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【レポート】外へ!!世界を2周し20カ国で世界実習をした男・平岡慎也さんのトークイベント

 618日(火)のiOPラボは、大学在学中に世界20カ国・40の学校を訪れて「教育実習」をした経験をもち、現在はフィリピン・セブ島での学校インターンシップをコーディネートする「Global Teacher Program」を運営している平岡慎也さんをゲストに迎えたトークイベントを開催しました。今回この企画を提案してくれて、実際にコーディネートを進めてくれたのは、工学部2年の夛田雄介さん。参加した学生たちは学部・学年もさまざまで、平岡さんの軽快で熱い進行のもと、双方向でアットホームなイベントとなりました。この記事では、平岡さんのトークの内容を抜粋して紹介します。

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ワクワクしたから海外へ

 僕は去年も「iOPラボ」で話をさせてもらったんですけど、夛田くんはそこに参加していて、そのあと僕がやっているフィリピン・セブ島のGlobal Teacher ProgramGTP)―あとで詳しく紹介しますが―に来てくれた。今回のトークイベントのタイトルに「外へ」というフレーズを入れたい、といったのも彼です。出会ったころの夛田くんは「何かしたいけど思いきりが足りひんな」という感じだったので、それで背中を押してセブ島に連行したわけですけど(笑)、その彼がこういう会を自ら開くようになったということは本当に嬉しいし、ありがたいです。

 さて今日は、みんなの頭の片隅に「大学時代のどこかで海外行きたいな」みたいな形で僕が住み続けられればと思い、まずは「海外っておもしろい!」ということを伝えたいです。僕は今まで生きてきた25年間で、37カ国、5大陸を訪れている海外好きです。でもそういうと、やれグローバルだ、TOEICだ、みたいな人いますけど、そんなたいそうな理由なんてなくても、行ってみたら楽しいよ、と。

 僕が最初に海外に興味をもったきっかけは、「ポケモン」なんです。ものすごいゲーム好きやったんですよ。あと漫画もめっちゃ好き。『ONE PIECE』は23巻までは義務教育にも入れていいぐらいの作品ですよね。あと、ゼルダの伝説、スーパーマリオ、モンスターハンター...これらの漫画、ゲームで共通して出てくるのが、大草原、大海原、砂漠、雪原地帯、孤島とかそういう世界観なんです。そうすると海外行きたくなるでしょ。だから理由はシンプルに、「ワクワクしたから」。オンリーこれだけの理由で行ったわけです。それで、マチュ・ピチュ、モロッコ、ウユニ塩湖、メキシコ、インド...有名なところからあまり知られていないところまでいろいろ行ったんですけど、写真ですらみたことない美しい場所は世界中にまだまだいっぱいあって、旅人と話せば話すほど「そんなところあるの」と飽くなき場所が出てきます。

冒険+教育+世界

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 それからもうひとつ、海外に行きたい理由があったんです。僕は大学時代、情報理工学部という学部に所属していたんですね。プログラミングとかやる学部です。それで、その基礎演習、一番最初の授業で「北欧と日本のIT教育の違いについて」という課題が出たんです。大学の先生はもちろん「IT」の方に興味をもってもらいたかったと思うんですけど、僕は見事にITではなく教育に興味を持ったんです。それで北欧ということでフィンランドの本買いまくって、ムーミンの本も買って、そのうち読書が止まらなくなった、特に教育の本。結局大学1年で400冊ぐらい読んで、4年間で千何百冊と読みました。

 そのうち、だんだん先生になりたいなと思うようになってきたんです。だって本を読むじゃないですか、そしたら内容を誰かにシェアしたくなるじゃないですか、「フィンランドって宿題ないんやで」とか。でもあるとき恐ろしいことに気付いたんです。僕は先生になろうとしているのに、自分が誰かに伝えようとしてることが、みんな「......らしい」という言葉が付いちゃうよな、と。僕は伝聞調の「......らしい」ではなく、「こうやったんやで!」と自分の言葉で語れるような先生になりたいと思いました。

 こう考えていくと、興味があるのは、冒険、教育、世界。それなら世界一周しながら教育実習できたらおもしろいんじゃないかな、と思って、3年生の9月のとき、休学してバックパッカーとして旅に出発しました。教育の現場なんか見て将来役立つのかな、というのは正直わからなかったんですけど、ワクワクが勝っちゃったんですね。

 それで6ヶ月間、20カ国で教育実習をしてきました。当時はそういうプログラムなんてないから、ほぼ飛び込みです。日本から来ました、教師をめざしています、と説明して、入れてもらう。現場はさまざまなで、日本語教えたり、高校の授業が終わったあとに授業をもったり、子どもたちサッカーやったり。「あげる」「もらう」「くれる」の日本語の違いを英語で教えなきゃいけない、というのもありました。あと、フィンランドでは何ヶ月も滞在させてもらえて、バンド形式の音楽の授業に参加したりもしました。

自分だけのインプット

 さて、ここからは、そういう経験をどう仕事に活かしてきたか、という話をしたいと思います。

 聞いてもらってわかったかと思うんですが、海外で教育実習なんて、正直役に立つかなんてわからないんですけど、僕はできるだけ、誰かがやっているからとかじゃなくて、自分が興味の持っていることをやっていました。それで気付いたら、その経験が、自分だけの

