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農学部とコマツ、実証研究の収穫米9トンを子ども食堂などに寄贈

 茨城大学農学部と建設・鉱山機械メーカーのコマツは、農業用ブルドーザーを活用した乾田直播水稲栽培の有効性に関する実証研究を行っています。その研究を通じて収穫された新米は、食の支援を必要とする方々に毎年寄贈しています。今年も9トンのお米(品種:「にじのきらめき」)を子ども食堂などに寄附しました。

 乾田直播水稲栽培は、水田に苗を植える従来の方法ではなく、稲の種子を畑に直接播くことで苗作りや田植えのコスト削減を可能にする技術です。ただし、圃場面を高精度に均平化する技術が必要となります。

 そこで茨城大学農学部とコマツは、ブルドーザーを用いた乾田直播水稲栽培の実証試験を2020年から稲敷市の大規模圃場で開始しました。コマツの農業用ブルドーザーは、GNSS測量データを活用した高精度ICTによりブレードの高さを自動制御し、大規模圃場で直播に必要な高精度な均平を実現しました。また、後部に農業用アタッチメントを装着することで、耕起作業や種まき作業も可能です。この実証研究には、コマツの販売代理店であるコマツ茨城株式会社および株式会社イバジュウも参画しています。

コマツの農業用ブルドーザーを用いた播種作業の様子
コマツの農業用ブルドーザーを用いた播種作業の様子

 今年度の贈呈式は121日、子ども食堂の運営や学生への食糧支援を行っている社会福祉法人阿見町社会福祉協議会、子ども食堂サポートセンターいばらき、茨城県生活協同組合連合会の皆さんの出席のもと、茨城大学阿見キャンパスで実施しました。

贈呈式出席者による集合写真

 冒頭、挨拶に立った茨城大学農学部の宮口右二学部長は、「今年の猛暑や経済的要因で米価が高騰する中、このような機械メーカーの技術を活用した省力化の推進は重要になっている。また、後継者不足や気候変動の課題もあり、この共同研究は、これらの課題に対応し、持続可能な米生産を実現するための取り組みであり、今後も研究を進めて行きたい。」と話しました。続いて、コマツ グリーン事業(林業・農業)推進本部の坂井睦哉フェローは、「大規模乾田直播技術を確立し、東南アジアやアフリカなど海外へ普及させていくことがこの共同研究の目的の一つであるが、国内では農業者の急激な減少や耕作放棄地の増加が深刻化している中、乾田直播は日本のコメ生産効率化の有力な解決策の一つになり得る」と述べました。

 その後、コマツの坂井フェローから阿見町社会福祉協議会の湯原勝行さんへ、黒田久雄名誉教授から子ども食堂サポートセンターいばらきの尾﨑知弥さん、および、茨城県生活協同組合連合会の鶴長義二さんへ、それぞれ目録が手渡されました。

 阿見町社会福祉協議会の湯原氏は、「米の価格が高騰し、家計が厳しい家庭では新米を購入することが難しく、安価なお米で生活している方が多い。そのため、新米のおいしさを味わえない家庭が増えているのが現状です。こうした中で、今回のお米を子ども食堂や単身高齢者の方々に届けられることは、大変ありがたい」と語りました。また、子ども食堂サポートセンターいばらきの尾﨑氏も「複数年度にわたり寄贈いただいており、これがあることで一年を乗り越えられるという声も多く聞きます」と話し、茨城県生活協同組合連合会の鶴長氏は「クリスマスの時期に困っているご家庭に食料品などを提供する取り組みや、生協食堂で通常より安く提供できる取り組みに、今回のお米を活用させていただきます」と語りました。

 茨城大学農学部とコマツは、今後も実証研究や食の支援活動を継続していきます。

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