確かな学力の向上を目指す理系基礎教育

特色GP:特色ある大学教育支援プログラム
取組名称:確かな学力の向上を目指す理系基礎教育

茨城大学が平成19年度「特色ある大学教育支援プログラム」に採択されました。

標記のプログラムは、平成15年度から毎年文部科学省が、大学・短期大学の教育改善に資する種々の取組を公募し、特色ある優れたものを選定しているものです。選定された取組を広く社会に情報提供することや財政支援を行うことにより、大学教育の改善を図るとともに、高等教育の活性化を促進することを目的としています。公募している取組の内容は、大学教育の改善・充実を目指した、教養教育や初年次教育の展開、FD活動の充実など、教育内容・方法等の高度化・ 豊富化に資するものとなっています。

採択された本学の取組の概要

本取組は、理系学生に数学や物理学等の基礎分野の原理や考え方を身につけさせ、自在に使いこなす基礎的能力を習得させようとするものです。さらに、それ にふさわしい新しい理系基礎教育の仕組みややり方を具体化しようとしています。この教育では、基礎からの積み上げ型の学習が必要となり、段階ごとの確実な 習得が求められます。また、異なる習得状況にある多様な学生に対して、それぞれに合ったやり方で意欲と自律性を引き出す必要があります。これらのことに応 える体系的で効果的な理系基礎教育プログラムを提案しようとしています。このプログラムの基本的な考え方は次の通りです。

まず、新入生を入学時の基礎テスト(プレースメントテスト)で

  • 0型:高校レベルの内容が相当量修得できていない
  • 1型:高校レベルの内容は概ね修得できているが確実ではない
  • 2型:高校レベルの内容は確実に修得できている

の3つのグループに分けます。最も大きな課題は0型グループ(10~20%)をいかに1型(多数派)に追いつかせるかであり、これについては、特別に工夫 した週2回の授業を用意して半期で1型グループに追いつかせます。1型(と2型)は週1回授業で、修得すべき内容を明確にし、教科書や試験の統一化、さら に担当者間の打ち合わせによって、どの担当者のクラスも履修後の合格者の最低レベル(基礎学力レベル)を保証するようにします。このようにして、前期終了 時には全体を同じレベルにまで引き上げることを目指すものです。

0型の週2回授業では、授業の復習を徹底化するため、インターネットとパソコンを利用して、eラーニングによる自習と毎授業の復習小テストの実施を行うようにします。このようなやり方を、平成17年度前期工学部対象の微分積分基礎科目から実現していき、現在物理学についても同じようなやり方を導入しています。0型のこのようなやり方が非常に効果的であることも確かめられています。来年度は、1型の授業の充実やEラーニングの利用を拡大していくことなどを予定しています。

選定結果について

本取組の選定結果は、文部科学省のWEBページに掲載してあります。