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【まちのイバダイ】レポート 「ケアとひとをひもとく」&まちなかPR編

 3月25日~44日の11日間にわたって開催している「茨城大学水戸市街地アウトリーチ週間〈まちのイバダイ〉」。
 331日は、水戸市泉町の「マチノイズミ」を会場に、「まちのケアとひとを繙(ひもと)く 小さなおしゃべり会」を開きました。
 また、初めての「まちのイバダイ」にあたっては、商店街や店舗のみなさまに多大な協力をいただき、まちなかのさまざまな場所にチラシを設置していただきました。
 今回はそれらの様子をレポートします。

まちのケアとひとを繙(ひもと)く小さなおしゃべり会(3/31@マチノイズミ)

 福祉やケアは、国や自治体の制度だけで成り立っているわけではありません。人と人、人と施設・団体、人と制度の間をつなぐようにして、多様な人たちがこの社会で生きていく上での広範なサポートをしている方々が、私たちのまちにはたくさんいます。

 今回のイベントでは、そんな、なかなか見えづらいまちの「ケア」と「ひと」を読み解いてみようと企画しました。ゲストは、フードパントリーや子ども食堂などの取組みを行っている特定非営利活動法人セカンドリーグ茨城の横須賀聡子理事長。地域社会学が専門の伊藤雅一助教(4月からは講師)も交えた、小さなおしゃべり会です。

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 こちらがマチノイズミ。セカンドリーグ茨城によるフリースクールや子ども食堂としても普段は使われています。

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 年度の締め日の昼間ということもあってか、こぢんまりとした、内輪の雰囲気の会に。その分、なかなか濃密な話ができました。上の写真の一番左が横須賀さんです。

DSC_0994_r.jpg 最初は、参加者が自らの家族の介護の体験やそこからの気付きについて語り出すことから始まりました。すると、横須賀さんご自身も介護の経験について話してくださいました。

 その中で、横須賀さん自身の家族やケアを必要とする方たちとの向き合い方について、「観察者」というキーワードが出てきました。
 すなわち、子育てや生活介助を行う際に、相手や自身の関わりを一歩引いて見て、「これをやってみたらどうなるかな?」という視点をもちながら、その過程をある種、味わい、そこからの学びを楽しんでいる、そんなスタンスが見えてきたのです。
 会の中ではそんな横須賀さんにスタンスに、「私もそうだ!」と共感する声もありました。「自分の家族のことに全身全霊を傾けるのではなく、そういう『観察者』のような人がもっと増えるといいよね」と横須賀さんも語ります。

DSC_1011_r.jpg また、フードパントリーの事業では、食糧の支援を受けた方とのオープンチャットがあり、そこでのやりとりが、関わった人たちが「ケアする」「ケアされる」ということを巡る、気付きや学びの場になっているようです(横須賀さん曰く、「社会教育の実験の場」!)。

 そうした日常的なネットワークが、制度の狭間でさまざまな困難に陥ってしまう方のサポートにもつながります。横須賀さんはここでも「観察者」として現場に立ちながら、何が起こっているのか・何が必要なのかという問いを立て、必要に応じて地方議員など法制度の整備に関わる人たちともコミュニケーションを図ります。

 国によっては、社会の人たちの声に耳を傾け、立法へとつなぐ、「アドボケーター」という仕事が確立されています。横須賀さんは、いわばフリーの「アドボケーター」のような役割も果たしているのです。

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 おしゃべりの会の間、手元の紙にたくさんのメモをとっていた伊藤助教は、そうした「フリーのアドボケーター」のような存在を、大学としてどう育てていけるかも考えたい、などと語りました。

 あたたかい雰囲気の中で、それぞれのケアの体験も持ち寄りながら、まちや社会にとって必要なことを、自分ゴトとして考えるきっかけとなるような時間になりました。参加してくださったみなさん、ありがとうございました!

市街地内に登場した「まちのイバダイ」 ご協力ありがとうございます

 さて、期間中、蛍光ピンクが目立つ「まちのイバダイ」のチラシを、市街地のみなさんのご協力のもと、たくさん掲示させていただきました。「見たよ!」という声もたくさん寄せられており、本当にありがたいです。

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 泉町のワインのお店。入口の柱やドアに何枚も!

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 こちらは、学生フォーミュラ部の展示に協力いただいた、水戸読売会館ビルの入口。この大きな看板、同ビルの方がご厚意で作ってくださったんです。ありがたい!!


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こんなところにも!図らずも、バスケットボールの茨城ロボッツのマスコット、「ロボスケ」とコラボです。

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 ちなみにこちらは、水戸市民会館1階のカフェスペースで展開した、「『まちのイバダイ』ミニギャラリー」。

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 学生たちの学内外での主体的な学修活動を表彰する「iOP-AWARD」の受賞ポスターや、大学の懐かしい写真も展示しています。

 それから銀杏坂~大工町に設置された公衆放送のスピーカーでは、現役の茨大生が、学生生活とまちとの関係を語る「まちとイバダイ」という放送も時折流れています。そちらもタイミングが合えばぜひお聴きください!南町自由広場のデジタルサイネージとも連動したコンテンツです。

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 ご協力いただいているみなさま、ありがとうございます!!