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在学中のカンボジア訪問5回!学生スタディツアーの体験をシェアしたい

 コロナ禍により海外へ行きづらい状況が続いています。そうした中、日本アジア振興財団学生委員会のメンバーとして、学生向けのカンボジア・ベトナムのスタディツアーの運営をしてきた人文社会科学部4年生の郡山葵さんは、現地ツアーの代替となるようなオンラインイベントの企画を進めています。大学のiOPでの海外調査も含めて在学中に5回もカンボジアに訪問したという郡山さん。大学生活での経験をスタディツアーへの想いを語ってもらいました。

―郡山さんは、カンボジアやベトナムへのスタディツアーを運営する活動をしてきました。どんなツアーなんですか?
郡山「『日本アジア振興財団』という財団が提供している年2回のツアーで、その財団の学生委員会に所属する学生たちが企画をコーディネートしています。全部で11日間ぐらいの日程でカンボジアとベトナムを訪れ、戦争に関わる施設だとか、国際協力に関わるJICAなどの団体を訪問して現地での取り組みの話を聞き、ホテルに帰ってきたらみんなでディスカッションして理解を深める、というスタディツアーです」

―郡山さんが最初に参加したのはいつ?きっかけは?
郡山「最初は1年生の夏でした。国際協力に興味があって、何かやってみたいな、と思っていたところに、大学内でポスターを見つけて、勢いで申し込んだんです。40人ぐらいの参加者の中で、1年生は2人。いろんな地域、学部から、学ぶことに熱心な学生が集まってきていてすごく刺激的でした」

スタディツアー2

―最初のツアーで特に印象的だったことは?
郡山「カンボジアにある地雷博物館で、少年兵から内戦に参加していた40代ぐらいの方の話を聞いたんです。その内容自体とても壮絶だったのですが、いろいろと質問をする中で、『これについてはここでは話すことができない』と言われる場面がありました。つまり、この話を誰が言ったか、ということを知られてはいけない、という言論活動とか政治活動の自由が制限される場に初めて直に触れた瞬間だったんです」

―それは大きな体験でしたね。現地の言語も勉強して臨んだんですか?
郡山「いえ、現地のガイドの方もいらっしゃいましたし、話してくださった方も日本語が少しわかる方で」

―そういう意味では言語に不安があるという学生にとっても、参加のハードルが低くなりそうです。学生同士のディスカッションはどうでしたか?
郡山「私自身は大学の前期の授業で少し経験があったぐらいだったのですが、先輩方が慣れていて議論を回すのが上手だったり、ツアーの引率のスタッフの先輩もいろんな視点を投げかけてくれるので、すごくやりやすかったですね」

スタディツアー3

―初めてのツアーに参加した後は、引き続きスタッフとしてツアーに関わってきたんですね。どんな役割を務めたんですか?
郡山「ツアーの企画、たとえば今どんなことを中心的に学ぶべきかを考えて現地の方と相談しながらプログラムを作ったりとか。関東支部や企画部門のリーダーも務めました。仕事を振られる方だと、その仕事の中でできる工夫をするのが精いっぱいですけど、自分がリーダーとして先頭に立つとなると、全体の進行とか各スタッフの状況とかを見ながら、今何が必要かを考えて示していかないといけない。それは難しかったですが、そのあと後輩にリーダーを引き継いでからは、『あのとき自分にこういうサポートがあったら...』というアドバイスができるようになりましたね」

―郡山さんはこのスタディツアーに継続的に関わりながら、大学のプログラムとしても、iOPでカンボジアでのフィールド調査に取り組んだんですよね。
郡山「大学のプログラムとして参加すると、より専門的な視点で関われますね。iOPの社会調査演習は担当の野田真里先生が専門家として同行しているので、歴史や経済開発といった専門性に基づく視点で調査ができました。それはツアーと違うところです。一方、ツアーはツアーで、1年生のときの私も含め、あまり専門的知識がない学生の集まりなので、初歩的なことから質問できたり、ちょっとした疑問をシェアして考えたり調べたりできる。それも良かったと思います」

