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課外活動をどう再開する?
―学生たちが学長と意見交換

 6月24日の午後、部活などの学生団体の代表学生たちと太田寛行学長らが、課外活動の再開のあり方についてオンラインで意見交換を行った。学務部からは今後の活動再開の計画案を示した上で、団体ごとに感染防止策を講じた活動計画を提出してもらい、それをもとに個別に検討することを表明。学生たちからは競技の特性や大会などの事情に応じた疑問や要望が寄せれらた。大学では、これらの意見をもとに改めて活動計画案を検討するとともに、今後団体からの個別の相談を学生支援センターで受け付ける。

今年度初めての学長学生懇談会

 この懇談会は、毎年2回行っている学長と学生懇談会として開かれた。太田学長がこの4月に就任してからは初めての実施だ。今回は30団体から計39人の学生が参加した。懇談会の冒頭、太田学長は、「新型コロナウイルスの感染拡大防止として行ってきた遠隔授業などに、学生のみなさんが真摯に向き合ってくれて、充分に対応してくれたことに感謝します」と述べた上で、懇談会の趣旨について、「学生を含めた私たちひとりひとりが感染防止に対して責任をもつことが求められる。どうやったら感染拡大を防ぎながら学業や課外活動ができるようになるかをみなさんと話し合いながら考えていきたい」と説明した。

懇談会1オンラインでの懇談会に臨む太田学長

課外活動方針に対する学生の受け止めは

 新型コロナウイルス感染症への対策として、キャンパスの入構を規制し、前学期(8/12まで)は基本的に遠隔授業を行うこととし、今月中旬まで課外活動を禁止してきたが、現在の「レベル1(要注意)」対応では、必要な対策を講じた上での個人での課外活動を認めている。一方、キャンパスを使った活動や集団での活動はまだ制限している。
 参加学生への事前アンケートでは、こうした現在の対応に、約8割が「妥当である」と回答した一方、「不満に思っている」という声も8%の学生から寄せられた。

懇談会2

 それに対し、現状においての各団体の取り組みは、「団体内で話し合ったあと、団体独自のガイドラインを作成するなど感染防止策を進めている」が17%、「団体内で今後の話し合いなどをしており、感染防止策を検討している(実施までには至っていない)」が38%、「団体としては話し合っておらず、個人個人の考えにとどまっている」が32%、「特に何もしていない」が15%と対応が分かれた。

懇談会3

いち早く活動計画案を作った女子バスケ部

 いち早く独自のガイドラインを作成したというのが、女子バスケットボール部だ。今回の懇談会では、部長の谷萩舞香さんがその「活動計画案」を参加者に紹介してくれた。計画案では、活動前の検温や更衣室の使用人数の制限、体育館利用者の記録などのルールを定め、また具体的な練習方法についても、「個人ドリル」→「少人数ドリル」→「対人練習」という段階を設けて少しずつ進めていくとしている。さらに女子バスケ部だけでなく、体育館を利用する他団体も含めた体育館利用のガイドライン案も示した。

懇談会4
女子バスケ部が示した活動計画案と体育館利用のガイドライン案

 こうした計画案について太田学長は、「遠隔でもメンバーで相談して具体的な計画をつくっていることに、再開への強い意気込みを感じた。自分たちがウイルスのサイレントキャリア(無自覚な感染者)になるかも知れないという意識をもち、チェックリストによって事後のフォローができる仕組みはとても大事だ」と述べ、また、同じく体育館を利用する男子バスケット部や卓球部も「ぜひ参考にしたい」と共感を寄せた。

今後の再開方針案をめぐり意見交換

 学務部からは、現在検討している課外活動の再開方針案が示された。そこでは、団体ごとに必要と考える感染拡大防止策を講じ、顧問教員の了解を得た活動計画を提出してもらい、それを大学側で検討した上で団体活動も可能とするとしている。感染が収束してきている現状が続けば、7月上旬からは学外での団体活動、8月後半からは学内施設の利用も一部認めるというものだ。これはあくまで「案」であり、今回の懇談会や各団体からの活動計画案も踏まえて適宜見直していく。

