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令和2年度卒業式を挙行しました
―講堂から動画配信

 2021年3月23日、令和2年度茨城大学卒業式を挙行し、2008人が学位あるいは修了証を授与されました。
 今年度は感染症対策として、例年(昨年度は中止)の茨城県武道館での一斉開催を取りやめ、水戸キャンパス講堂における全学総代参列による小規模な式典のライブ動画を配信し、教室や自宅等で視聴する形式としました。

令和2年度茨城大学卒業式(ライブ動画のアーカイブ)

【動画URL】https://youtu.be/HlJwH4Gje_g

学長告辞

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 本日、学部・専攻科・大学院の卒業式・修了式を迎えた2008名のみなさん、卒業、修了おめでとうございます。学業を成し遂げ、この日を迎えられたことを、心からお祝いいたします。そして、みなさんの学業と研究活動を支えてこられたご家族や友人の方々にも心からお祝い申し上げます。

 本年度も、新型コロナウイルス感染症の拡大を防止するために、一堂に会しての式典は実施しないで、ライブ配信で行うこととしました。人生の節目としてかけがえのない式典であり、とても残念ですが、離れていても心はひとつにして、皆さんの卒業・修了をお祝いしたいと思います。

 キャンパスの景色は梅から桜に変わりました。卒業・修了の時期は、花の季節であり春の息吹を感じる時です。先日、ふと手に取った世阿弥の風姿花伝の書のなかに、「花を知る事」という書き出しの一節があり、「花と、面白きと、めずらしきと、これ三つは同じ心なり」という文のあとに、「住する所なきを、まず花と知るべし」という言葉に出会いました。「住する所なき」とは、ひとつの状態に留まっていないことです。つまり、いつまでも咲き続ける花などないように、変化することが、花の本質であり、面白さやめずらしさにつながる、と世阿弥は説いています。

 世阿弥は能という芸道について語っているのですが、その言葉は学業や研究にも当てはまると思いませんか。学業で考えれば、みなさんが大学に入学したときを振り返って下さい。そのときと比べれば、目的をもって学業を成し遂げた今、みなさんの知識の範囲は広がり、専門的な知識やスキルを身につけたはずです。さらに友人との交流によって考え方も変わったかもしれません。みなさんは大学という場を通して、変わったはずです。その変化があってこそ、卒業・修了という日を迎え、大きく咲かせたみなさん自身の「花」の面白さ、めずらしさがあり、周囲の人たちが今日のみなさんを注目して称賛する理由がそこにあると思います。

 しかし、咲き続ける花はありません。みなさんは、これまで培った学識と経験を社会の中で活用し、さらに深めて、それぞれの分野で目的をもって変化していく自分を作り続けて下さい。みなさんが社会の中で変化を続け、また新しい花を咲かせてくれることを、心より期待しています。

 また、これからみなさんの母校となる本学も、同じように変化をし、花を咲かせていかなくてはなりません。私たちはイバダイ・ビジョン2030を策定しました。2030年に茨城大学はこうありたいという姿について、教職員だけでなく学生のみなさんとの議論を経て、4つのビジョンと12のアクションをまとめました。これから、具体的な施策を通して、大学は変わっていきます。ビジョンのなかでは、SDGs(持続可能な開発目標)も視野に入れ、深刻化する社会課題の解決に向けて、学問分野間での連携を強化していきます。

 私たちは、みなさんのこれからの変化と活躍を見守ると同時に、みなさんも茨城大学の2030年の姿を期待してください。

 最後に、ここで紹介したいメッセージがあります。10年前、東日本大震災が起こる前日に、特別講義を終えてアメリカに帰国した先生から、被災した茨大生へのメッセージです。10年の月日が過ぎましたが、被災の辛さがまだ残り、COVID-19という新たな災禍に見舞われている今だからこそ、もう一度読み直しました。みなさんが困難に陥ったとき、変わることに挑戦するとき、しかし夢が見えなくなって立ち止まり辛くなったとき、そのようなときのエールとして聞いてください。メッセージのなかで、theyはみなさんであり、weは私たち教職員だと思って下さい。

 Please let your students know that the work they have ahead of them is going to be very challenging. They will find difficult times and they will find good ones. In the end, they will succeed, and all of us, everywhere, will be proud of them, and we will be stronger and better for their successes.

 Your friends are standing with you...

 みなさんが胸を張って活躍するために、本学は教育研究をもっと強化し、改善していきます。

 本日は誠におめでとうございます。

令和3年323
茨城大学 学長 太田寛行

卒業生総代答辞

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 冬の寒さもやわらぎ、春の気配を感じられる季節となりました。本日はこのような素晴らしい式を挙行していただき、誠にありがとうございます。ご多用の中、私たちのためにご臨席くださいました皆様へ心より重ねて感謝申し上げます。

 卒業を迎え、大学生活を振り返りますと、茨城大学での日々は瞬く間に過ぎてゆきました。

 入学した当初はこれまでの学生生活との違いに戸惑いつつも、自分が選んだ学問分野を学べることや、新たな人との出会いに心躍らせていました。

 1、2年生で履修した基盤教育科目では、自分の興味関心とは異なる分野をも学び、視野を広げることができました。自分が専門学校や資格のための学校ではなく、大学へ来たことを実感した時でした。

 人文社会科学部の専門科目では、社会を説明する概念を、社会で起こっている問題と結びつけて学びました。

 3、4年生のゼミでは先生のご指導の下、ゼミ生同士で主体的に議論を重ね、自分の研究関心を明確にすることができました。このようなプロセスを経てから取り組んだ卒業研究では、自分で問いを立て、調査し、まとめるという経験をしました。研究の手法を学ぶのはもちろんのこと、卒業後の人生で生きる力を身につけられたことは、学問にじっくり向き合う卒業研究に取り組んだからこそ得られた、貴重な財産です。

 また、大学生活では一緒に学ぶ友人や仲間にも恵まれました。一緒に授業を受け、支え合った友人や、遠慮なく議論を交わしたゼミ生におかげで、充実した毎日を送ることができました。

 このように振り返りますと、大学生活が多くの方々の支えがあって成り立っていたことを実感します。

 先生方には授業やゼミでの手厚いご指導を通じ、専門知識にとどまらない学びの場を作り、導いていただきました。職員の皆様は、授業やサークル活動を縁の下で支えてくださいました。成長を支えてくださった教職員の皆様、誠にありがとうございました。

 奨学金や授業料免除の制度も、大学進学から卒業に不可欠でした。担当の学生支援センターの職員の皆様や、これらの制度を支えてくださる全ての方に感謝を申し上げます。

 そして私には、いつも支えてくれる家族や親族がいます。充実した大学生活が送れる環境を整えてもらったこと、心配してくれたこと、応援してくれたこと、本当にありがとう。

 大学生活は、直接的に支援してくれた方々だけでなく、社会全体にも支えられていました。大学の費用を負担している社会には、私たちのように大学を卒業した人だけでなく、確信をもって大学進学を選ばなかった人、大学に行きたくても行けなかった人、頑張る前に意欲をくじかれてしまった人も多くいます。このような方々にも支えられ学生生活を送ることができましたが、これからは私たちが学びの成果を様々な形で社会に還元するときだと思います。そのためにも、それぞれの進む道において茨城大学で学んだことを活かし、活躍していく所存です。

 最後になりましたが、皆様のご健康と茨城大学のますますご発展をお祈りいたしまして、答辞とさせていただきます。

令和3323

69回卒業生総代
人文社会科学部 現代社会学科
佐藤 ちひろ

祝電

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