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太田学長が次期学長候補者への選出を受けて会見
―「スチューデント・サクセス」「サステイナビリティの拠点」「コミュニティ共創」に注力

 太田寛行学長が2024年度からの次期学長候補者として選出されたことを受けて、1122日、記者会見を開催しました。会見で太田学長は、「スチューデント・サクセス」「サステイナビリティ学の拠点」「コミュニティ共創」の3つを軸とした取り組みに注力することを発表しました。

学長記者会見

 茨城大学学長選考・監察会議は、1117日、次期学長候補者として太田現学長を選出しました。太田学長は、今後文部科学大臣からの任命を受ける形で、2期目の任期(202441日~2026331日)を務めることとなります。
 1122日に水戸キャンパスで実施した記者会見で、太田学長は、2021年に策定した「イバダイ・ビジョン2030」で掲げた目標・アクションプランに向かって大学運営を進めていく決意を改めて示した上で、来年は創立75周年・創基150周年の節目を迎えることを踏まえ、①スチューデント・サクセス②サステイナビリティ学の拠点③コミュニティ共創という3つを軸とした取り組みの特に注力していくことを表明しました。

スチューデント・サクセス

 最初に掲げたキーワードが、「スチューデント・サクセス」です。
 太田学長は、「多様な学生の自己実現、『なりたい自分になる』ということを目標に据えて、学生の将来像づくりを支え、学生生活や学業に関する悩みの解決をこれまで以上に支援する体制づくりを進める」と説明しました。
 茨城大学では、4階層による教育の質保証のシステムを構築し、学修成果や学生生活に関する各種データを日常的な教育改善につなげています。これらのデータからは、初年次の成績と学部4年間の成績が正の相関を描くことや、1年次生が「将来に関すること」「学業」の分野に特に悩んでいることがわかっており、太田学長は、「初年次の学業面の支援体制の見直し、改善が必要」という認識を示しました。あわせて、「学修データを教職員による教育改善にはつなげてきたが、学生自身の学修の改善にはまだ活用できていない」として、学修者である学生の願いの実現(スチューデント・サクセス)をベースとした支援体制を順次整備していきたいという考えを表明しました。

サステイナビリティ学の拠点

 2番目に掲げたのが、サステイナビリティ学の拠点の構築です。
 分野を超えて地球・社会の持続可能性を追究する「サステイナビリティ学」について、茨城大学では2006年に独自の教育プログラムを構築するなど、長年にわたって教育・研究に努めています。そのベースとなっているのが、地球・地域環境共創機構(GLEC)を中心に東南アジア・南アジア地域とも連携しながら進めてきた、気候変動の「適応策」に関する取り組みです。
 加えて今年4月にはカーボン・リサイクル・エネルギー研究センター(CRERC)を開設。さらに農学部の研究室が参加する事業が政府のGI(グリーンイノベーション)基金に採択されるなど、「緩和策」に関する取り組みも強化しています。太田学長は、「適応・緩和の両面の強みを融合し、アジアの大学等とのこれまでの関係も活かしながら、サステイナビリティ学の国際的な拠点を構築したい」と語りました。

コミュニティ共創

 3つめのキーワードは、「コミュニティ共創」です。太田学長は、「教育力の向上(Faculty Development)、学修力の向上(Learning Development)の組織的な活動を、自律的なコミュニティの育ちへと直結させるような共創の仕組み・取組みを加速化させる」と説明しました。
 具体的かつ象徴的な取り組みといえるのが、来年4月の「地域未来共創学環」の開設です。その最たる特徴といえる「コーオプ教育」は、企業・自治体での有給の就業体験をカリキュラムに組み込むというもので、現在、茨城県内の34の企業、20の自治体から参加協力の意向を得ています。その他、宇都宮大学・常磐大学の人文・社会科学系の大学院同士が連携して取り組む「ダイバーシティ・マネジメント地域共創リーダー教育プログラム」、地域産業に貢献する製造系高度ITエンジニアの育成を強化するための理工学研究科情報工学専攻・工学部情報工学科の定員増や地域の小中高生へのアプローチなどの取り組みを紹介しました。

 出席した記者から2期目の抱負を聞かれた太田学長は、「2020年の就任時からコロナ禍への対応に終始することになったが、そのフェーズは終わった。他方でコロナ禍前に社会が戻ったわけではなく、人口減少は加速化している。その中で大学が何をすべきかを整理し、立ち向かっていくこと。高校と大学が連携して一貫した学びの実現に向けて取り組んでいくことと、コーオプ教育のような社会との連携という、両方の観点に立って大学運営を進めたい」と語りました。