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大学SDGsランキング、茨大が「エネルギー」など4項目で国内最高位
―THEインパクトランキング2023

 世界大学ランキングの発表などを行っているイギリスの「Times Higher EducationTHE)」から、SDGsの枠組みを用いた最新の「THEインパクトランキング」が発表されました。
 同ランキングではSDGs17のゴールごとのインパクトランキングも公表されており、茨城大学は「4:質の高い教育をみんなに」「7:エネルギーをみんなに そしてクリーンに」「8:働きがいも 経済成長も」「10:人や国の不平等をなくそう」の4項目で国内大学での最高位(同率)を獲得しました。総合ランキングでは国内17位(同率)でした。
 一方、今回の結果からは茨城大学や日本の大学の課題も浮き彫りになっています。

THEインパクトランキング」は、国連の持続可能な開発目標・SDGsに掲げられた17の目標の枠組みを用いて、研究、管理責任、アウトリーチ(現場における実践)、教育という4つの分野から大学の取り組みを評価し、ランク付けするものです。サステイナビリティにおける大学の貢献度を示すランキングとされ、今年で5回目となります。
 各大学はそれぞれの強みに合った目標を選んでエントリーし、それらのデータがポイント化され、ランキングに反映される形です。今回のランキングに関するエントリーにあたって、本学からはすべての目標についてデータを提供していました。

 このランキングにおいて、世界からは1,591の大学がランクインしており、このうち茨城大学は総合で301-400位というスコアでした。これは国内大学では17番目のランク(国内7大学が同率)となります。

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 さらに、SDGs別のランキングでは、「4:質の高い教育をみんなに」「7:エネルギーをみんなに そしてクリーンに」「8:働きがいも 経済成長も」「10:人や国の不平等をなくそう」の4つの項目で、茨城大学が国内大学の最高位(同率)を獲得したことがわかりました。
 その他、「16:平和と公正をすべての人に」(単独5位)、「13:気候変動に具体的な対策を」(同率6位)といった項目でも高い評価を得ています。

SDG1(貧困):立命館大学 19位タイ
SDG2(飢餓):京都大学 30位タイ
SDG3(保健):名古屋市立大学 7位タイ
SDG4(教育):茨城大学・山形大学・山口大学・中部大学 401-600
SDG5(ジェンダー):お茶の水女子大学 201-300
SDG6(水・衛生):九州大学 18位
SDG7(エネルギー):茨城大学・九州大学 101-200
SDG8(成長・雇用):茨城大学・九州大学 101-200
SDG9(イノベーション):東北大学 11位タイ
SDG10(不平等):茨城大学・広島大学・横浜市立大学 201-300
SDG11(都市):筑波大学 54位タイ
SDG12(生産・消費):筑波大学 54位タイ
SDG13(気候変動):東北大学 44位
SDG14 (海洋資源):九州大学 18位
SDG15 (陸上資源):北海道大学 17位
SDG16 (平和):慶應義塾大学 32位
SDG17 (パートナーシップ):北海道大学 53位

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 このうち「7:エネルギーをみんなに そしてクリーンに」については、茨城大学が昨年度改訂した「茨城大学グリーン化推進計画」でSDGs達成への貢献を明記した意欲的な計画を示している他、2021年度からカーボンニュートラルに関する連続講演会を実施するなど、社会への積極的な情報発信を行っていることなどが評価されたと考えられます。

 一方、すべての項目についてデータを提供した中で、スコアが最も低かったのは「5:ジェンダー平等を実現しよう」(スコア:22.1-34.3、同率19位)でした。女性の学生や管理職の割合などのデータから評価されるこの項目のスコアについては、日本の大学はおしなべて低く、平均点以上のスコアを付けたのは日本ではお茶の水女子大学のみでした。

学長特別補佐(SDGs推進)を務める蓮井誠一郎・人文社会科学部教授のコメント

 THEインパクトランキングは、SDGsの枠組みを利用しながら、大学の取り組みのインパクトを客観的・総合的に把握できるひとつの材料となります。総合大学であり、持続可能な社会の実現に向けた学際的な教育・研究に長年取り組んできた本学としては、全項目についてデータを揃え、提供し、世界の大学における自らの位置づけを知ることが、課題の抽出や新たな活動の計画にもつながるものと考えています。
 今回評価されたエネルギーの分野については、今年4月に設立した「カーボンリサイクルエネルギー研究センター(CRERC)」などの取り組みにより、さらにインパクトを高めていければと考えています。加えて、こうした脱炭素化、グリーンイノベーションといった気候変動の緩和策への積極的なコミットは、本学としてこれまで注力してきた適応策の研究・教育と併せて、気候変動対策の分野にも改めて大きく貢献するものといえます。
 また、「4:質の高い教育をみんなに」「8:働きがいも 経済成長も」「10:人や国の不平等をなくそう」「16:平和と公正をすべての人に」といった項目で上位を獲得した点は、多様な学生・教職員が学び、働く環境づくりの取り組みが一定程度評価されたものと受け止めており、誇らしく思います。他方で、「5:ジェンダー平等を実現しよう」のスコアが低いことについては、日本の大学や社会に共通した課題でもありますが、本学としてもダイバーシティを高めるような大学運営と教育・研究に引き続き努めていきたいと思います。
 本学では昨年度、SDGsに関する特設サイト
https://www.ibaraki.ac.jp/sdgs/)を立ち上げるなど、SDGsを意識した大学運営や情報発信を進めています。本ランキングについては、各大学側からの情報提供に基づくものであり、その点でランクインされている大学に偏りがあることや、データの作成・提供において各大学の戦略的・技術的な点が反映されている可能性があることなどに留意すべきですが、本学としては今回の結果についても必要な分析を行った上で、これからの大学運営にしっかりと活かしてまいります。

ibadai_sdgs※6月2日に「大学SDGsランキング、茨大が2項目で国内最高位獲得」として速報記事を掲載しておりましたが、その後、記事内容の参照元としていた外部のWEBサイトの情報に誤りがあったことが判明しました。当該記事は撤回させていただきます。