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【教員インタビュー】全学教育機構・池田庸子教授
―コロナ禍でも続ける国境を越えた交流と学び

交換留学生の出身地域も年々多様化し、留学・海外研修に挑戦する学生も順調に増えてきた中でのCOVID-19の拡大。
オンラインを活用した新たな経験も踏まえ、約20年にわたって茨大のグローバル教育を支えてきた池田教授が今こそ実感する国際交流と学びの価値とは―。

 大学は多様な人と学べる場であるべきだと思います。私が茨大に赴任した頃は海外協定校も少なく、学生の相互交流を行っていたのは韓国の1大学ぐらいでしたが、今では70以上。昨年度はイギリスなど新たな地域の協定校からの留学生も迎える予定だったのですが、コロナ禍でそれができなくなってしまいました。受け入れでも派遣でも、今行けなければ一生行けないかも知れないという留学希望者がいることを思うと本当に残念ですね。

池田先生2

 一方、グローバル教育センターでは、「こんな時だからこそつながろう!茨城大学国際交流プロジェクト2020」と題して、おにぎりや折り紙などの文化に触れるオンライン交流イベントを企画しました。なかでも、映画を同時に観て、みんなでディスカッションをするイベントのように、目的があったものは学びが深まったと思います。ただ、1年間オンラインだけの交流を続けて疲れてきたというのも正直な感想です。直接会うということは大事だと改めて実感しています。

 オンラインでの交流は、時間的、経済的に留学に慎重な学生にとっては、最初のステップとしては有効だとわかったので、今後は学生のニーズに合わせて段階をわけて交流を深めていくようなプログラムもできるかな、と思います。

 研究面では、仲間たちと一緒に、日本語教育の教科書を作っています。一昔前はなかなか良い教材がなくて、日本語教師はみんな自分でドリルとか宿題を作って大変だったんです。それで、「教師も生徒もこの本さえ持っていれば楽しく学べる」という本を作ろうと思って集まり、1999年に初版を出しました。英語版だけでなく、韓国語版や中国語版もあります。今は第3版で、協定校の日本語の授業でも使ってくださっているようです。

池田先生3

 日本語教授法を学ぶ学生たちにも伝えているのですが、日本語を母語としない人が日本語を学ぶのと、学校で学ぶ「国語」とは別物です。母語話者しかわからない語感や文法とは別の、第二言語として効率よく学ぶための体系があるんです。今は多読の教材の試作もしています。物語も考えて、挿絵も手作り。これも近く出版できる予定です。

 最近、日本語教育プログラムを受講する学部生が増えてきているんですよ。人文社会科学部ではサブメジャーのひとつになっていますが、教育学部は完全に必修単位外。それでも特に教育学部生の受講が増えている背景には、外国にルーツをもつ住民が増えて、学校でも日本語教育を必要とする子どもたちが多くなっているからでしょう。プログラムでは毎年、茨大に来ている交換留学生を前に教壇実習も行うのですが、昨年度は交換留学生が少ないということもあり、海外の協定校で行っている日本語の授業にオンラインで入らせてもらって、そこで実習をさせてもらいました。これもコロナ禍ならではの取り組みといえるかも知れません。

教員情報

池田庸子(いけだ・ようこ)●全学教育機構教授・グローバル教育センター長

ペンシルバニア州立大学比較文学M.A。イースタン・ニューメキシコ大学、ペンシルバニア州立大学で日本語を教え、関西外国語大学専任講師、同助教授を経て、2002年茨城大学留学生センター助教授、10年同センター教授を経て、20年から現職。

池田先生プロフィール

(取材・構成:茨城大学広報誌『iUP』編集チーム)

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