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理学部にて第10回高校生の科学研究発表会を開催

 1月11日、水戸キャンパスにおいて理学部主催の第10回高校生の科学研究発表会がおこなわれました。この発表会は、日本の科学技術の未来を担う次世代の人材育成をサポートすることを目的に開催しているものです。10年の節目となる今回の発表会では、茨城県内外21校の高校・中等教育学校から、合計 81 件(口頭発表44件・ポスター発表37件)もの申し込みがあり、当日は一般観覧を含め計279名が参加しました。

kagaku
参加者で満席となった会場

 午前中は、2つの会場に分かれて口頭発表が行われました。各グループ口頭発表7分の持ち時間の中で研究内容を発表。どのグループも、今まで取り組んできた研究に対する熱意が伝わる発表を披露してくれました。発表後に設けられた質疑応答の時間では、理学部教員や他グループの参加者から出た感想や質問を受け、活発に意見交換する様子が見受けられました。
 このうち東京都から参加した都立多摩科学技術高等学校の齊藤光希さんは、「いつでも発信SOS!!~圏外での位置情報の送受信」というテーマで、携帯電話の圏外となる山岳地帯で遭難したときの通信プログラムの構想を発表。これは、日本の衛星「みちびき」に対応したGPSモジュールと「Raspberry Pi」というカードサイズの小型基盤を活用したもので、斎藤さんは、山岳遭難事故の件数や死者数などの背景となるデータを紹介するとともに、イラストや実際のPCの画面イメージなどを見せながらプログラムについて丁寧に説明をしました。実用性が高い研究に対し、教員や来場者からは「大変興味深かった」、「今後も研究を頑張ってほしい」といった感想、激励が寄せられました。

kagaku1発表に真剣に耳を傾ける高校生たち

 午後のポスター発表では、人文社会科学部講義棟の1階・2階の講義室と廊下を全面に使いポスター作品が張り出されました。ポスターの前では、研究内容についてそれぞれ参加者同士が積極的に質問や意見交換を行う様子が数多く見られ、活気に満ちた発表の場となりました。

kagaku2活気あふれたポスター発表の様子。参加者同士で活発な意見交換が行われた。

 すべての発表が終了した後、理工学研究科・飯沼裕美准教授により「J-PARC 加速器で宇宙初期の謎に挑む」と題して特別講演が開催されました。講演では、東海村の大強度陽子加速器施設J-PARCの施設についての紹介を交えながら、宇宙の起源やミューオンなどの量子ビームを用いた研究活動について説明。スライドでは難しい専門用語も多く登場する講演でしたが、高校生たちが熱心にメモを取る姿が見られ、質疑応答の時間でも様々な質問が飛びました。

kagaku3講演内容のポイントを説明する飯沼裕美准教授

優秀発表賞(口頭部門)

  • 「いつでも発信SOS!!~圏外での位置情報の送受信〜」 齋藤 光希(東京都立多摩科学技術高等学校)
  • 「デキストリンペーパーによるプラスチック代替」 宮内 愛音(私立鹿島学園高等学校)
  • 「常陸太田市オリジナルぶどう品種「常陸青龍」の基礎的研究」石田 美羽,菊池 彩香,小林 颯太,佐藤 直稀,添田 ヒカル(茨城県立太田西山高等学校)
  • 「ゴキブリは光から逃げない?~負の走光性の真実~」 鈴木 陽ヨン(千葉県立津田沼高等学校)
  • 避難経路の最適化による避難時間の最小化 大津 凜,荻本 明日香,金親 萌,小向 理子,立原 花希(茨城県立日立北高等学校)
  • 「金属の酸化によるアボガドロ定数のずれの利用と評価」 柳田 有貴子(茨城県立水戸第一高等学校)
  • 「アルギン酸バリウムゲル粒子による自己駆動運動」小野 倖輝,大橋 拓海,菊池 聖騎 (茨城県立日立北高等学校)
  • 「セッケン法を用いた油脂の劣化度合いの測定方法の確立」佐藤 大道,鈴木 康平,小堀 拓馬 (茨城県立日立第一高等学校)

優秀発表賞(ポスター部門)

  • 「カマキリの捕食行動を妨害するとどう反応するか~ファーブルでも解けなかった謎に迫る~」 西野 陽文 (茨城県立竹園高等学校)
  • 「竹粉末を用いた高吸水性ポリマーの作製~農業における土壌改良材への応用を目指して~」 後藤 咲季 (茨城県立竹園高等学校)
  • 「あるスライドパズルの円順列解析」倉塚 凜々子,沼田 実優 (茨城県立水戸第二高等学校)
  • 「ARデバイスの入力装置についての研究」林 慶彦,石井 敬人 東京都立多摩科学技術高等学校)

 今回高校生たちが発表した研究内容は、独創的な題材が多く、どのグループも研究に対する大きな熱意と努力が伝わってくるものでした。今後の高校生たちの更なる活躍を期待しています。