スタディツアー4iOPでのカンボジア訪問時の写真 一番左が野田准教授、その右が郡山さん

―なるほど!いい感じにステップになっているんですね。
郡山「そうですね。いきなりiOPで行くよりも、カンボジアの景色とか背景が多少なりともわかっている状態で行けたとのは良かったです。また、iOPを経験してからは、ツアーのプランを立てる上でも、参加者の知識や興味を踏まえて、『ここはもっと掘り下げられるな』とか考えながらプログラムを構成することができるようになりました」

―スタッフとして毎年ツアーに同行していたんですか?
郡山
「引率のスタッフは男女1人ずつ、選抜された人しか現地には行けないんです。私は2年になる春と3年の夏に、スタッフとして参加しました」

―そうすると、在学期間中に4回もカンボジアへ行ったということですか。
山「あ、いえ、さらにツアーで知り合ったガイドさんの結婚式にも呼んでもらったので、5回ですね」

―5回も!すごいですね。
郡山「その結婚式に呼んでもらったというのが良い経験で。ガイドさんは結婚式で忙しかったんですけど、同じ会社の別のガイドさんと、ツアーで知り合った先輩と一緒に、バイクでいろんなところに連れて行ってもらって。勉強以外の面で、普通の日常っていうか、こういう文化があるんだなってことに深く触れることができたことも、次のツアーを企画するときに役立ちました」

―カンボジアという国が郡山さんにとってすごく身近な存在になってますね。一方、去年からはコロナ禍に見舞われてしまいました。去年の春のツアーは実施できたんですか?
郡山「はい、春はギリギリできました。でも夏は中止で」

スタディツアー5

―郡山さんにとっては4年生である意味集大成の年。中止は残念でしたね。
郡山「ツアーをやるつもりでいろいろ組み立て、実行に移してきたので、すごく悔しいですし、残念です。説明会に参加して前向きに考えてくれていた学生に、この体験がシェアできなくて...。年2回のツアーの実施は、スタッフを確保して、ノウハウを引き継いでいく上で重要でしたから。でも、夏ができないってことが決まってからはシフトチェンジして、オンラインの企画を進めました」

―今年の春も、郡山さんたちが中心となってオンラインのイベントを企画しているんですよね。
郡山「はい、こちらがプログラムです。

スタディツアー6

 いつも一緒に企画をしてくれている大阪のカンボジア王国名誉領事館の館長や、カンボジアの観光省の日本オフィスの方、最近までカンボジアに赴任されていたJETROの方などに話を聞くプログラムです。もちろんディスカッションも組み込まれています」

―このオンライン講演会で得られるものは?
郡山「海外へ行けない状況が続いている中で、日本にいながら海外の直近の状況を学べることは大きいと思います。経済発展が進むカンボジアの都市部は今、変化がとても激しくて、半年経っただけでも『こんなに違うんだ!』と驚くほどです。本だけでは追い付けない現地の変化を知ることができるのは、このイベントの魅力だと思います」

―学生委員会の活動に興味があるという学生もいそうです。
郡山「これまではツアーに参加した学生が委員会に入る、という流れでしたが、ツアーの見通しがなかなか立ちづらいもあって、講演会に参加してくれた人はもちろん、SNSとかでも広く仲間を募集するようになりました。今の1年生は対面の機会も少なくて、友達とのつながりが作りづらいと思うのですが、こうした活動を通じて他の大学の人とつながるというのもひとつだと思います。私自身、1年生のときは、周りの他の学生に比べて自分が今どんな段階にいるのかが見えずにいたんですが、ツアーで他の大学の人たちと出会ったことで、『自分に足りないのはこれだから、次はこれを学ぼう』というふうに、目標が立てられるようになりました」

スタディツアー7学生委員会の会議の様子

―郡山さん自身は3月に卒業して、社会人となります。大学生活を踏まえて、将来的にやってみたいことはありますか。
郡山「私自身は1年生のときは国際交流に関する団体に所属したいと思っていたんですけど、大学で勉強する中で教育全般に興味をもち始めました。日本国内でもできること、やるべきことがいっぱいあるな、ということがわかったんです。そもそも私が国際協力に興味をもったのは、中学の修学旅行で国内のNGOを訪問したのがきっかけだったんですが、その興味がどんな職業につながるのか、ということは全然わかっていなかった。だから、そういう情報を中学生とかに提供することで、学びのモチベーションにつなげられるような、そんな活動をしたいですね」

スタディツアー8

(取材・構成:茨城大学広報室)