当日の様子をレポートします。

連携協定招待デー再び
茨城大学と茨城県水戸市を拠点とするサッカーJ2リーグのFC水戸ホーリーホックは2013年に連携協定を結び、現在に至るまで様々な活動を一緒に行ってきました。活動は茨大ホーリーネットがけん引し、2019年までは「連携協定招待デー」と冠して多数の学生教職員がサッカー観戦を行いましたが、コロナ禍では中断を余儀なくされました。せっかく続いてきた「伝統行事」を復活させるべく、今回は社会連携センター主導で、県内大学生・専門学生ご招待という形で6月28日の観戦にこぎつけました。試合は白熱した展開で、サッカーの魅力を集約したような内容でした。クラブの紹介や茨城大学との連携を交えつつ、観戦記をしたためます。
なお、今回の学生の交通費については、茨城大学基金よりシャトルバス代を使用させて頂きました。誠にありがとうございました。
FC水戸ホーリーホックとは
水戸ホーリーホックは他チームのサポーターからも「水戸ちゃん」と呼ばれ愛されるクラブです。その理由は色々あると思いますが、一つにはJ2リーグが発足した翌年の2000年から、ずっとJ2リーグに鎮座していることがあげられるでしょう。この間に多くのクラブが水戸ホーリーホックと対戦し、泥臭くしぶとく戦う水戸にある種の敬意を抱いているのです。J1リーグからJ2リーグの沼に落ちてきたチームを苦しめ、自分たちは決してJ3リーグに落ちないその納豆のようなねばり強さから、今では「J2の番人」とも呼ばれるようになりました。
水戸ホーリーホックはもちろん自クラブのサポーターからも愛されています。サポーターの数は決して多いとは言えませんが、「ロストック~ロンバルディア」と呼ばれるチャント(応援歌)で選手入場を鼓舞する様子は圧巻です。選手も入団後比較的早くチャントや横断幕をつくってもらえるので、その期待に応えようと奮闘します。選手とサポーターの距離感が近いのが水戸ホーリーホックの良いところです(前田大然選手(セルティック(スコットランド・プレミア))は近すぎると言っていましたが)。
茨城大学と水戸ホーリーホック
茨城大学と水戸ホーリーホックが連携協定を結んだのは2013年です。この頃に茨城大学ホーリーネットも発足し、藤縄明彦先生、高橋修先生、木村競先生中心に様々な企画が立ち上がりました。中でも招待デー企画は大学生協にもチケット配布を協力してもらい、お昼休み時間にはホーリー君(マスコット)と生協前で広報活動を行うなど、かなり気合の入ったものでした。以下は藤縄先生に教えてもらった戦績ですが、なんと3勝4分けと無敗を継続中です!
2013/5/19 VS岐阜4-1で勝利
2014/5/18 VS京都5-1で勝利
2015/5/17 VS大分1-1のドロー
2016/6/12 VS町田2-2のドロー
2017/5/21 VS徳島1-1のドロー
2018/5/13 VS岡山3-0で雨中の勝利
2019/6/22 VS横浜FC 1-1でドロー
水戸はJ1に昇格できるのか?
これは最近よく話題になります。なぜなら6月末時点で水戸ホーリーホックはJ2首位だからです!特にクラブ初となる8連勝を達成し、引き分けになりそうな試合を勝ちにする展開も多く、J1に昇格するチームの風格を漂わせています。
ちなみに、水戸が使っているケーズデンキスタジアム水戸はJ1では使えない、との指摘をする人がいます。その通りなのですが、一応笠松にある水戸信用金庫スタジアムを使うということでJ1ランセンス基準を満たすことになっています。
計算上では7月以降の残り17試合で11勝程度(勝ち点33程度)できればJ1昇格は見えてきます。
そのため必要となるのは
1.選手が怪我をしないこと
2.選手が夏にJ1に個人昇格しないこと
3.水戸中心に応援が盛り上がること
です。
1と2は選手次第ですが、3については茨城大学の教職員は大いに貢献できます。
学生の観戦コメント
サッカーの試合を観戦しに行くのが初めてだったが、とても熱くなれた試合だった。正直、水戸ホーリーホックのことは知らなかったが、これからJ1進出に向けて頑張って欲しいと思った。また水戸ホーリーホックの試合を見に行きたいと感じた。(農学部1年、初めて観戦)
鷹啄トラビス選手の気迫あるプレーがカッコよかったです。選手だけでなくサポーター全員で盛り上げており、一体感を感じる素晴らしい試合でした。相手チームに先制されましたがアディショナルタイムに同点弾を決めたときの感動は今でも忘れられません。(農学部1年、初めて観戦)
私は何十試合と水戸の試合を見てきたが、この試合が1番の試合だと断言できるくらい素晴らしい試合だった。激しいフィジカルと緻密な戦術のぶつかり合い、そしてその熱に当てられ更に声を大きくするサポーター。今J2の千両役者は水戸ホーリーホックなのだと思い知らされた。(人文社会科学部4年、11回以上観戦)
写真撮影でピッチの手前まで行けて、特別な経験ができました。試合も客席がほぼ埋まっており、同点ゴールが決まった時の歓声は感動的でした。これが無料で楽しめたこの企画は来年以降も実施されるべき素晴らしいイベントだと感じました。(農学部1年、1~5回観戦)
クロスボールの精度の高さと、チームとしての統一した攻撃・守備は、J2首位なのが納得できるほど、レベルが高いと感じた。一点先制され、守りを固められた中、同点に追いつくことができて、見応えの多い試合だった。(農学部1年、初めて観戦)
試合終了間際に堅守の徳島ヴォルティス相手に同点弾を取れる現在の水戸ホーリーホックの地力を知った。ゴールが入った瞬間のスタジアムの盛り上がりがやはり癖になるなと思った。チャンスシーンの応援でタオルを回す演出が素晴らしいなと思った。(人文社会科学部1年、初めて観戦)
水戸さんが首位ということで参加しましたが、組織的な守備や攻撃で自分たちの時間を多く作ることが出来ていた上に、個人のクオリティも高く、とても見応えがありました。また、対戦相手の徳島さんについても、GK田中選手をはじめとした堅守で、J2でこの失点数というのも頷けるようなサッカーでした。(教育学部4年、5~10回観戦)