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【学生インタビュー】スペインへ留学中・人社3年須摩さんにきく 
留学生活や将来の目標について

 現在スペインに留学している人文社会科学部3年の須摩玉来(すま たまら)さん。現地の語学学校へ通っており、コロナ禍の留学ですが幸いにも対面授業を受けることができています。お父さんがペルー出身であることから、自身のバックグラウンドに興味を持ち、ペルーと公用語が同じであることからスペインへの留学を決めました。この留学にかける思いや今後の目標などを、茨大広報学生プロジェクトのメンバーが聞きました。


suma.jpgスペインへ留学中の人社3年 須摩玉来(すま たまら)さん


―どんなスケジュールで毎日を過ごしていますか?

須摩「今は語学学校にだけ通っているので、朝9時から午後1時半まで授業があります。平日は、朝だいたい7時半に起きて準備して、1時間ぐらいで準備して、8時半のバスに乗って9時から授業を受けるっていうスタイル。日本に居る時よりも、規則正しい早寝早起きの生活が出来ていると思います(笑)。午後はわりと時間があるので、家事をしたり、友達と図書館で図書館に集まって勉強したりしていますね。」

―異国で生活する中で気づいたことや、心境の変化はありますか?

須摩「いっぱいあります。まずは、服装に関する心の持ち様がすごく変わりました。日本にいる時は自分のコンプレックスを隠すために服を選んでいたんですけど、こっち(スペイン)に来てからは色んな体型の人、色んな肌の人が自分の好きな服を着ている。私よりもお腹の出ている人がすごい布面積の小さい服を着て堂々と歩いているのを見て、私ももう気にする必要はないんだなと。コンプレックスを隠すための服っていうよりは、自分の着たい服を着られるようになって、すごく快適です。自分の見せ方が変わったかなあって思う。
それから、日本で手に入れられるような小さな幸せが全く手に入らなくてモヤモヤしていたことがありました。こっちにはコンビニがないし、近くのスーパーに日曜日に行ったら閉まっていたこともあって。
でも同時に、日本と同じように手に入れられる幸せがない分、こっちでしか手に入れられない幸せや心地よさもある。気持ちの切り替えができてからは、毎日が結構楽しくなりました。」

suma_pic4.jpg留学先で同じ寮に住む友人たちと


―スペインでしか手に入らない幸せって、例えばどんなこと?

須摩「例えば、スペインでは小さなconversationが日常にたくさん転がっているんです。バスに乗る時はみんな挨拶しあうし、パンを食べながら道路を歩いていたら知らないおじさんから急に『召し上がれ』と声をかけられたこともあります。そういう見知らぬ人同士の小さなconversationがすごく多いところが好きで、そこから幸せを感じる。こういうことって、日本だとなかなかないなあと。」

―留学生活、何が楽しい?

須摩「全部楽しい!というのも、いい意味で人と比べなくなったので。日本にいた時は同じような境遇にいる人が多すぎて人と比べてしまいがちだったけれど、こっちにいたらそもそも同じようなバックグラウンドを持っている人全然いない。だから、劣っているとか秀でているとかそういうことにあまり目がいかなくなりました。日本にいた時に他人と自分を比較してしまっていたのは、周りのせいではなく、結局自分のマインドのせいだったと思う。このスペインでの感覚を維持したまま、日本に戻っても比べないでやっていきたいですね。」


suma_pic2.jpg友人とスペインのトレドへ旅行

―逆に、ここが大変っていうところは?

須摩「ネガティブな気分になってしまうことはやはりありますね。毎日が楽しすぎて、この生活、この楽しみが終わってしまうのが嫌だなって辛くなります。もっとヨーロッパの国々を見てみたいし、ここに住みたいっていう気持ちがどんどん強くなっています。将来はこっちで起業するか働くかしたいですね。いずれ絶対にこっちに戻ってきたい!」

―画面越しでも気持ちが伝わってきます(笑)ところで、留学終了の6月まではあと少しですね。

須摩「そうですね。10月から(茨城大学後期の)授業が始まるじゃないですか。だから、7月から10月までの3か月をどうやって過ごそうか検討中です。もうちょっと海外にいるか、それとも日本に戻ってインターンでもするか悩んでいます。イタリアに住んでいる親戚が部屋空いているから来たらと言ってくれていて、それもいいな、と(笑)」

―そもそも、留学をしようと思ったきっかけは?

須摩「実は、中学生の頃までは留学に全く興味がなくて。というのも、父がペルー人っていうのがなんとなく嫌だったんですね。それが理由で、いじめの標的にされたこともありました。みんなに同化したくて、海外に出たいなんて微塵も思っていなかった。
でも、高校生になったら状況が少し変わったんです。急に『お父さん外国人なの?かっこいいね』って言われたり、『クリスマスってペルーだとどう過ごすの?』って聞かれたり。ペルーの文化に興味がある人が周りにちらほら出てきて、それと同時に私自身も海外や自分のバックグラウンドに興味を持ち始めて。父は日本語を完璧に話せるわけではないので、もっと父の意見を聞きたい、もっと父やペルーの家族のことを知りたいという思いから、大学では第二外国語にスペイン語を選びました。それでそのまま留学も決めた感じですね。」


suma_pic3.jpg留学先のスペインでの生活を楽しむ須摩さん

―将来はどんな大人になりたい?

須摩「絶対に、ヨーロッパに住む経験をしたい。それから、結婚や出産といったいわゆる普通の幸せにしがみつかないようにしたい。
私たち小中高大ってたくさん学力を測られて、『正解を選択することが正しい』みたいな環境に置かれていたけれど、社会に出たら、自分で自分の正解を出さなきゃいけなくなると思う。だから、いわゆる社会が定めた幸せを選択して正解にするんじゃなくて、自分のやりたいと思ったことから人生を選択していきたい。『これで本当に良かったのかな』って思う時が来るかもしれないけれど、それを失敗にするのか、正解にするのかは誰が決めるわけでもなく自分なので、自分の尺度で自分の人生を正解にしていきたいですね。」

―最後に、これから留学を考えている人へのメッセージをお願いします。

須摩「留学してからのことを考えるよりも、『とりあえず出てみよう』の『とりあえず』がすごく大事だと思います。先のことを考えても、思い通りに行かないことなんてもう分かっているので。留学すると自分の価値観がガラッと変わるので、すごくいい経験になるよっていうのを伝えたいですね。海外に出てみて初めて気づく日本の良さもあると思うし。世界は広いので、ぜひ日本を出てみてください!」

suma_pic5.jpgインタビュアーの広報学生プロジェクト重富さん(人社4年)


※このインタビューは、大学広報誌iUP vol.17(2022年3月発行予定)」とタイアップし、そちらにも関連記事を掲載しています。ぜひご覧ください。

【茨大広報学生プロジェクト】
茨城大学の広報コンテンツの企画・制作や戦略づくりに広報室やプロの編集者・デザイナーなどと一緒に取り組む学生チーム。
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