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科学技術分野の文部科学大臣表彰
工学部・佐久間隆昭技術主幹と理工学研究科・岡田誠教授が受賞記念講演

 令和5年度科学技術分野の文部科学大臣表彰において、工学部の佐久間隆昭技術主幹が研究支援賞を、理工学研究科の岡田誠教授が国立極地研究所の菅沼悠介准教授との連名で科学技術賞(研究部門)を受賞しました。これを受けて6月14日に受賞記念講演会が開催され、両名が研究成果を発表しました。

佐久間隆昭技術主幹、太田寛行学長、岡田誠教授(左から)佐久間隆昭技術主幹、太田寛行学長、岡田誠教授

 文部科学省では、科学技術に関する研究開発、理解増進等において顕著な成果を収めた研究者等を「科学技術分野の文部科学大臣表彰」として顕彰しています。
 佐久間技術主幹は茨城大学において34年にわたって研究開発に必要な装置や試験片の設計・加工に携わり、教員の研究や学生の実習授業を陰に日向に支えてきました。自身でも積極的に研究成果を学会発表し、他大学も加わったチームで開発した燃料電池自動車載高圧水素容器用アルミニウム材料の安全性試験法が米国自動車技術者協会で採用されるなど、産業界へも大きく貢献しています。受賞にあたっては、「私の研究支援を必要としてくれた学生や教員に深く感謝しています。定年まで茨城大学で皆さんの研究を支援してゆきたいです」と意気込みを語りました。

sakuma works.png学生や教員から依頼を受けて佐久間技術主幹が作製した試験片。
0.1mmにも満たない精緻な加工が求められます。

 同じく受賞した岡田教授は、茨城大学の卒業生でもある菅沼准教授等と共に新たに開発した消磁法によって地場変動の復元を試み、さらにウラン-鉛(U-Pb)法による年代測定を行うことで、地磁気の逆転年代が従前の公式記録より約1万年若いことを明らかにしました。この研究で提示した千葉複合セクションの地層は世界で最も解像度の高い逆転記録を示すものとされ、地質年代として初めて日本の地名にちなんだ「チバニアン」が定められました。講演会で参加者から今後の研究の展開について問われた岡田教授は、「逆転に伴い地磁気が弱くなることで、気候や生態系へどのような影響が及ぶか検証したいです」と抱負を述べました。

 講評した太田寛行学長は、「科学技術分野の文部科学大臣表彰の受賞者一覧には、高い研究力で知られる研究機関や大学の研究チームが名を連ねています。このたび本学の技術主幹と教員が同賞を受賞したことは、地方国立大学である茨城大学がこうした研究機関等と比肩しうる高い研究力を有することが認められたということで、非常に誇らしく、うれしく思います」と、両名の長年にわたる研究活動を称えました。

(取材・構成:茨城大学広報室)

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