インプットになっていたんです。

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 それで自分の体験とか考えていることをブログで発信していたら、「フィンランド 教育」という検索で、僕のブログが一時期一番上に出てくるようになった。フィンランド教育って興味をもっている人いっぱいいるから、そのうちたくさん講演依頼をもらうようになったんです。そしたら講演を聞いた高校生から、「海外の大学に進学しようとしていたんですけど、周りから反対されていました。でもお話を聞いてチャレンジしようと思いました」とか言われて、それはもちろん嬉しかったんですけど、そもそもこんなにチャレンジしようという気持ちをどうして抑圧されなきゃいけないんだろう、と思った。

 僕らの世代は「ゆとり世代」とか「さとり世代」とか言われるんですけど、そのレッテルを貼ってきたのは大人たちなんですよね。実際には、チャレンジしようとしている子どもはすごく多い。だから、子どものチャレンジを応援できる先生が必要、そういう大人がたくさんいればいい。そのことに講演で気づいたんですよ。

 僕自身は高校生のとき、文部科学省の大臣になりたいと思っていました。それでどうやったら文部科学省に入れるか調べて、職員採用のパンフレットを取り寄せたりしていた。「文部科学大臣になりたいです!」とか言うと、いろんな先生がいて、「ハッハッハ」と一笑する先生もいれば、応援してくれる人もいた。特に山本先生っていう、世界中で自転車乗り回しているような人がいたんですけど、その先生は唯一、「なんでなりたいんだ」と聞いてくれたんです。それで思いを語ったら、山本先生が、「俺の教え子に文科省の人いるから」って言って、メールアドレスを教えてもらったんですよ。それで、当時はマナーとか知らないから、ものすごく長いメールを送ったんですけど、そしたらその倍ぐらいの長さのメールを文科省の人が返してくれて。「僕の夢を応援してくれる人がこんなにいるんだ」と気付いたんです。

 じゃあ、そういうふうに応援してくれる大人は、そうじゃない人と何が違うんだろう、と考えたときに、あ、自転車だ、と。つまり、自分自身が大きなチャレンジをしたことがある、チャレンジしている、ということが大事だと気付いたんですよね。

 みなさん、目を閉じ心に手を当てて、今までの人生で「これいちばんチャレンジしたな」ということ思い出してくれますか。そのときの感情で、恐らくものすごくドキドキ、ワクワク、あるいは不安交じりのハイブリッドな感情が浮かぶと思うんですけど、この感覚って、気抜いたら安定に走ってしまって、錆びついてしまう。そうすると、子どものチャレンジを応援できなくなるんじゃないかという仮説を立てたんですよ。

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子どものチャレンジを応援できる大人を増やしたい

 子どものチャンレジを応援できる大人=自分自身も大きなチャレンジをしたことがある人。じゃあ、子どもとたくさん接する人、あるいはこれからたくさん接する人って言うと、教育に興味を持っている大学生に、いろんなチャレンジをしてもらいたいと思った。それでいろんなプログラムのアイディアを構想して―「アジアで行商」みたいなアイディアもありました―最終的にたどり着いたこと、自分だけのインプットを活かせることが、自分がやった「海外で教育実習」でした。それが、僕が今やっているGlobal Teacher Program(GTP)です。

 このプログラムは、大学4年生の時に立ち上げました。当然、自分自身があのときこういうプログラムあったらな、と思いながら。でも最初は実績なんてないわけです。それで大学の先生にも協力してもらいつつ、チラシなんかも作れないないから、「とにかく俺を信じて」と訴え続けて、それで信じて来てくれたのが第1期生たちです。この人たちにはめちゃめちゃ感謝しています。それが徐々に広がって行きました。

 プログラムをシンプルにいうと「フィリピン×教育実数」です。フィリピン・セブ島は英語教育に力を入れているから、初めて英語での授業にチャレンジするのにはとてもいい。僕たちサポートメンバーと現地の公立小学校との間に、語学学校に入ってもらって、プログラムのコーディネートを進めています。大学生だけでなくて、現役の先生の参加もありました。

いきなり授業といっても難しいので、最初は語学学校で辞書とかも使いながら教材を作ったりして、「どんな授業やりたいか」とか話す。そのあと模擬授業をやって、セブ到着後6日ぐらいしてからようやく授業が始まります。英語の接続詞の授業、折り紙、ダンス...と幅広くやってます。セブの子どもたちはめちゃめちゃ元気で、とてもいい環境です。

やりたいと思った自分の心を信じて

 さて、ここまで話してきたことで僕が伝えたかったことは、人生や仕事なんて、全部が全部、目的を立ててて逆算できるわけじゃないんだよ、ということです。どうやって文科大臣になるかなんて最初はわからない。でも、「だからやってみよう」というのが良かった。それで、やっているうちに自分でしかできないインプット、アウトプットができてきて、それが仕事になる。でもそれは簡単じゃないです。僕自身も話せていないチャレンジがいっぱいあって、そのうちのほんの一部を紹介したに過ぎません。

 留学、プログラミング、世界一周、海外で教育実習、ブログ、インターン......挙げるとキリがないぐらいいろいろやっていたんですけど、何が役立つかなんて正直わからない。ならば、

 やりたいと思ったら自分の心を信じてやってくれれば、と思います。

 とはいえ、「自分が何をしたいか分からない」という人もいるかと思います。わからないときは、今からできることとして、僕自身大学時代やっている「視野を広げる3か条」を薦めたいです。

 それは、「旅」・「本」・「人」。

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 人間って、意識していることの方が、情報をつかむアンテナが上がると思っています。だから、自分がこういう情報欲しいな、と意識できていることが大事。自分の気になっている人のインスタグラムをフォローするとか、それだけでも変わると思います。

 本当に短い一歩でもいいので、今日中にやってみる、というのは、僕自身、やってて良かった習慣だなと思っています。

 今日はありがとうございました。

(取材・構成:茨城大学広報室)