 この計画案について、学生たちからはさまざまな意見や質問が寄せられた。
 小学生のキャンプ活動を企画している「子どもふれあい隊」は、「学外での活動を先に認めて、学内での活動を制限するのはなぜか」と質問。太田学長は、「まずは既に決定している前学期中の入構制限を続け、前学期を安全に終えるということが最優先と考えています。一方で学外施設等でもそれぞれ感染防止策を講じており、みなさんがその対策を踏まえた活動計画を立てられれば、団体活動をしても良いということです」と説明した。
 また、「吹奏・発声等の飛沫感染のリスクが高い活動は、感染防止策(フェイスシールド着用など)を講じた上で行う」とした計画に対し、吹奏楽団は、「フェイスシールドを着用しての練習は現実的ではない」と指摘。その上で、「海外の研究では、吹奏楽器の演奏での飛沫が飛ぶ距離は平均0.75mとも報告されており、そうしたデータも踏まえた対策ができていれば、フェイスシールドは不要か」と質問した。太田学長は、「そうしたデータも活動計画案とともに示してもらえれば、私たちもそれを踏まえて検討したい」と述べた。

懇談会5

 また、今後の大会出場への影響も気になるところだ。秋の大きな大会の中には、開催有無がまだ決まっていないところもある。陸上部からは、「もし大会が開催された場合、他の大学が参加できているのに、茨大だけが参加できないという事態は起こり得るか」という質問が寄せられた。太田学長は、「大会が開催され、多くの大学が参加するというのは、社会の状況がそれだけ落ち着いていると判断されていることが当然前提になっているはずだ。その場合に本学だけが参加できないということにはならない」と答えた。
 漕艇部も、秋の全日本大会選手権がほぼ開催予定の見込みとのこと。練習再開が望まれるが、「二人乗りのボートで対人距離を確保することは難しい」と指摘した。それに対し、学務部の向後光典部長は、「競技種によってダブルで取り組むものも当然ある。たとえばボートであれば、漕手の間に仕切りを設ける、フェイスシールドを着用する、などの対策もあり得るが、そういうアイデアをまさに団体ごとに考えてほしいし、私たちが一番知りたいのもそういう情報だ。各競技などの特性は、みなさんが一番知っている。みなさんだからこそ考案できる対策のアイデアを出してほしい」と述べた。

懇談会6学生支援センターの青栁直子センター長が進行を務めた

新たなキャンパス生活へ向けた対話

 こうしたやりとりから見えてくるのは、まず学生たちが社会の状況とそれぞれの団体固有の事情に対し真剣に向き合おうとしていること、そして大学の側は、一律の厳しい制限を強いようとしているのではなく、それらの固有の事情を踏まえ、学生たちが主体的に考える活動計画をできる限り尊重し、活動再開への思いを前向きに捉えようとしていることだ。小学校~高等学校と異なり、学生たちの自由で主体的な活動を前提とする大学において、全体に目が行き渡らない不確実な状況で感染拡大を防止するためには、大学を利用するひとりひとりの意識、行動を信頼していくしかない。そのためには、ゼロかイチかの一律的な対応ではなく、それぞれの事情と考えを踏まえて対話をしながら前進していくしかない。今回の懇談会を通して、教職員は学生のみなさんの活動再開への思いと真摯さを改めて受け取ったし、学生のみなさんには、教職員がみなさん自身の社会に対する責任と主体的な計画、行動を求め、それをしっかり受け止めようとしていることを少しでも理解してもらえたなら、と思う。

 課外活動の方針については、今回の懇談会での意見や、日々推移する社会状況を踏まえて、引き続き検討し、段階的に示していく。その間、各団体のみなさんは、ぜひそれぞれの事情と感染防止策を踏まえた活動計画を顧問教員も交えて考え、提出・相談してほしい。新しいキャンパス生活は、みんなで作っていくものだ。

(取材・構成:茨城大学広報室)