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絶縁体中を動き回る謎の中性粒子を検出
―理・伊賀文俊教授がYbB12結晶作製に貢献

 京都大学大学院理学研究科の佐藤雄貴 博士課程学生、笠原成 同助教、笠原裕一 同准教授、松田祐司 同教授、東京大学大学院新領域創成科学研究科の芝内孝禎 教授、茨城大学理学部の伊賀文俊 教授の研究グループは、米国ミシガン大学、米国ロスアラモス国立研究所と共同で、ある種の絶縁体の内部を動き回る未知の中性粒子を発見しました。

 物質は電気が流れるか流れないかで金属と絶縁体の二種類に分類され、金属は熱を伝えやすく絶縁体は熱を伝えにくいという性質をもちます。これは金属中で電気を伝える伝導電子が熱の運び手になっているからです。本研究では、イッテルビウム12ホウ化物(YbB12)という絶縁体を絶対零度近傍まで冷却し、この物質の熱的な性質を詳細に調べました。その結果、YbB12は電気的には絶縁体で電気は伝えないにも関わらず、熱の伝導が金属と同じ振る舞いをすることを発見しました。このことは、この物質中に電荷をもたずに熱のみを伝える謎の中性粒子が存在していることを示唆しています。今後この中性粒子の性質や起源を明らかにすることで、物性物理学における新しい展開が期待されます。

 本研究において、本学の伊賀文俊教授は、YbB12の熱的性質を精密に調べるための結晶の作製を担当しました。

 この成果は、201972日に英国の科学雑誌「Nature Physics」にオンライン掲載されました。

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