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徳川斉昭が記したとされる料理本『食菜録』
全300種のレシピと一部の再現料理写真を公開したWEBサイト公開
―茨城大学・荒木雅也研究室が事務局務める水戸食菜録研究会が制作―

 人文社会科学部の荒木雅也教授(専門:知的財産法・地理的表示)の研究室が事務局を務める「水戸食菜録研究会」は、徳川斉昭が記したと伝えられる江戸時代末期の料理本『食菜録(しょくさいろく)』のレシピや再現料理の写真・映像を収録したWEBサイトを、このたび立ち上げました。

syokusairoku_web.jpg食彩録ホームページはこちらから

『食菜録』は、水戸藩の第9代藩主・徳川斉昭(18001860)が記したと伝えられる料理本で、「いばらきうどん」「味噌納豆」「茄子のへた」「ヒスコイト(ビスケット)」など今では馴染みのない料理を含む計300種類のレシピが掲載されています。
 食品の地理的表示(GI)の法制度などを研究している荒木教授は、茨城県におけるさまざまな食品のブランド化にも関心を深める中、石島績(いしじまいさお)著『水戸烈公の医政と厚生運動 下巻』(日本衛生会 1943年)を通じて『食菜録』の存在を知りました。その後、歴史学の研究者や県内の郷土料理に造詣が深い専門家などに声をかけ、昨年(2022年)、水戸食菜録研究会を発足させ、内容の精読や調理の再現などを行っています。

 今回立ち上げたWEBサイトでは、『食菜録』の解説(英文併記)とともに、掲載された300種のレシピのテキストデータと、レシピをもとに再現した一部の料理の写真及び調理場面の動画を掲載しています。レシピのデータは、料理名(五十音順)、食材、料理の種類(和え物、煮物など)から検索することができます。主に荒木教授の研究室の学生がテキストデータの作成とWEBサイトの制作を担当しました。また、調理動画は現時点では「ソップ製法」「鴨てんぷら」「蛤はんぺん」の3点を掲載していますが、今後徐々に増やしていく計画です。


食菜録レシピ

 荒木教授は、「これまで『食菜録』の内容にアクセスするためには古い資料を直接閲覧するしかなかったが、データベース化してオンラインで公開することにより、多くの人が見て、活用することができるようになった。それによって、『食菜録』で紹介された料理への関心が高まり、さまざまなところで食されるようになって、茨城のブランド価値の向上につながれば」と話しています。

 水戸食菜録研究会では、今年11月、「徳川斉昭と食菜録」というテーマのシンポジウムも予定しています。

◆今回立ち上げた『食菜録』のWEBサイトはこちら
食菜録バナー

水戸食菜録研究会

【会員】(五十音順)
赤岩 正樹 茨城大学研究・産学官連携機構特命教授
荒木 雅也 茨城大学人文社会科学部教授
瀬戸 祐介 弘道館研究員
永井 博 茨城県立歴史館特任研究員
中川 純一 中川学園調理技術専門学校校長