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人社の学生が水戸市のまちづくりに関する施策を提言
―大学生によるまちづくりプレゼン発表会を実施

 11月22日、本学水戸キャンパス講堂において「大学生によるまちづくりプレゼン発表会」が開催されました。
 本学のキャンパスが所在する水戸市は、新たな都市づくりの基本方針となる「水戸市第7次総合計画」の策定を進めています。市は、市民と行政が協働した計画づくりを目指しており、このたびその一環として、人文社会科学部の5つのゼミの学生たちが、高橋靖市長や田尻充副市長、関係する市職員約100名(会場、リモート視聴それぞれ約50名)に向けて、水戸市のまちづくりに関する提言をおこないました。
DSC_6022発表したゼミ・テーマは以下のとおりです(発表順)。

現代社会学科 田中耕市ゼミ 中心市街地活性化
現代社会学科 小原規宏ゼミ 水戸ならではの観光振興
法律経済学科 清山 玲ゼミ 子育て支援の充実
法律経済学科 土屋和子ゼミ 福祉の充実
現代社会学科 原口弥生ゼミ 地球温暖化対策、循環型社会に向けた取組の促進


 各ゼミ生は、9月下旬からそれぞれのテーマに沿った課題の抽出やアンケート調査のほか、他の自治体の事例の調査などをおこない、その研究成果を発表しました。

 中心市街地活性化をテーマに研究した田中ゼミは、「まちを咲かせる」と題し、来年7月にオープンする新市民会館を核とした中心市街地に歩行者を増やし、にぎわいをもたらすための施策を提言。水戸らしさは「梅」に象徴されるとして、施設や市街地各所への動線を"梅色"で歩道上に表示し、歩行者に街の一体感や歩きやすさを体感してもらう仕組みを提案しました。

DSC_5933 田中ゼミ

 人文地理学を専攻する小原ゼミは、水戸ならではの観光振興をテーマに研究。市民の観光への関心や観光客の宿泊率の低さを指摘したうえで、千波湖や偕楽園など市の観光資源を活用した「朝活」や、水戸の歴史と食文化をめぐるツアーなどを企画することで、観光客の誘致やシビックプライドの醸成に寄与するとの研究成果を発表しました。

DSC_5966 小原ゼミ

 子育て支援の充実について研究した清山ゼミは、市内の子育て世帯や茨大生、教職員などを対象としたアンケートや、他の自治体の子育て支援の施策の調査を実施。経済面での支援をおこない、市民が子どもを産み育てたいと思えるような環境づくりが大切と指摘しました。また保育士の厳しい労働環境を挙げ、保育士の働き方改革の推進や潜在保育士、保育士希望の学生を支援する施策などを提言しました。

DSC_5971 清山ゼミ

 土屋ゼミは福祉の充実をテーマに研究。「水戸市第8期高齢者福祉計画・介護保険事業計画」の重点施策である「認知症高齢者等にやさしい地域づくりの推進」をもとに、認知症当事者やその家族、地域住民などの交流の場となる「認知症カフェ」の拡充を提言。また、高校生を介護助手としてアルバイト雇用をし、介護の担い手を増やす施策も提案しました。

DSC_5986 土屋ゼミ

 環境社会学を専攻する原口ゼミは、一昨年4月から変更になったゴミの分別方法の周知が不足していることを指摘し、特に集合住宅における分別表示を徹底することを提起しました。また、学校給食で発生する食品ロス解消のため、コンポストを設置して生ゴミをたい肥として活用することや、市民の節電意識を高める「アースアワー(地域全体で同じ時間に一斉に消灯)」の実施なども提案しました。

DSC_6000 原口ゼミ

 それぞれの発表に対し、高橋市長や各テーマの関連部署の市職員からコメントや質問が寄せられ、学生たちはそれらに真摯に応えていました。

 高橋市長は「私たちにはない視点での提案が多くあり、大変参考になった。今回の研究・プレゼンをきっかけに、水戸市の現状を知り、現実の中でどのような対応をしていけるか、さらに研究をブラッシュアップしていただけたら。引き続きやりとりを重ね、よりよい総合計画をつくれるように努めていきたい」と講評しました。

DSC_5995 高橋靖 水戸市長

 プレゼンに登壇した飯田恒也さん(人社3年)は「今回の研究をとおして、私たちにしかできないこと、水戸市にしかできないことについて考えた。自分たちも市を変えられると実感できた」と話しました。また「総合計画の策定に、自分たちの視点が必要とされていることがよくわかった。市長や市職員の方から具体的な鋭い質問をいただいて、とても勉強になった(大越優香さん(同))、「行政のリアルな部分を知ることができ、その中で自分たちが何ができるかを考えた経験は、今後も活かせるものだと思う(所士温さん(同))」と、それぞれ感想を述べました。

(取材・構成:茨城大学広報室)