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茨城大学・茨城県経営者協会による共同研究創発プロジェクト「Joint結」第2期がキックオフ

茨城大学と一般社団法人茨城県経営者協会による共同研究創発プロジェクト「Joint結(ゆい)」が第2期を迎え、キックオフミーティングを開催しました。

 本プロジェクトは、県内企業と大学との産学連携を通じた地域の活力向上を目的に昨年発足したもの。同協会の会員企業を対象として、事前に設定された研究テーマから、それぞれの企業の特性や課題にあったテーマを選択して共同研究を実施する「入門コース」と、具体的な企業の課題について本学教員とともに共同研究を実施する「専門コース」が設けられており、第1期は20社が参画。本学教員とともに課題解決に向けた研究がおこなわれました。

 昨年度の報告会も兼ねた今回のキックオフミーティングは、4月18日(月)に茨城大学水戸駅南サテライトにおいて開催され、20社を超える会員企業が、会場とオンラインで出席しました。

jointyui1.JPG会場の様子 

今期の入門コースの研究テーマは7つ。原則、複数社によるワークショップ形式で、担当教員とともに企業の課題解決に取り組みます。

研究テーマ

担当教員

①従業員のやる気を高める人事・労務管理:次世代社員の採用・現場の課題解決取組研究

全学教育機構
小磯 重隆

②組織論・リーダーシップ:チームワークを高める組織文化、人材マネジメント

人文社会科学部
大沼 沙樹

③消費者の心理と行動:マーケティング戦略

人文社会科学部
今村 一真

TIR思考法のワークショップによる「社内のアイデアパーソンの育成×利益を上げるアイデアの創出」

教育学部
齋藤 芳徳

⑤プロセス改革:プロセスマイニングによる業務プロセスの可視化と改善

工学部
堀田 大貴

⑥地域活性化に向けて:産物ブランド化のための法制度や公的支援活用

人文社会科学部
荒木 雅也

⑦事業継続計画BCP策定:BCP策定のポイント、策定支援

研究・産学官連携機構
赤岩 正樹

 各研究テーマの担当教員から、研究の具体的な内容や、どのような課題を持つ企業にマッチングするかといった紹介がありました。

 本プロジェクトは、大学との共同研究にハードルの高さを感じている企業に、まずは気軽に大学の研究や教育に触れていただき、それをきっかけとした産学連携の促進を図っています。今期からは、自社の課題や具体的な研究テーマがイメージできない場合に、本学研究・産学官連携機構のコーディネーターに相談できる「サポートデスク」を新設しました。

 さらに、第1期に参加した2つの企業から成果事例の報告がありました。「情報を整理する力、発想を他者と共有できる状態にまとめあげる力の育成に繋がった」、「考え方を整理する際に、共同研究で学んだアプローチを取り入れられるようになった」、「業界の常識にとらわれることが多く、アイディアを生み出すことに難しさを感じていたが、共同研究をとおして新たな気づきや発見があった。今後は具現化に向けてブラッシュアップしていきたい」とのお話がありました。また、入門コースは複数社が参加してのワークショップ形式であったことから、他社との交流も貴重な経験になったという報告もありました。

 茨城県経営者協会の寺門一義会長は、「知の拠点である茨城大学の総合的知見と、各企業のもつ経営課題の接点から、新たな価値創造につなげていただきたい。共同研究がもつ敷居の高さをどう回避していくのかが大きなポイントとなっていた。第2期も多様なテーマを用意したので、多くの企業に参加を検討していただきたい」と話しました。

 また、茨城大学の太田寛行学長は、「茨城大学は、東京を除く関東地方の中で、同一県内の共同受託研究数で1位(2020年実績)を獲得しており、地域に根ざしていることが自信。昨年掲げた「イバダイ・ビジョン2030」においても、地域の皆さんとともに社会の持続的発展に取り組むことを宣言している。本プロジェクトをとおして具現化していくことが、本学の役目だ」と述べました。

(取材・構成:茨城大学広報室)