【久留主泰朗理事】茨大生・教職員が選ぶ!わたしの推本
―生協学生委員会がインタビュー
茨城大学生活協同組合書籍部と生協学生委員会(GI)では、今の学生生活の実態を正しく捉え直し、もっと書籍部へ足を運びたくなるような取組みとして、おすすめ書籍「#わたしの推本」企画を実施しています。
茨大生・教職員が選ぶそれぞれの「推本」について、GIメンバーが選者へのインタビューを通じて紹介していきます。
今回は久留主泰朗理事・副学長(総括理事・教育)の「推本」です。
久留主泰朗理事・副学長の推本
- シュレーディンガー 著、岡小天・鎮目恭夫 訳『生命とは何か』(岩波書店,2008)
「この本の出会いから、今がある」。久留主理事はそうおっしゃっていました。「生命」という身近なモノ。学部3年生の頃、「『生命』とは物理や化学で表すことのできるモノ」だと、分子生物学が専門の教授に教わったそうです。その時に出会ったこの本、『生命とは何か?』。「生命」を「物質」と捉えている作者はどう結論付けたのか。ぜひ、ご覧ください。
- ポール・ナース 著、竹内薫 訳『What is Life ?』(ダイヤモンド社,2021)
「出会いは昨年、ある新聞の広告欄から『What is Life?』の文字が覗いてきた。運命を感じ、手に取ると、内容は高校生物レベルで理解できるものだった」と久留主理事はいいます。書名の日本語訳が①の推し本、『生命とは何か?』と同じだということに皆さんは気づいたでしょうか。生物学から見た「生命」とは、作者はどう結論付けたのでしょう。違う言語で同じ意味の作品名。『生命とは何か?』と比較して読むことをおすすめします。
- 立花隆 著『宇宙からの帰還』(中央公論新社,1985)
初めて読んだ感想は「わくわくした」。宇宙飛行士の実話が多く盛りこまれているこの本は、実に人間臭く、一握りの人間しか語ることのできない宇宙体験談です。久留主理事は「宇宙飛行士のその後の考えが参考になる。もっと広く宇宙を見ること、月やそれ以外の天体、太陽系外の惑星に興味がわいた」とおっしゃっていました。どんな世界が広がっているのか。文字で表された宇宙の光景や、人間臭い宇宙飛行士のお話を、覗いてみてはいかがでしょうか。
久留主泰朗理事・副学長と読書
久留主泰朗理事・副学長に読書についての考えなどを聞きました。
Q.先生ご自身の経歴と現在のお仕事を簡単に教えてください。
大学卒業後、民間企業に11年間務め、就職後にドクター(博士)を取得しました。茨城大学には、農学部の教員として35歳の時に着任し、遺伝子実験施設長、学部長補佐、副学部長を経て、2014年から農学部長を4年間務めました。2020年から現在の職務(茨城大学理事・副学長)に就き、茨城大学の教育担当理事として、全学の授業内容の把握やその効果などの点検をしたり、新しい学部相当の教育課程をつくる計画をしたりしています。
Q.学生の頃と現在の読書量はどのくらいだったのでしょう?
中学生の頃から、ジャンルを問わず本を読んでいました。父親の書庫に行って、気になった本をつまみ食いをするように読んでいました。研究が進むにつれて、読書は主に学術雑誌に変化しました。
書店に行くことが好きで、眺めて気になった本を手に取ったり,新聞の本の広告欄を参考にしたりして本を選んでいます。
Q.読書に対するお考えを聞かせてください。
読書はとても大事なことだと考えています。中には理解することが難しい本もあり、本を読むというのは時間がかかることですが、本を読むことで、「文章力がつけられる」「漢字が覚えられる」「想像力を鍛えられる」と思っています。特に文章力については、理系は報告書などを簡潔明瞭にまとめることが多いため、文系の研究者などが一行の文章に飾り付けをするようなテクニックを尊敬しています。本からの情報を頭に入れ、それらを組み合わせることにより、想像力が養われるとも考えています。
実際に久留主理事が選ばれた"推本"については、生協書籍部にて紹介しています。是非いらっしゃってください!
(取材・構成:生協学生委員会 渡辺 汐里(教育学部3年))