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マヤ文明最古・最大の大公共建築を発見
―人社・青山和夫教授らの成果、「Nature」掲載

 本学人文社会科学部の青山和夫教授が参加した国際調査団が、メキシコのタバスコ州にあるアグアダ・フェニックス遺跡におけるライダー(航空レーザー測量)と地上探査により、マヤ文明最古かつ最大の公共建築を発見しました。今回の成果は、2020年6月4日(日本時間)に学術誌「Nature」に掲載されました。

pic1.jpgライダーによるアグアダ・フェニックス遺跡の3Dイメージ
作図:アリゾナ大学 猪俣健教授(調査団長)

 今回発見されたアグアダ・フェニックス遺跡最大の人工の公共建築は、南北の長さ1413メートル、東西の長さ399メートル、高さ15メートルの大基壇です。この大公共建築を中心に幅50~100メートル、最長6.3キロメートルに及ぶ計9本の舗装堤道が建造され、人工貯水池が配置されました。また、発掘調査と69点の試料の放射性炭素年代測定により、大公共建築が前1000から前800年にかけて建造・増改築されたことがわかりました。これは定住生活と土器使用が始まって間もない時期にあたります。

 従来の学説では、マヤ諸王朝が確立した古典期(後250~950年)がマヤ文明の最盛期であると考えられてきました。アグアダ・フェニックス遺跡の大公共建築は、建造物体積において古典期の神殿ピラミッドなどを遥かに凌駕するものであり、スペイン人が侵入した16世紀以前の全マヤ文明史を通して最大の建造物であることが確認されました。

 このようなマヤ文明最大の公共建築がこれまで認識されていなかったことを不思議に思うかも知れませんが、アグアダ・フェニックス遺跡の大公共建築は平面的にあまりにも巨大すぎるので自然の丘なのか人工の建造物なのかをライダー技術なしに地上で確認するのは困難なのです。垂直的な古典期マヤ文明の神殿ピラミッドは、諸王の権力を誇示しました。諸王が擁立される前の先古典期中期の平面的な大基壇は、人々が参加する共同体の祭祀の場であり、集団の統合を象徴したと考えられます。大規模建築という共同作業が、定住生活の始まりという大きな転換点において、集団のアイデンティティを創生する上で重要な役割を果たしたのだといえます。

pic2.jpgアグアダ・フェニックス遺跡の大公共建築(撮影:青山教授)

論文情報

  • タイトル:Monumental architecture at Aguada Fénix and the rise of Maya civilization(アグアダ・フェニックス遺跡の大公共建築とマヤ文明の起源)
  • 著者:猪俣健、 ダニエラ・トリアダン、 ベロニカ A. バスケス ロペス、フアン・カルロス・ファルナンデス-ディアス、大森貴之、マリア・ベレン・メンデス・バウエル、 メリナ・ガルシア・エルナンデス、ティモシー・ビーチ, クラリサ・カニャート、 青山和夫、那須浩郎
  • 掲載誌:Nature
    https://www.nature.com/articles/s41586-020-2343-4
  • 掲載日:2020年6月4日(日本時間)
  • 参考:Natureニュースリリース
    https://www.nature.com/articles/d41586-020-01570-8