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【太田寛行学長】茨大生・教職員が選ぶ!わたしの推本
―生協学生委員会がインタビュー

 茨城大学生活協同組合書籍部と生協学生委員会(GI)では、今の学生生活の実態を正しく捉え直し、もっと書籍部へ足を運びたくなるような取組みとして、おすすめ書籍「#推本」企画を実施しています。
茨大生・教職員が選ぶそれぞれの「推本」について、GIメンバーが選者へのインタビューを通じて紹介していきます。初回は、太田寛行学長編です! 

太田学長の推本

太田寛行学長の「推本」

  1. ジョン・グレイ 著、鈴木晶 訳『猫に学ぶ、いかに良く生きるか』(みすず書房出版,2021)
    太田学長自身も猫を飼われており、それが読むきっかけの1つになった本です。哲学的な内容となっていますが、その中でも学長の印象深いところは人生の意味を説いている場面だそうです。肌で感じたり体験したりする機会の少ない現代を見つめ危機感を抱いたと仰います。

  1. 磯野真穂 著『他者と生きる、リスク・病い・死をめぐる人類学』(集英社新書出版,2022)
    文化人類学と医療人類学を専門とする著者によって書かれた本で、太田学長はこの本から多くのことを感じたそうです。特に「自分らしさ」を扱った部分に惹かれたと言います。「自分らしさ」と聞くと良いものだと思ってしまいがちですが、それは本当なのか?学長も惹かれたその矛盾に是非触れてみてください。

  1. ルシア・ベルリン 著、岸本佐知子 訳『掃除婦のための手引き書』(講談社文庫出版,2022)
    著者自身の経験に基づく作品集で、アルコール中毒や離婚といった一見私たちの日常にはあまりないようなものを描いているように見えるけれど、読み進めていくうちにそうではないことに気づかされたと太田学長は言います。みんな何かを抱えて生きていることを実感する1冊になっていると仰っていました。

太田寛行学長と読書

 太田寛行学長に読書についての考えなどを聞きました。

太田学長

Q.先生ご自身の経歴と現在のお仕事を簡単に教えてください。

大学院修了後に日本学術振興会の研究員や岡山大学の歯学部の助手を経て茨城大学に着任し、農学部の教授、理事副学長に着任しました。合計4年間理事・副学長を務め、その後現在の職務(茨城大学学長)に就きました。仕事の内容としては、大学の中のあらゆることをやっています。大学内にある様々な委員会のものごとを決定する運営の過程の中に議長として参加していたり、学外の人に対しても大学を支援してもらえるように日々努力していたりします。学生の声を聞く機会も持ちたいなと思っていて、年1~2回学生の声を聞くようにはしています。

Q.学生の頃と現在の読書量はどのくらいだったのでしょう?

幼い頃は全く本を読んでいませんでした。しかし、高校生の時に出会った先生に影響を受けてからは色々なものに興味をもつようになり、書店にもよく行くようになって、そこから色々な本に手を出し始めました。大学生になってからはやはり専門的な本を読むということが中心になっていましたね。
今は実験が中心なので、実験に関わることは読むこともあります。

Q.読書に対するお考えを聞かせてください。

ティム・インゴルドの例えで、本を読むことは歩いて旅をすることのようであるとあります。今の旅は輸送で行われて変わらずに運ばれるけれど、歩いて旅行するときは途中で色んなものが目に留まって、いろんな感覚や見方が変わっていく。本を読むと、途中で別の興味をそそられて違う本に移ることもあり、最後まで読み進めることができないこともあるが、その中で得られる気づきが大事であるのです。本というのは、そういう歩いて旅行するようなものじゃないか。最後まで行きつかなくてもいい。そこで自分が変わる何かがあれば、と思っています。

実際に学長が選ばれた"推本"については、生協書籍部にて紹介しています。是非いらっしゃってください!

(取材・構成:生協学生委員会 杉田捷人(人文社会科学部3年))