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茨城大学五浦美術文化研究所へ木村武山らの作品が寄贈される

 10月1日、本学の五浦美術文化研究所へ掛け軸の作品4点が寄贈されました。岡倉天心と共に五浦で制作活動に励んだ木村武山による仏画と花鳥画のほか、長崎の平和祈念像で知られる彫刻家の北村西望の書、ノーベル物理学賞受賞者の湯川秀樹博士の書といったいずれも貴重な作品です。故人・寺門康三氏が収蔵していたものを、ご家族を通じて寄贈いただきました。

今回寄贈された掛け軸4点、左から「聖観音」、「あやめ」、「洗心長寿」、「息迹」

各掛け軸の収納箱

 今回の寄贈を受け、11月21日に三村信男学長から寺門氏のご家族へ感謝状の贈呈を行いました。その後、五浦美術文化研究所長を務める藤原貞朗人文社会科学部教授から作品の紹介がありました。
 作品の寄贈を受けた五浦美術文化研究所では、天心遺跡を管理するとともに、その業績をしのび日本の近代美術や内外の文化・歴史研究を行っています。今回寄贈された作品は、当研究所に収蔵され、本学の研究および教育に役立てられます。

<寄贈された作品>

「聖観音」作者:木村武山

・武山は晩年(昭和初期)、仏画をよく描いた。黒地に金彩で描いた人気のある作品で、見る者を瞑想へといざなう。五浦の海に面した六角堂の床の間に飾り、静かに眺める機会を設けてみたいと思わせる。表装も仏画の規則に従い、軸には象牙ではなく、殺生のないようにと銅が用いられている。箱書は子息の武夫による。

「あやめ(菖蒲)」作者:木村武山

・武山は花鳥画も得意とし、本学は色鮮やかに豪奢に描かれた屏風《小春》をすでに所蔵しているが、この《あやめ》は対照的に渋い作品。水墨の茎と葉に、白い花が一輪描かれ、蜻蛉が止まっており、生命のはかなさを感じさせる。箱書は武山本人による。

「洗心長寿」作者:北村西望

・長崎の《平和祈念像》や狛犬でよく知られる彫刻家・北村西望による書。《洗心長寿》の揮毫のとおり、西望は103歳の長寿をまっとうした。署名から、本作が百歳を越えての書であることが分かる。また、力強く構築的な文字は、いかにも彫刻家らしい。箱書は西望本人による。

「息迹」作者:湯川秀樹

・「息迹(そくせき)」とは、足跡を止め、静かに立ち止まること。第一線で活躍してきた湯川博士の晩年の心境か、あるいは、仕事に邁進していた時の冷静な心持ちなのか。署名の「玄圃」は博士の筆名。箱書は奥様による。