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【ブカツ】茨城大学合氣道部
―勝ち負けにこだわらない、崇高な技と精神を体得する喜びに満ち溢れる

 水戸キャンパスの柔道場二階、畳上の至る所で受け身の体が音を響かせる。猛々しい熱気の中を、涼風に似た静か清涼感と精彩さが吹き抜けては、次の瞬間、ふたたび体が宙に舞い、「どぉす〜ん」――。ほとばしる緊張感と不思議な爽快感。摩訶不思議な合氣道の世界だ。

 合氣道は、開祖・植芝盛平翁が日本伝統武術の奥義を究め、厳しい精神的修行を経て生み出した現代武道の一つだ。茨城県の旧岩間町(現・笠間市)は、開祖植芝翁が「合氣道の産屋」と称して昭和10年代に合氣神社を創建し、「和の武道」として合氣道を完成させた地とされる。茨城大学の合氣道部は1962年に創部。同好会時代からこの聖地で研鑽を積んだ武道家たちとともに汗を流してきた。

 道場長の坂谷康弘さんもその一人。1989年入学の坂谷さんは大学で合氣道に出会い、合氣道部で伴侶に出会い、卒業後も岩間の茨城支部道場に通った。さらに現在、部員には長女の朱理さん(工学部4年生)が在籍している。

 「人生、振り返ってみると、合氣道につながっていますよね。学生時代はやんちゃでしたが(笑)、合氣道を通じて、人間性を育んできました。稽古して疲れました、はい、ビール美味しいです!ではなくて、大人としての僕にとっても人間形成の場。学生たちには和気藹々、それぞれの個性を大切にしながら自由に、真剣に技を磨いて欲しいですね。」(坂谷さん)

 そんな坂谷道場長に大きな影響を与えたのが、内田進さん。内弟子として2年、岩間で修行を積んだ。そこで出会った坂谷さんとの縁から年に2回、岡山の道場から茨大の部員の指導にやってくる。

aiki2.jpg型の手本を披露する内田進さん(右)と坂谷康弘さん

 この日の稽古は内田さんを迎えての特別講習会。部員たちのほか、北は北海道、南は九州から内田さんを師と仰ぐ合氣道家たちが大勢詰め掛けていた。

 「学生たちは本当に真面目に真摯に、こだわってやっていますね。勝ち負けにこだわらず、学問として、武道を学んでほしいです。目の前の価値観だけでなく、いにしえの人たちが遺してくれたものを受け継ぐなかで、自分たちも今その一角に携わっている、そのつなぎの中にいることの素晴らしさを感じてもらえたらと願っています。」(内田さん)

 若い世代の合氣道人口の減少を憂いながら、内田さんは徳島大学や鳥取大学でも学生たちの指導にあたっている。茨大合氣道部の部員たちも、定期的に岡山へ合宿に行くなど、合氣道家たちとの稽古に尽力する。

 「死ぬほど稽古して、一生に一度も使わない、それが幸せだ」という内田さんの教えは、合氣道の精神そのものだ。

 「だから、合氣道部は、体育会系ではなくて、文化系ですよね。学生にはとにかく、本を読め、と話しています。」

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 稽古は指導者が示した技を、二人ひと組で繰り返す。攻撃を仕掛ける「受け」、攻撃を捌いて技をかける「取り」を交代しながら反復稽古を積み重ねる。一つの技を数回反復するとすかさず、指導者は、次の技や受け身の取り方などを口頭で指導し、実際に投げて見本を見せる。静と動、心と体。合氣道特有の身のこなしの一瞬一瞬の連続に、緊張は途切れることなく、息つく暇もない。稽古の厳しさを尋ねてみると、部員の一人、千葉涼さんは「痛みとか疲れは、まったくなくて、むしろ清々しいですよ」と汗を拭った。岩手県出身の理学部1年生。高校時代は、投擲の陸上選手だった。

 「新歓で先輩に技をかけてもらったら、凄くて・・・。力を使わないで相手を倒すというところに惹かれましたね。最初は投げられても訳も分からず、どうして投げられたんだろうっていう感じでしたが、やっと最近、体の軸がわかってきたところ。教えられた通りに技をかけられた時、理屈はまだ分からないのですが、少しでもうまくいくと、とても嬉しいですね。励みになります。」

 武道というと、かつては体力勝負という印象があったと千葉さんは言う。合氣道に出会い、スポーツそのものの見方まで変わったという。

aiki4.jpg大学に入って合氣道を始めた1年生の千葉さん

 主将の佐久間志保さん(人文社会科学部3年生)は、当部活の魅力を次のように語る。

 「争わない武術への魅力とともに、技や理論の面白さ、そして、遺して伝承していこうという指導者たちの熱意にあると思います。聖地・岩間があることで、ここでしか学べない技に触れられるのも、魅力ですね。」

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 老若男女問わず、茨大の道場に集うOBOGをはじめとした武道家たちとともに、部活・大学の外の世界と交わりながら成長する合氣道部の学生たち。己の技を磨くべく、日々稽古に打ち込んでいる。

茨城大学合氣道部

  • 創部:1962年
  • 通常活動日:(火)18:00~茨城大学講堂、(水・金)18:30~茨城大学柔道場、(土)10:00~・18:45~堀原運動公園など
    朝稽古:(火)(木)(金)5:15~
    ※土曜日は水戸合氣修練道場での稽古。詳しくはホームページ(http://iwamatakemusu.g2.xrea.com)を参照
  • 部室:サークル棟3階の角部屋。「合氣道部」と表札あり
  • 連絡先:公式Twitter(

    https://twitter.com/ibadai_aikido

  • 部員は年中募集。練習の見学等も歓迎しています。

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(取材・構成:茨城大学広報誌『iUP』編集チーム)

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