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日立キャンパスに大学院生考案の休憩所が完成
―地域と大学をつなぐ「Connecting roof」

 茨城大学工学部のある日立キャンパスに、地域住民との交流の場にもなる新しい休憩所が新たにお目見えしました。本学大学院理工学研究科の大学院生のアイデアがベースとなっており、11月5日には関係者が集まり完成披露会も開催しました。

茨城大学創立70周年記念事業としてキャンパス正面周辺を整備

 昨年、本学は創立70周年を迎え、さらに工学部の前身の多賀高等工業学校から数えると80周年、加えてキャンパスのある日立市も市制施行80周年を迎えました。そうした中、日立キャンパス前の道路拡幅工事に伴って、より地域に開かれたキャンパスを実現すべく、正門周辺環境の整備を進めてきました。整備にあたっては、工学部の同窓会である多賀工業会をはじめとする多くの皆様から寄附をいただきました。
 この環境整備の一環として、茨城大学工学部・茨城交通株式会社・日立市公共交通会議の三者でパートナーシップ協定を締結。地域や学生・教職員の憩いの場とバス待合所を兼ねた休憩所を設置することとし、設計にあたっては、昨年、茨城大学工学部・大学院理工学研究科の学生を対象としたデザイン・コンペティションを行いました。
 コンペには学部2年生から大学院博士前期課程1年まで、8組10人の学生が参加。昨年10月の公開審査では、建築の専門家や茨城大学工学部の教員、日立市、茨城交通の担当者などの審査員を前にプレゼンテーションを行い、厳正な審査の結果、大学院理工学研究科博士前期課程の中根央喜さんの提案が最優秀賞に選ばれました。

休憩所2昨年10月の公開審査での記念写真

大学と地域をつなぐ「Connecting roof」

 中根さんが提案した作品は、「Connecting roof(コネクティング・ルーフ)」。こちらが提案資料です。

休憩所3

 建設敷地の形状を象った折れ目のついたデザインの屋根を、スマートな柱で支えるもので、シンプルな造形でありながら、場所のストーリーを活かし、人びとを引き寄せるような工夫がなされている点などが高く評価されました。中根さんは、「地域の人びとと大学生をつなぐ屋根というイメージ。屋根の形状を通じて人が流れてきて、交流する場になれば」と、そのコンセプトを語っていました。
 コンペ終了後、中根さんの提案をもとに予算や構造面の検討をし、2020年7月に着工して設置を進めてきました。

休憩所がついに完成

 そして、115日(木)、良く晴れた秋空の下、とうとう完成披露会を迎えることができました。
 お目見えした新しい休憩所がこちらです。

休憩所4

 元の提案では金属製の屋根を想定していましたが、予算の都合もあり、木で構造をつくりました。複雑な形状にあわせた木の構造が、安定感の中にあたたかい印象ももたらしています。
 また、屋根の下には同じく木造のベンチやテーブルを設置。こちらも中根さんが考案したそうで、茨城県産の角材を束ねて質量を高めることで、盗まれたり風に飛ばされたりすることを防いでいます。

 完成披露会で、工学部の増澤徹学部長は、「硬い中にも柔和な感じのする良い休憩所ができた」と感慨深げに語った上で、茨城交通株式会社、日立市、多賀工業会などの寄附者やこれまで協力してきた学生・教職員等に謝意を示しました。また、太田寛行学長も「産学官連携によるまちのデザインの取り組みとなった。また、コンペティションは学生が専門分野の学力を発揮するエキサイティングな場となり、そうした機会を協力して作っていただいた皆様に感謝したい」と話しました。

休憩所5工学部の増澤学部長

休憩所6太田学長によるあいさつ

 また、披露会には茨城交通株式会社執行役員・日立オフィス運輸部の仲野徳寿部長、日立市の吉成日出男副市長も出席。仲野氏は「コンペで提案された作品はすべて創意工夫がなされていた。今回の休憩所は、バス待合施設という観点からも、バス運転手がお客様を容易に視認でき、雨の日も快適にバスを待てるという点で素晴らしいものになった」、また吉成氏は、「立派なバス待合所兼休憩所が整備されたことで、学生の通学はもとより、地域住民の移動環境の充実も図ることができた」とそれぞれ語りました。

休憩所7茨城交通株式会社の仲野氏

休憩所8日立市の吉成副市長 背後では茨城交通のバスがちょうど停車

 完成した休憩所を前に、考案者の中根さんは、「大学の授業で構造などの詳細まで考えられる機会はなかなかなく、今回、いざ建築にするという中でいろんな壁にぶち当たったが、それを学生のうちに体験できたことが良かった。いろんな方々の協力で建築が立ち上がっていくプロセスは感動するもので、建築の社会性というものを感じた」と振り返り、「早く多くの人に使われているところを見たいです」と期待を示していました。

休憩所9考案者としてスピーチする中根さん

現在、新型コロナウイルス感染症対策として、キャンパス周辺にはバリケードを設置していますが、本休憩所には道路側から利用することができます。ぜひお気軽にご利用ください。

休憩所10