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茨城大学地球・地域環境共創機構が気候変動アクション環境大臣表彰を受賞

 茨城大学地球・地域環境共創機構(GLEC)が、環境省「令和7年度気候変動アクション環境大臣表彰」の「先進導入・積極実践部門/適応分野」を受賞しました。同表彰は、気候変動の緩和および適応に優れた取組を行う個人・団体を対象とするもので、GLECにとっては令和2年度の設立以来2度目の受賞となります。先進導入・積極実践部門の「適応分野」では唯一の受賞です。
 気候変動の影響が顕在化し、適応への関心が高まる中で、「“研究×教育×社会実践”の統合による先進的気候変動適応の共創」を標榜した先進的実践が評価されました。

環境省の森下千里政務官から表彰状を受け取る田村教授(右)
環境省の森下千里政務官から表彰状を受け取る田村副機構長(右)

 GLECは、2020年に地球変動適応科学研究機関(ICAS)と広域水圏環境科学教育研究センター(CWES)を発展的に統合する形で新設されました。文理の枠組みを超えたさまざまな分野の研究者が集まっており、環境・経済・社会の統合的な課題解決を目指すユニークな環境共創の教育研究拠点となっています。20年近く積み重ねてきた『適応策』に関する研究・教育・社会実践の実績を継承しながら、新たな展開や挑戦を続けてきました。

 研究面では、気候変動リスクの多面的把握と適応効果評価に取り組んできました。環境研究総合推進費S-18「気候変動影響予測・適応評価の総合的研究」(2020~2024年度)においては、26の研究・教育機関と連携して全国で統一的な気候変動影響予測を進め、自治体の適応計画検討に資する高解像度の影響予測や適応策の効果の評価、分野ごとに脆弱な地域の抽出、地域ごとの影響特性の把握などを行いました。
 気候変動に関する政府間パネル(IPCC: Intergovernmental Panel on Climate Change)への貢献も顕著です。IPCC第6次評価報告書では三村信男特命教授が第18章のレビューエディターを務めたほか、メンバーの研究が多数引用されました。
 ほかに、ベトナムやインドネシア、タイ、フィリピン、中国などとの国際ネットワークも築いてきました。2022年に研究成果をまとめたオープンアクセス書籍を発行し、2025年11月時点で約7.7万回ダウンロード、6回引用されています。

 社会実践面では、気候変動適応の発信と適応政策形成へ貢献しています。
 その象徴的な存在が、2019年に大学内に設置された「茨城県地域気候変動適応センター(iLCCAC)」です。気候変動適応法に定められた「気候変動影響及び適応に関する情報の収集、整理、分析、提供、技術的助言を行う拠点」として整備されたもので、地域気候変動適応センターが大学に設置された事例は茨城県が初めてでした。ここでは県や市町村との連携や適応計画策定の支援が継続的に行われていて、2022年度は茨城県の環境基本計画、温暖化対策実行計画、地域気候変動適応計画の策定に携わりました。

 教育面においても、国内外での気候変動教育の展開と地域人材の育成を推進してきました。持続可能な社会構築のために国際的に活躍できる専門家の育成を目指し、学部・大学院で全学共通のサステイナビリティ学教育プログラムを構築・運営しています。
 さらに、2025年10月から総合気候変動科学に関するオンデマンド講義動画(全225本)をJV-Campusを通じて公開しており、国内外の学習者に向けて知識を広く共有する体制が整っています。
 日本・ベトナム両国政府の合意によりベトナム・ハノイに設置された日越大学(VNU-Vietnam Japan University)の修士課程「気候変動・開発プログラム(MCCD)」の幹事校を務めています。その背景には、これまでのベトナムでの気候変動研究やサステイナビリティ学教育プログラムの教育実績があります。

賞状を手にする戸嶋浩明機構長、田村誠副機構長、蓮井誠一郎副機構長

 今回の受賞は、こうしたGLECの一連の取り組みが評価されたものです。
 表彰式は125日(金)に東京都で開催されました。GLECからは戸嶋浩明機構長、田村誠副機構長、蓮井誠一郎副機構長が出席し、出席者を代表して田村副機構長が森下千里環境大臣政務官から表彰状を受け取りました。
 受賞を受け、戸嶋機構長は「令和2年度は『普及・促進部門』でしたが、令和7年度は『先進導入・積極実践部門』で受賞できました。この5年間で気候変動はさらに深刻化しており、科学的知見に基づく実践が一層求められるようになっています。その一端をGLECが果たせたのではないかと感じています。最後に、GLECとの気候変動適応の共創に関わってくださった全ての方々に御礼申し上げます」と語りました。

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