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農学分野データサイエンス教育事業ワークショップ
スマート農業に携わる専門家の講演、ドローンや収穫ロボットの実演に多数の参加者

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 茨城大学農学部は11月28日、第1回農学分野データサイエンス教育事業ワークショップ「先端農業技術の現在と未来」と題し、ドローンやロボットを利用したスマート農業に関わる技術開発や栽培コンサルティング、現場実装に携わる専門家をゲストに迎え講演・実演会を行いました。会場には約60人の学生や教職員が駆けつけました。

 農学部地域総合農学科では、今年(2022年)4月から「農学分野データサイエンス教育プログラム」をスタートしました。スマート農業の進展を踏まえ、気象データや生育データに基づいた生産や管理ができる人を育てることを目指し、プログラミングの科目の新設や附属農場の国際フィールド農学センターへの設備導入などを進めています。

 今回のワークショップは、それらの事業の一環として、学生・教職員がスマート農業の実態に触れることで理解を深めることを目的に企画されたものです。

 前半は、農家の店しんしんを拠点として農業業界のDXやスマート農業関連を推進しているアイアグリ株式会社の坂本和彦さん、施設園芸におけるデータ収集・活用などのコンサルティングを手がけている株式会社デルフィージャパンの斉藤章さん、宮崎県を拠点に自動収穫ロボットを活用した農業などを行っているAGRIST株式会社の秦裕貴さんの3人が講演を行いました。

 講演でデルフィージャパンの斉藤さんは、データ収集は行うもののそれらを活かした成果につながっていない生産者の例を取り上げ、「関係者が測定器をばらまいていて、生産者の方に主体性がなく、行動につながっていないことが結構ある」とし、目的を明確化することの重要性を強調しました。その上で、「データで解析できるのは過去の事実。それを活用して将来を予想するのは生産者だから、生産者自身がデータを収集しなければ成果が出ない」と指摘し、作物栽培の心得とそれを支援するツールやシステムを紹介しました。

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 また、AGRISTの秦さんは、AIの物体認識を利用したピーマンの自動収穫ロボットを紹介しました。「農業時間の半分が収穫事業にかかっているが、農家の平均年齢が上がっており、人手不足が続いている。まずは収穫の自動化が必要と考えた」と秦さん。その上で、密植度と収穫量の最適なバランスなどを探るために、自社農場を作って検証を進めていることなどを紹介し、「100年先の農業を考えて今後もアプローチしていきたい」と意気込みを語りました。

 後半では実演会として、AGRISTの収穫ロボットと、アイアグリが取り扱っているドローン及び農機の自動操舵システムがそれぞれ紹介されました。
このうち、附属国際フィールド農学センターの農場では、自動操舵システムを取り付けたトラクタ―の試乗と、自動飛行のドローンを使った農薬の散布のデモンストレーションを実施。
 1メートル四方ほどの大きなドローンが、予め設定したプログラムに基づいて区画内を飛行する姿に、参加者も歓声を上げながら興味深く見上げていました。

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 農学分野データサイエンス教育事業ワークショップは今後も継続し、第2回は来年(2023年)1月に実施予定です。