地域未来共創学環の目玉プログラムである有給の「コーオプ実習Ⅰ」がこの夏スタートしました。同学環の「第一期生」である3年生41人が計29の企業・団体・自治体で約3か月に及ぶ実習に臨んでいます。広報・アウトリーチ支援室ではその実習の現場を取材しています。今回は、茨城いすゞ自動車株式会社内にあって人材事業を手がけている「CRANカンパニー」にお邪魔しました。
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水戸市五軒町、水戸芸術館のすぐそばに本社ビルのある茨城いすゞ自動車株式会社。今年度のコーオプ実習Ⅰでは2人の学生が実習に取り組んでいます。
このうちの1人、大友麻有里さんが配属されたのは、2022年に同社内の新規事業として立ち上がった「CRANカンパニー」です。同社は「地域を代表する会社」というビジョンのもと、「地方地域から『なりたい』『ありたい』を実現させ、『善き社会』と『笑顔』を創る」というパーパス(企業としての存在意義)を掲げており、企業に対して「採用パートナー」として人材マッチングのサポートをし、個人に対しては転職活動の伴走支援などを行っています。
大友さん本人に、どんなお仕事を任されているのか聞いてみると、「人手が足りない企業様に人材のご提案をしたり個人にスカウトメールを送ったりといった採用支援に関わるメイン事業の業務と、働いている社員のみなさんの実績データをもとに業務の改善を図る経営管理の業務という2つのお仕事を行います」とのこと。さっそく初日からスカウトメールを送る仕事などを行ったそうです。
私たちは8月26日、実習2日目の朝に現場におじゃましました。
大友さんの出勤は、他のみなさんと同じ午前9時。その少し前にオフィスに到着しました。社員のみなさんが揃うと「朝会」が始まります。室内に聴こえてきたのは…ラジオ体操のBGM(しかも「第2」)!!ビル5階の窓の外に見える水戸市民会館や水戸芸術館を眺めながら「1、2、3、4…」と体操をします。ちなみに大友さん、ラジオ体操第2は人生で初体験とのこと。確かにまだぎこちなさがあります。3か月の実習でラジオ体操も上達するでしょうか…(笑)
この日の朝会ではまず、社員のみなさんが2~3人の小グループに分かれて、業務の状況などを報告しあいます。大友さんとペアになったのは…なんと茨城いすゞ自動車株式会社の豊﨑悟社長(CRANカンパニーの代表も務めている)!初日の様子などについていろいろと質問を受けたようですが、大友さんも豊﨑社長の目を見ながら積極的に話していました。
その後は県外の研修に参加したという社員の方がその内容を全員に共有。「AIによる人材選考によってバイアスが減る」といった報告内容を受けて、他の方から「本当にそうかな?」という意見が出るなど、単なる報告に留まらず、全員で学び、考えるという姿が印象的でした。
このような職場の雰囲気について、大友さんは、「社員の方も年齢が近く少人数で、明るくフランクな雰囲気です。相談したいことがあったときに相談しやすいと感じています」とポジティブに受け止めています。
大友さんのメンター役を務めるのは、CRANカンパニー経営管理チームの村上朋映さん。大友さんについて村上さんは、「研修でも積極的に質問をしたりメモをしたりしてくれていて、前向きな姿勢を感じています」と印象を語ります。業務についても、「初日からスカウト業務を行ってもらったのですが、さっそく大学で学んでいるデータサイエンスの知識や分析方法を活かせたと振り返ってくれていました。私たちが言わなくても自分で考えながら行動してくれているのがすばらしいです」と評価してくださいました。
大友さん自身も「スカウトメールの返信率を見ながら、自分の文章のよかった点、よくなかった点を分析して改善していく。そういうPDCAを回す作業は自分に合っていると思います」と振り返ります。一方で難しいと感じている部分もあるようです。
「たくさんのメールを送ったりしなければならない中、限られた時間で効率よく情報を取捨選択するという点では、まだまだ力不足と感じています。この3か月で成長したいです」
短いスパンの中で業務を回していかなければならないという特性は、実習のプログラムを組み立てる上での難しさにもつながるようです。村上さんはこのように語ります。
「業務内容が流動的なので、前もって業務を準備して『これを3か月やっていただこう』というのがなかなか難しいところがあります。また、社外でお客様の対応をする業務も多いことから、学生さんにどこまで対応、同席してもらうかという判断や調整もこれから出てくると思います。そのときどきの調整をどのように進められるかが、現時点での私の中での課題ですね」
そのような難しさがある中でも、どうして実習を受け入れてくださるのでしょう。その理由について村上さんは、CRANカンパニーが掲げる「地方地域から『なりたい』『ありたい』を実現させ、『善き社会』と『笑顔』を創る」というパーパスを引き合いに出して説明してくださいました。
「私たちのパーパスは、普段の企業様や転職している方とのやりとりだけでなく、学生の実習の受入れを通じても実現できるものだと思うのです。茨城で自分の夢ややりたいことを模索してがんばっている学生に対して、自分の『なりたい』『ありたい』という方向に向かって人生を歩んでいけるような関わりが、弊社としてできるのではないかと。大友さん自身にも、将来どうありたいかを考えながら進んでいってほしいですし、そのためのヒントをCRANでの3か月間で得てもらえたら、それは私たちのパーパスの実現につながるものだと思っています」
村上さんのこの言葉は、地域未来共創学環が目指すビジョンがそのまま詰まってます。学環の開設を通じて目指したのは、実習先での就職ではなく、地域のために大学と地域の方々が一緒に人材を育てるという営みを形にすること。そのビジョンを共有しながら学生に接してくださっていることが伝わり、取材者として胸が熱くなりました。
「言われたことをやるだけではなく、自分の『なりたい』『ありたい』を意識して実習に取り組んでほしい」という村上さんからのメッセージは、大友さんの心にも強く響いたようです。
「コーオプ実習が終わったときに自分がありたい姿や、卒業して働くときにありたい姿をイメージしながら、業務の目的や意味を自分で考えて、自分なりの視点をもってひとつひとつの業務に取り組むことを大事にしていきたいです」
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