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茨大×ベンチャーをテーマに起業家らがパネルトーク
―TSUKUBA CONNÉCTでセッション

 つくばを拠点として、多様な出会いを生み出し、イノベーションと交流の促進を図るプログラム「TSUKUBA CONNÉCT」。その第11弾となるイベントが、18日、茨城県庁を発信地としてオンラインで行われた。初めての水戸での開催ということもあり、今回は茨城大学にフォーカスを当てたセッションも設けられた。

 TSUKUBA CONNÉCTは、WEBページによると、「茨城県を主催として、ボストン発、世界6ヵ国10都市で活動するVenture Caféが茨城県つくば市を中心に運営するイノベーション促進/ 交流プログラム」。毎月第一・第三金曜に行われ、レクチャー、ワークショップやネットワーキングを組み合わせた場を創出している。

 普段はつくばが拠点だが、この日は「ONE IBARAKI―オール茨城で起こすイノベーション―」というテーマを掲げ、初めて水戸の茨城県庁で開催。冒頭では茨城県の大井川和彦知事も登壇し、「茨城県の変化の発信源が、イノベーションを生み出すこの場。みなさんの起業家精神が、社会全体に目に見えない形で大きな影響力をもたらしていると思っています。みなさんの前向きなチャレンジを応援しています」とエールを送った。

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 そして、今回多様なセッションのひとつとして企画されたのが、「茨城大学のベンチャー創出への取組&茨城大学ゆかりのベンチャー対談」。茨城大学研究・産学官連携機構(iRIC酒井宗寿准教授、茨城大学大学院在学中に起業した株式会社ユニキャスト代表の三ツ堀裕太さん、株式会社Dinow代表で大学院理工学研究科博士後期課程の髙橋健太さんの3人がトークを繰り広げた。酒井准教授が40代、三ツ堀さんが30代、髙橋さんが20代。それぞれが起業の経緯などを語った。

 iRICは茨城大学の知的財産の管理・活用を担っており、酒井准教授はその一員として、知的資源を社会実装につなげるべく、さまざまな取り組みを行っている。さらに、酒井准教授自身、ベンチャーを起業した経験ももつ。

「僕が(筑波大学在籍中に)ベンチャーを立ち上げた頃は、大学の体系的な支援とかはなかったのですが、ベンチャー・ビジネス・ラボラトリーが身近な研究室に在籍していました。三ツ堀さんはどうでしたか?」と酒井教授が聞くと、三ツ堀さんは、「大学としてそういうことが大事だ、という雰囲気が広がってきた頃ですね。それでも、『起業したい』とか言うと、『大学生だから学問が本分だよね』などと言われて、よくわらかない人と思われる印象でした」と応答。エンジニアになりたいという夢をもちながら、実際の起業にあたっては、「本を見て、『物は試し』で」「自治体のサポートとかもあまり知らず、バイトでお金をためて立ち上げた」と話す。

connect7.jpg株式会社ユニキャスト代表の三ツ堀さん

 三ツ堀さんが立ち上げたユニキャストは、当初は地域の企業へのシステム提供やWEBアプリの受託制作などをしていたが、近年は地域貢献をテーマに学生の人材教育をめざすシェアハウス「コクリエ」の運営やロボットを使った介護支援などの新たな価値の発信など、地域社会の課題を踏まえた多様な事業に取り組んでいる。また、世界の人と連携すべきという思いから、2019年にはシリコンバレーにも情報収集の拠点となるブランチを立ち上げた。

 一方、髙橋さんが共同代表を務める株式会社Dinowは、放射線によるDNAの損傷を可視化し、評価するサービスを通じて、人びとの健康と安心を創出することをめざす。昨年311日に起業し、茨城大学発ベンチャーの称号も付与された。髙橋さんにとっては、法的にも株式会社を設立しやすくなり、大学によるビジネス創出支援も強化されてきて、酒井准教授や三ツ堀さんの時代に比べれば、追い風の条件も揃っていたようにも見えるが...

「大学からの直接の支援というよりも、大学がもっているネットワークを活用して、EDGE-NEXT(文科省が大学等を通じて次世代アントレプレナー育成を図っている事業)や株式会社リバネスのテックプランター(研究シーズの事業化加速を支援する事業)とつながることができたのが大きいですね」(髙橋さん)

 酒井准教授は、「EDGE-NEXTは、筑波大学が採択された枠組みに、茨城大学の教員・学生も受け入れてもらっています。私たちにとっても近隣の大学のサポートは大きいですよね」とコメント。その上で、「さらに大学へ期待することは?」と質問すると、髙橋さんは、「大学発ベンチャーとして、『大学』がバックにあるということを社会に示す上で、信頼感につながる。一方、もっと雰囲気を盛り上げるためにも、空き教室の提供など、ベンチャーがそこで事業できるような環境づくりなどによって、維持するためのサポートもしてほしい」と"要望"した。

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 最後に「後輩へのエール」を求められた三ツ堀さんは、「スタートアップやベンチャーというと『世界初じゃないといけない』みたいにハードルを高く考えてしまうかも知れないけど、もっと気軽に、興味本位でやったらいい。まずは、100円で仕入れたものを120円でどう売るかから始めて、それを積み上げていく。若いみなさんでそういう空気を作れると嬉しいです」と述べた。

 また、髙橋さんは今後の意気込みとして、「コロナ禍もあり、歩みはまだまだですが、できる限り早くサービスを始め、茨城県を代表するベンチャーとなれるようがんばりたい」と語った。

 イベントはその後も続き、約200人に及ぶ参加者間で交流を深めた。ここからまた、新たなチャレンジが生まれてくるかも知れない。

(取材・構成:茨城大学広報室)