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西塩子の回り舞台6年ぶりに公演 茨大生が設営・広報で協力

 常陸大宮市西塩子地区で江戸時代から受け継がれてきた組み立て式の農村歌舞伎舞台「西塩子の回り舞台」が1025日、6年ぶりに復活します。その設営や広報に携わるのは、茨城大学の有志学生グループ「茨大西塩子チーム(通称:INT)」。メンバーにこれまでの活動や当日の見どころなどを聞きました。

「西塩子の回り舞台」を宣伝する河合さん
「西塩子の回り舞台」を宣伝する河合さん

 「西塩子の回り舞台」は、茨城県の有形民俗文化財で、現存する組み立て式・仮設型の回り舞台としては日本最古とされています。地域の方々が地元の竹や縄などで舞台を作り、公演が終わるとすべて解体します。ここ30年ほどは、基本的に3年に1回程度のペースで定期公演を実施していましたが、コロナ禍などの影響で今回6年ぶりの開催となりました。 

 茨城大学とのつながりは、人文社会科学野の西野由希子教授が長年同舞台の支援をしていることがきっかけです。これまでも茨大生が準備や運営に携わってきましたが、久しぶりの開催にあたり、学生をまとめる組織を新たに作ることになりました。それが2024年秋に発足したINTです。

 INTは、主に対外的な情報発信を担っています。立ち上げメンバーの河合翔太さん(人文社会科学部4年)は、「舞台を作るのは職人さんたちプロの仕事で、資金集めは学生では難しい。何ができるか考え、こうした伝統文化があることを知ってもらうこと、後世に残すことが自分たちの役割ではないか」と話します。これまで、高校での出前授業や、パンフレットの作成などを通じて、子どもたちに舞台の魅力を伝えてきました。

 舞台の設営にもかかわりました。8月から9月にかけては、地元の里山から竹を切り出し、その竹を使って桟敷席の装飾をしたり、のぼり旗の土台を作ったりしました。

装飾用の竹を割る様子
装飾用の竹を割る様子

 その後も地域の方々を中心に舞台づくりは進み、1011日、舞台開きを兼ねたINT主催のイベント「茨大の日」が開催されました。茨大のお笑いサークルや吹奏楽団、合唱団などがステージに立ちました。河合さんと同じくINT立ち上げメンバーの村上瑠奈さん(同3年)は、「出演者は回り舞台を知らなかった学生が多いと思いますが、そうした学生に知ってもらえたこと、舞台に上がってもらえたことがうれしかった。一生なかったかもしれない接点を作れたのは成果の一つだと思う」と手ごたえを語りました。

「茨大の日」参加者の記念写真
「茨大の日」参加者の記念写真

 村上さんは、INTとして地域活動に加わり、「華やかな表舞台だけでなく、裏側の苦労などを見ることで自分自身成長できた」と語ります。定期公演当日は、地元有志で作った一座「西若座」の一員として、「太功記十段目 尼ケ崎閑居の場」に出演予定。常陸大宮市は父の実家がある、なじみの土地。「この土地にこんなに素晴らしい伝統芸能があると知り、感動と親近感を覚えた」と出演を決めたそうです。現在は週に3回、同市で稽古を積んでいます。公演本番を前に、「やっと人前で演技できる。どんな景色が見えるのか楽しみ」と笑顔で話しました。

稽古中に衣装を身につける村上さん
稽古中に衣装を身につける村上さん

 当日は、公式手ぬぐいの「手ぬぐいデザインコンペ」表彰式も行われます。厳正な審査の結果、全41点の応募作品から大賞に選ばれたのは、茨城大学地域未来共創学環2年の阿部清夏さんの作品!阿部さんがデザインした手ぬぐいは、会場で公式グッズとして販売もされます。ぜひお手に取ってください。

「西塩子の回り舞台」第8回定期公演

■日時:1025 10:0018:00
■会場:塩田地区センター(常陸大宮市北塩子2163)
■入場料:500円(高校生以下無料)
■プログラムや駐車場案内などは特設ページ

(取材・構成:茨城大学広報・アウトリーチ支援室)

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