1. ホーム
  2. NEWS
  3. 「地域に活力を与える女性たち」テーマにセミナー開催モーハウス・光畑さん、月の井・坂本さん、茨城県・安達さんを迎えて

「地域に活力を与える女性たち」テーマにセミナー開催
モーハウス・光畑さん、月の井・坂本さん、茨城県・安達さんを迎えて

 1111日(水)、茨城大学水戸駅南サテライトにおいて、「女性の地域参画の促進に向けたセミナー『地域に活力を与える女性たち』」を開催しました。ソーシャルディスタンシングなどの感染症対策を講じた上での対面式のイベントで、約40人が参加しました。

 このセミナーは、女性のエンパワーメントを支援する本学の取り組みの一環として、茨城大学社会連携センターと同ダイバーシティ推進室が連携して企画したものです。
 講師には、日本製の授乳服を販売しているモーハウスの代表でNPO法人子連れスタイル推進協会代表理事の光畑由佳さん、株式会社月の井酒造店代表取締役の坂本敬子さん、茨城県女性活躍・県民協働課長の安達美和子さんの3人を迎えました。それぞれの取り組みについての報告のあと、茨城大学ダイバーシティ推進室の木村美智子室長のファシリテーションのもとトークを展開しました。

 光畑さんは結婚を機につくば市へ移住。それまでの美術や編集にかかわる仕事の経験を活かして、地域でのさまざまな事業を模索してきましたが、まだ女性の起業が珍しかった1997年にモーハウスを創業し、授乳服の制作・販売を開始しました。そのきっかけは、自身の子どもが電車の中で泣き出して困ったという体験だそう。そこでどこでも安心して授乳ができる授乳服の制作にたどり着いた光畑さん。「衣服は小さな建築。自分ひとりで環境を変えることができるんです」という光畑さんにとって、授乳服との出会いは、「地方に来たら仕事やいろんなことを諦めなければならないという気持ちを氷解させてくれて、なんでもできると思えるようになりました。まさに私自身がエンパワーメントされ、この想いを他の人とも共有したいと感じたんです」と語ります。その思いは、「子育ての中で深く悩み、傷ついているお母さんは少なくない。私は今、お母さんたちに、『赤ちゃんを抱っこして笑顔でまちに出ていくあなたの行動は社会貢献』と話すようになりました」というアクションにまさに象徴されています。

地域に活力を与える女性たち2光畑さん

 大洗町の酒蔵・月の井酒造店の坂本さんが専業主婦から社長に転身したのは、先代の社長であるご主人の大病がきっかけでした。「主婦として主人にできることとして、玄米食や有機野菜などの食事づくりを実践したのですが、そのせいでケンカになることも。主人はやっぱりお酒が好きだったんですよ。それで、じゃあ有機のお酒をつくればいいじゃないか、という流れになったんです」。有機栽培の米を使い、酒桶の掃除には化学薬品を使用しないといった基準をクリアした有機のお酒を開発しました。その後は「日々勉強」。幾度の失敗を重ねつつ、その過程で出会った有機農家の方たちやお客さんとのつながりを大事にしながら、酒粕はハンドクリームに、あるいは米を削った粉は米ぬかとして有機栽培の畑で使用するなどして、お酒を核とした循環の仕組みを少しずつ作り上げていきました。「田舎だからできることがある。ぬか漬けづくりにしても近所付き合いにしても、昔の家でお母さんがやっていたことで、それをもう一度やっているような感じです」と坂本さんは語っていました。

地域に活力を与える女性たち3坂本さん

 茨城県庁で働く安達さんは茨城大学出身。安達さんが大学を卒業した1980年代後半は、男女雇用機会均等法ができたものの、まだまだ女性の就職は「腰かけ」などと言われ、結婚や出産をしたらすぐ辞めるというイメージの強い時代でした。そうした中で安達さんは茨城で仕事をずっと続けたいという思いから、民間企業ではなく公務員を志望。それでも当時は女性の採用はかなり少なかったそうです。採用されてから現在まで経験した部署の数は13。どれも違う部署だったそうですが、「これだけ分野の広い仕事ができるのが地方公務員のいいところ」と前向きに語ります。現在は男女共同参画にかかわる仕事にあわせて、在留外国人の支援なども担当。課長になり、「カウンターパートが市町村長や企業の社長さんになって、自分の意志を積極的に伝えることができるという点でやりがいがより大きくなってきている」と話していました。

地域に活力を与える女性たち4安達さん

 フロアからは、新型コロナウイルス感染症対策として日本でもテレワークが広がったことを受け、現状をどう見ているかという質問がありました。それに対し、光畑さんは、「仕事と生活が分断されていたのが、テレワークの広がりによって大きく変わった。近代以前は仕事と生活が一緒だったことを考えると、坂本さんが『昔の家でやっていたことをもう一度やっている』とおっしゃっていたのはとても示唆的です。コロナ禍でもたらされた経験を積み重ね、考え方を変えることで良い方向に進んでいくのではないでしょうか」と応じました。

地域に活力を与える女性たち5

 また、最後に発言を求められた安達さんは、「家族と仕事の両方に感謝しながら、自分も何かしら自己実現していきたいと考えてきました。そして茨城で働くことが誇り、生きがいになるようにと願っていますが、自分自身、そう思えるようになったので、今日はそういう気持ちを共有させていただけて本当に良かったです」と語りました。

 ダイバーシティ推進室の木村室長は、「目の前に自分が抱えている問題をどう解決するかという行動力、そしてそれが柔軟であるということが3人に共通していると感じました」と述べ、後半のフリートークを締めました。

 セミナー終了後のアンケートでは、参加者から「大変な苦労もあったと思うが3人とも輝いている。自分も頑張ろうと思った」などの感想が寄せられ、本セミナーが女性の地域参画やこれからの働き方について考えるきっかけになったことがうかがえました。

地域に活力を与える女性たち6