「学校の先生ってどんな仕事?」オープンキャンパスでシンポジウム
――茨城県教育庁からゲストを迎えて
7/27(土)に行われたオープンキャンパスにて、茨城県教育庁学校教育部高校教育課課長の深澤美紀代先生をお招きし、「学校の先生ってどんな仕事?〜教職の実際とその魅力〜」をテーマに教育シンポジウムが開催されました。その様子を茨大広報学生プロジェクトの寺﨑(教育学部2年)がご紹介します。
全国的に教員の成り手不足が問題となる中で、茨城県は教師塾の開催や大学3年次での教員採用試験一次試験の実施により教員の志望者を増やす取り組みを行ってきました。しかし、想定より志望者を増やすことができなかったことを踏まえ、現在では高校生の段階から教師塾に参加できるようにすることなどを検討しており、加えて茨城大学でも教育学部の入試に「地域教員希望枠」を設置することが決定しています。今回の教育シンポジウムでは、深澤先生と本学全学教職センター所属の五島浩一先生、教育学部所属の新井英靖先生が教員の魅力や自身の経験談、教員を目指す人へのメッセージを語りました。
シンポジウムの中で、深澤先生から「働くということは、経済的な意味合い以上に、自分が誰かに何かをして喜んでもらうこと、誰かのためになることにやりがいを感じること。特に『教員』という職は目の前にいる子どもたちのための職であり、児童生徒の反応を直接見ることができる醍醐味があり、感情が揺さぶられる仕事である。また、子どもたち一人一人の経験や価値観が違うので、クラスに40人いれば40通りの経験を教員自身がまるで自分の経験のように得ることができ、自分の価値観や考え方の幅も広がる。」と先生ご自身の経験も交えながら語られました。
確かに教員は、自分の働きに対する子どもたちの反応を目の前で見ることができ、様々な個性を持つ子どもたちと一緒に楽しんだり、時には悲しんだり、叱ったりすることで自身も成長していくことができる職業であると思います。先生方のお話を通し、教員の魅力や教員でしか味わえない経験など、この職業であるからこその良さがあることを改めて感じました。
教職を志す高校生へのメッセージ
五島先生
「教員をやっていくと自分自身も人として成長することができる。教え子たちが将来教員になってくれたり、社会を支える仕事に就いたりすることで、その子どもたちが将来を支えてくれる。教員という仕事そのものが未来を作る仕事であり、魅力も責任も感じながら精進しなければならない。」
新井先生
「教員というのは終わりがない仕事。どこまでも教材を突き詰めて考えることもあるが、明日の学校のことを考えるのは決して嫌な時間ではない。学校は『やったね』『ありがとう』という言葉を直接口にできる職場。」
深澤先生
「社会の変化は目まぐるしく、現在はAIの利用が模索されるなど、予測不可能の将来に向けた準備が必要な時代である。ただ知識を学ぶだけでなく、人と人との関わり方を学ぶ場所という面で学校は重要であり、教員という職業もAIに完全に代替されるものではないと考える。
誰かに何かを説明するとき、生成AIは結論に行き着くまでの道筋を複数示してくれるだろうが、最終的にどの道筋を選ぶのか決めるのは自分自身である。近い将来、AIは教員の補完的な役割を担うことになるだろうが、最終的に自分が判断・選択するためには、学び続けることが必要。教員を目指す皆さんには、社会の動きに敏感になっていってほしい。」
取材を終えて
教員を目指す私自身も、この教育シンポジウムの取材を通して、自分が教員になろうと思ったきっかけを思い出し、教員という職の魅力を改めて感じることができました。また、会場の中学生、高校生の皆さんのメモをとりながら真剣な面持ちで先生方のお話を聞く姿から教員という仕事への熱意が感じられ、「私も負けていられない!」と、これからの学びに気合が入りました。当日シンポジウムに足を運んでくださった皆様、取材をさせてくださった先生方、ありがとうございました。(教育学部2年・寺﨑成美)