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【動画あり】五浦美術文化研究所「観月会2021」
世界的な現代美術作家・陶芸家 近藤高弘氏の作品展示

 茨城大学五浦美術文化研究所では、六角堂・天心邸を会場に、「観月会2021東日本大震災10年追悼特別展:近藤高弘《波動》」を開催しています。11月23日(火・祝)まで。

 美術思想家・岡倉天心は、1905年に現在の北茨城市五浦に六角堂を構え、その後日本美術院を移すなど、五浦の地を拠点に日本美術の振興や国際的な活動を展開。また、各界の名士を招待した「仲秋観月会」を開催していました。このことを偲び、茨城大学五浦美術文化研究所や岡倉天心偉績顕彰会では、長年にわたって「観月会」の名を冠した展覧会などの多彩な催しを開いています。

 今年度の「観月会2021」では、世界的な現代美術作家・陶芸家の近藤高弘氏の作品の展示を行っています。
 近藤氏は1958年京都市生まれ。陶芸家として京都の染付磁器の伝統を継承しながら、現代アートの世界でも活躍しており、その作品はボストン美術館、シアトル美術館、フランス国立ギメ東洋美術館(常設展示)など海外の美術館にも収蔵展示されています。宮城県刈田郡七ヶ宿町での作陶活動もしており、2011年の東日本大震災以降は、東北の土と登窯でつくった2000個の陶器を被災者に届ける「命のウツワ」という活動や、黙とうする自身の姿をうつした坐像のシリーズ《Reduction》をつくりあげました。

 Reductionシリーズについて、近藤氏は、「五浦も震災で大きな被害を受けた地。震災や福島の原発事故は、改めて自然と人間との関係をわれわれに問い直した。亡くなられた方への鎮魂とともに、自分自身が自然と人間との関係の中で生まれていく陶芸という仕事を改めて拾遺し直す、もう一度自分の中で問い直すという意味で、2012年から2017年まで約21体の坐像を作ってきた」と語っています。
 そして、この坐像を六角堂に展示することについては、「今のコロナ禍も含めて、時代を映すある意味での空蝉(うつせみ)として展示をした。そういう意味で、波のイメージと水のイメージを内包し、表現したReduction-Wave-というこの坐像を、まさに六角堂の五浦の海と対峙した中で展示させてもらうというのは非常に大きな意味があると思っている」と述べています。

 今回の展覧会を企画した五浦美術文化研究所の藤原貞朗所長(人文社会科学部教授)は、「作品を以前から知っていて、ぜひ六角堂に展示したいと思っていたが、実際に置くとその迫力と光の加減、そして海の反映を合わせて、本当に素晴らしい展示になった。実際に目にすると感動するので、ぜひ皆さんにいらして見ていただきたい」と話しています。

観月会2021東日本大震災10年追悼特別展:近藤高弘《波動》

  • 会期:20211019() 1123(火・祝)
    月曜日休館 1122()は開館
    開館時間 8:30 ~ 16:30
  • 会場:茨城大学五浦美術文化研究所 [天心邸・六角堂]
  • 主催:茨城大学五浦美術文化研究所
  • 入場料:400円(中学生以下無料)
    各種割引等についてはホームページをご覧ください
    https://rokkakudo.izura.ibaraki.ac.jp/access

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