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入学前から学校現場へ
―地域教員希望枠入学者による学校インターンシップ

 茨城大学教育学部附属小学校の体育の授業で、児童たちと一緒にポートボールをする若い先生。あれ?よく見ると高校のジャージを着ている?
 実は、来年度地域教員希望枠で入学する予定の高校生が、入学前から実際の学校現場を体験しているのです。

児童たちとポートボールをする高校生

 教育学部は、令和8(2026)年度入学者選抜から総合型選抜における地域教員希望枠を導入しました。茨城県内の教員を目指す強い意欲を持った人が入学する制度です。学校教育や教員養成をめぐっては、小学校教員の不足、多様な支援を必要とする子どもの増加、AI・データサイエンス教育を推進する教員の必要性など、さまざまな課題があります。それらを解決すべく、教育学部は茨城県教育委員会と連携し、新たな教員養成に取り組むことになりました。

 こうした課題を背景に設けられたのが、地域教員希望枠です。出願要件として出身高校・出身地域の制限は設けていませんが、茨城県の教員になりたい、という方が入学するための制度です。
募集は、教育学部学校教育教員養成課程の教育実践科学コース、教科教育コースのうちの英語選修・理科選修・技術選修、特別支援教育コースの5コース・選修で実施しています。入学した学生は、上述したような地域課題を解決すべく、各コース・選修が定める教育プログラムを履修します。同プログラムを修了することで、茨城県公立学校教員選考試験(小学校など)を特別選考で受験可能となります。
(参考:教育学部、令和8年度入学者選抜から地域教員希望枠を導入 茨城県教育委員会と連携地域課題に対応したプログラムも新設|茨城大学

 令和8年度は31人が入学する予定です(定員30人)。教職への高い意欲を持った学生たちを迎えるにあたり、実際の学校現場に赴き、授業や採点の補助をする教育学部生向けの授業「学校インターンシップ」を入学前から履修できる仕組みを整えました。希望者は科目等履修生として、附属学校園でのインターンシップに参加することができます。高校生が科目等履修生になれる仕組みは、大学として初めての試みです。
教育学部の新井英靖副学部長は、学校インターンシップの重要性を「教員になる上で必要な『教わる側から教える側へ』の意識変革に適している。入学前にその姿勢を獲得できることは大きい」と話します。

職員室で採点作業をする高校生

 昨年12月上旬、学校インターンシップを希望する高校生たちが水戸駅南サテライトに集まりました。服装や持ち物の指示を受けた後、科目等履修生として使用するIDの確認や連絡ツールの設定などを行いました。複雑な作業に戸惑いながらも、隣に座る“同期”と協力しながら、試行錯誤して環境を整えていきます。その後は、徒歩で附属小学校を訪れ、校内の様子を見学。道中も話が弾み、すっかり打ち解けた様子でした。

 学校インターンシップ当日の同月中旬、附属小学校では3人の高校生が学校インターンシップを行っていました。バスケットボールやポートボールをしたり、英語や国語の授業で机の間を歩いて回りながら学習の様子を見守ったりしました。職員室での採点作業時には、手元のマニュアルを見ながら仲間に「この漢字、少し線の長さが足りないように見えるけど、丸(正解)にしてもいいかな?」などと相談しながら次々と仕事をこなしていきました。

授業の補助をする高校生

 今年度後期の学校インターンシップは2月末まで続きます。

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