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4センター成果報告会を開催
―総合気候変動科学の創出に向けた取組みを学内共有

 2026年3月19日、茨城大学水戸キャンパスにおいて、本学が推進する「総合気候変動科学」の中核を担う4つの研究センターによる成果報告会が開催されました。本報告会は、研究・産学官連携機構(iRIC)の主催により、学内の教職員を対象として、対面とオンライン配信を併用したハイブリッド形式で実施され、会場・オンラインを合わせて100名以上が参加しました。

 冒頭、太田寛行学長が開会の挨拶に立ち、本学における気候変動研究の歩みについて説明しました。本学では2006年に地球変動適応科学研究機関(ICAS)を設立し、2020年には地球・地域環境共創機構(GLEC)へと再編しました。さらに緩和研究の強化に向け、2023年にカーボンリサイクルエネルギー研究センター(CRERC)、2024年に原子科学研究教育センター(RECAS)、2025年にグリーンバイオテクノロジー研究センター(Gtech)を順次設置してきました。太田学長は、これらの体制整備により、気候変動の影響に備える「適応策」と、温室効果ガスの排出削減を目指す「緩和策」の両面から、大学全体で研究に取り組む基盤が構築されたことを述べました。

 続く第一部では、各センター長による成果報告が行われました。はじめに、GLECの戸嶋浩明機構長が、適応策の研究拠点として環境大臣表彰を2度受賞した実績を紹介するとともに、2026年度から体制を見直し、3部門体制のもとで総合気候変動科学を一層深化させる方針を示しました。続いて、CRERCの田中光太郎センター長は、湿度スイング式DAC(MSA-DAC)による低エネルギーでのCO2回収やメタノール合成について報告しました。

GLECの戸嶋浩明機構長
CRERCの田中光太郎センター長

また、RECASの岩佐和晃センター長は次世代技術の開発や地域と連携した教育・研究の展開について、Gtechの小松﨑将一センター長は設立初年度の取組や不耕起栽培などの環境保全型農業について、それぞれ進捗を報告しました。

RECASの岩佐和晃センター長
Gtechの小松﨑将一センター長

 第二部の総合討論では、iRICの土屋陽子副機構長がモデレーターを務め、4人のセンター長に加え、太田学長、次期学長の佐川泰弘理事・副学長(総括・財務・企画・評価)、金野満理事・副学長(学術)が登壇しました。

 討論では、各センターの強みを活かした「総合気候変動科学」の発展性や、エネルギー問題の解決策、開発技術を社会に浸透させる「社会実装」の重要性について、活発な議論が交わされました。また、総合気候変動科学の「総合」という言葉に、広い視野で次の文明を見据えるという本学独自の強みと決意を込める姿勢が、本報告会を通じて改めて共有されました。

 議論の総括として金野理事は、現代文明の発展は産業革命によって人類が化石エネルギーの利用方法を習得したことに端を発している点に触れました。この化石エネルギーの活用は、交通の便を飛躍的に高めただけでなく、化学肥料の原料となるアンモニアの製造を可能にし、圧倒的な食料生産と人口増加をもたらした一方で、長年地中に蓄積されていた炭素を二酸化炭素として放出したことが、現在の気候変動の直接的な原因となったと説明しました。その上で、脱炭素社会への移行は単なる技術代替に留まらず、食料・資源・経済システムを含む「文明の大転換」と捉えるべきであり、人文社会科学的な視点を含めたトータルな解決策が不可欠であると述べました。

金野満理事・副学長(学術)

 最後に、iRIC機構長を務める倉本繁副学長(研究・産学官連携)が、課題をチャンスや挑戦として捉え、組織横断的に取り組むことの重要性を説き、会は締めくくられました。

参考

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