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LGBTQ・SOGIEなど多様な学生・教職員が安心して居られる大学のために
―虹色ダイバーシティ代表・村木真紀さんを講師に法人経営人材育成研修

スライドの横に立ち、講演する村木さん

 9月10日、茨城大学の役員・教職員に加えて学生も対象とした法人経営人材育成研修を開催しました。今回は、認定NPO法人虹色ダイバーシティ代表・理事長の村木真紀さんを講師に迎え、「誰かを排除しない大学をつくるためにできること〜LGBTQ・SOGIEの観点から〜」をテーマに講演いただきました。

 茨城大学では、法人経営人材を計画的に育成するため、さまざまなテーマで研修を実施しています。今年度は、学内全体でダイバーシティ&インクルージョンを推進する意識を共有する観点から、ダイバーシティ推進室とアクセシビリティ支援室も企画に参加し、今回の講演が実現しました。

挨拶をする佐川学長。演題の上にはレインボーフラッグ。
冒頭、佐川学長は「全ての方が自分らしく安心して働ける環境をつくることは特に幹部職員に強く求められている課題」と述べた。手前はLGBTQのシンボルであるレインボーフラッグ。

 村木さんは茨城県出身。高校時代に「初めて女性の恋人ができた」といいます。しかしその頃はロールモデルとなる存在がおらず、「早く地元を出たい」と考えていたそうです。やがて京都の大学への進学が決まり、同じ寮の先輩にカミングアウト。「初めて誰かに説明するのは怖くて、足が震えて涙が出てきました。でも先輩も一緒に泣きながら受け入れてくれたことで、安心して寮生活を送ることができました」と振り返ります。さらに、学外のボランティア活動を通じてLGBTQの友人とも出会ったといいます。

 こうした経験を踏まえ、村木さんは「地域や家庭の抑圧から逃げないといけないと思っている子にとって、大学進学はとてもよい『言い訳』。私にとって大学は、話せる友達や先輩と出会い、ようやく自分を模索できた場所でした」と語りました。そして、「そうした場がここにもあるか、ぜひ考えてほしい」と参加者に問いかけました。

スライドの横で講演する村木さんと、聴講者。
村木さんの話に一人ひとりの参加者が熱心に耳を傾けていた

 続いて、「LGBTQ+」や「SOGIE」といった用語の基本的な知識や、国内外の法制度や同性婚をめぐる動向について解説。また、各大学でガイドブックの作成や研修の実施など、理解促進や環境整備に向けた取り組みが進められていることも紹介しました。

 一方、村木さんが当事者の学生から聞いた声として、「配慮の申し出をいろいろな部署や担当者に繰り返し説明しなければならず疲れてしまう」「授業で教員による代名詞(『彼』『彼女』など)への配慮が忘れられがち」「合宿での大部屋利用がつらい」「就職活動に関するアドバイスが得られない」「男女共用トイレがない」といった課題も紹介されました。また、教員からも「当事者の教員が孤立している」「日本の図書館にはLGBTQ関連の文献が少ない」といった声が聞かれるとのこと。

 村木さんは、「『10人に1人』への配慮がなされていたとしても、残りの9人を『標準』とみなす大学運営では必ず行き詰まります」と指摘。「『みんな違う』ことを前提に大学運営を設計してほしい」と訴えました。そして具体的な取り組みとして、相談窓口や研究室へのレインボーフラッグやステッカーの掲示、知識を得て行動にも移せる「アライ(同盟者)」を増やすことなどを挙げ、「やれることは全部やってください」と力強く呼びかけました。

スライド画像を指さしながら説明する村木さん
「若年層と勤労世代をつなぐ場として大学の役割は重要」と語る

 質疑応答では、参加者から「抑圧を受けている学生にどのように接するべきか」「理解や認識のギャップを埋めるための場づくりやコミュニケーションについてアドバイスがほしい」といった質問が寄せられました。これに対し村木さんは、「100%の対応というものはあり得ませんが、少しずつでも前に進んでいる姿を示すことは大きな意味があります」と述べるとともに、「安心して大学に来ることのできる環境をつくっていくことが大切」と応じました。

 さらに、今後の社会情勢や世論の変化も想定して、「授業などで学生が差別的な発言をしたとき、マイクを握る教員としてどのようなリアクションができるかは重要です。そうした発言は、やはり毅然と止めなければなりません」と語りました。

 誰もが安心して学び、自分らしさを模索できる大学であるために何ができるのか。参加者一人ひとりが真剣に耳を傾け、改めて自分ごととして考える機会となりました。

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