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茨城における高等教育のあり方を考えるシンポジウム
―具体的な課題をひとつでも前に

 茨城大学と筑波大学などで構成する「茨城における高等教育懇談会」は219日(水)、「茨城における高等教育の在り方に関するシンポジウム」を筑波大学大学会館において開催し、大学や自治体の関係者など100人超が参加しました。

 「茨城における高等教育懇談会」は、産業構造が大きく変化する中、地域の将来ビジョンにおける高等教育の在り方を高等教育機関・自治体・産業界が一緒に考える場として2018年に発足。今回のシンポジウムは、その初めての主催イベントとして、各界の代表者を招き開催したものです。

 冒頭、基調講演を行った茨城大学の三村信男学長は、茨城県における18歳人口あたりの学部入学定員が全国平均(0.50人)の約半分に留まっていることなどをデータで示した上で、具体的な連携に向けた恒常的な協議の場として「いばらき地域連携プラットフォーム(仮称)」の設立を検討していると述べ、協力を呼びかけました。

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 続く招待講演では、大学・自治体・企業の連携に先進的に取り組んでいる「公益社団法人ふじのくに地域・大学コンソーシアム」の丹沢哲郎企画運営委員長(静岡大学理事・副学長)が、コンソーシアム設立の経緯や活動内容を紹介しました。丹沢氏は、静岡県と茨城県との間で置かれている状況が類似していることを指摘した上で、「静岡県には大学課があり、コンソーシアムの設立・維持にも強いイニシアティブを発揮している」と話し、一方で各大学の主体的な取り組みが課題となっていることを報告しました。

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 後半は二部構成のパネルディスカッションで、大学関係者と自治体、経済団体の代表者が登壇して意見を交わしました。

 第一部は「高等教育機関の連携、地方公共団体・産業界との共創態勢について」と題し、筑波大学の永田恭介学長のファシリテーションのもと、永田博司・茨城県立医療大学長、富田敬子・常磐大学長、原嘉昭・茨城工業高等専門学校副校長がそれぞれの大学・高専における自治体等との連携事業を紹介。一方、宇野善昌・茨城県副知事、五十嵐立青・つくば市長、加子茂・茨城県経営者協会会長は、それぞれのビジョンとそれに伴う人材育成への期待、要望を示しました。

 ディスカッションでは、各高等教育機関間の単位互換の難しさや、外国人留学生・労働者の受け入れに関する取り組みなど、いくつかの具体的な課題を深掘りするように進みました。永田学長は、「大学は『地域のニーズを示してほしい』と言いがちだが、自治体も企業も明確にニーズを示している。大学はそれをきちんと受け止めていないところがあったのでは。トップ同士が話す場がいかになかったかということだ」と述べました。

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 第二部は、「多様な学生を引きつけ定着させる魅力ある高等教育の在り方を考える」として、石原保志・筑波技術大学長、東海林宏司・茨城キリスト教大学長、岸本亨・つくば国際大学教学部長、柴原宏一・茨城県教育長、岩間伸博・茨城県中小企業団体中央会専務理事が登壇しました。このうち石原学長は、障害者を対象とした国立大学という特性を活かし、「いばらき地域づくり大学・高専コンソーシアム」を通じて横断的に障害のある学生の支援に取り組んでいることを紹介。さらに障害者のリカレント教育の重要性を指摘しました。また、水戸市の高橋市長は、さまざまな面で大学との連携事業を進めているが、有効な経済政策の面では関わりが少ないことを指摘し、今後の協力に期待を示しました。

 ファシリテーターを務めた茨城大学の三村学長は、「大学のポテンシャルを地域活性化にどう活かせるか、ということが問われている。自治体のビジョンに『大学』という要素が入ってくるぐらいにならないといけない」と話し、組織間の連携を強めていくことの必要性を強調しました。

 シンポジウムの総括として、筑波大学の永田恭介学長は「地域を構成する関係機関の代表者が本気で意見を交わす機会が大事。今後もこうした議論を継続していくことと、今回示された具体的な課題についてはひとつでも前に進めていくことを約束したい」と述べ、今回の議論を締めくくりました。

 茨城大学では、今回示された具体的な課題を受け止め、他の高等教育機関や自治体、企業等との連携強化に向けた取り組みを今後もしっかりと進めていきます。

(取材・構成:茨城大学広報室)