農学部と協力し、乾いた田んぼに種もみを直接播く「乾田直播」での稲作に挑戦していた教育学部附属小学校。今年は雨が少なく、無事育つか心配されましたが、青々とした稲に金色の穂が実りました。10月3日、稲刈りが行われました。
(種まきの様子や取り組みの経緯はこちら:少ない水でお米を作ろう!教育学部附属小学校×農学部|茨城大学)
5月に種まきをしてから、児童たちは世話を続けました。水を張らない農法で雑草が生えやすいため、こまめに草抜きをしたり、足りない水分を補うために水やりをしたりしていました。
そうして迎えた稲刈り当日。校舎脇の田んぼでは、大きく育った稲が収穫の時を待っていました。児童たちは軍手をはめて準備万端。農学部の授業を担当する林暁嵐助教(応用生物学野)の指導を受けて、1束ずつ鎌で刈っていきます。初めは持ち方や刃を入れる角度に苦戦していた児童たちも、2度、3度と繰り返すうちに、慣れた手付きに。
刈った稲は保護者の皆さんの協力で、一定の量にまとめます。まとめた稲は、百葉箱を囲むフェンスで天日干し。数週間かけてゆっくり、しっかり乾かします。
児童たちの様子を見ていると、田んぼの周辺に種まきの際にはなかった看板や囲いがあることに気づきました。
「みんなで協力して作ったんだよ!」
信濃こなねさん、市毛萌々華さん、太田あおいさんの3人が教えてくれました。種まき後、児童は①鳥対策チーム②害獣・害虫対策チーム③看板チーム④おいしいお米チームに分かれ、それぞれ活動したそうです。①②はその名の通り、野生動物から稲を守る活動。③は、田んぼの名前や児童向けの注意などを描いた看板作り。④は、校内の脱穀機や鎌、ふるいなどを探したり、お米をよりおいしくするにはどうすべきか考えたりした、とのこと。
ほかの児童もやって来て、「お米に元気でいてほしいから、看板に『ボールを入いれないでね』って書いたんだよ」「鳥が来ないように、キラキラのテープを張ったよ」「みんなで意見を出し合って、『つなごう にじきら田んぼ』って名付けたよ」と、色々な工夫を聞かせてくれました。
種まきから見守ってきた林助教は、「今年は雨が少なく、実がならないのではないかと心配していました。みんながいろいろとお世話をしてくれたから、きちんと育つことができたのかな」と微笑みます。一方で、うまく育たなかった稲もあり、田んぼの端には隙間が目立ちました。生育初期の稲は雑草と見分けがつきにくく、誤って抜いてしまったことに加え、「土壌の問題もあります」と林助教。この田んぼは水はけが良く、雨が降っても水が溜まりにくいのです。「来年度以降もこの取り組みを続けるなら、水を通しにくい粘土を混ぜた方が安定しそうです」と今後を見据えます。
このあとは、脱穀や籾摺り、選別などの作業を行う予定です。収穫量が十分にあれば、一部を茨城県内で開かれるコメの国際大会に出品する計画です。そして最後には、みんなでお米の味を確かめる試食も待っています。
所澄俐さんは「種まきをしてから、お米ができるのをずっと楽しみにしていた。お水が足りないと思っていたけど、うまくいってうれしい。苦労はかかったけど、楽しかった」と振り返ります。塚田侑太郎さんは「稲刈りは初めての経験だったので心配だったけど、やってみたらできた」と胸を張ります。白米は大好物だそうで、「大会でいい成績を取りたいし、食べるのも楽しみ」とわくわくした様子でした。
(取材・構成:茨城大学広報・アウトリーチ支援室)