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秋田・男鹿の珍味「棒あなご」がクロヌタウナギではなかった―工・北野誉准教授らによるDNA解析と形態比較で判明

 茨城大学大学院理工学研究科の北野誉准教授、秋田水生生物保全協会の一関晋太朗氏、秋田県立大学の杉山秀樹客員教授などからなる研究グループは、DNA解析と形態比較から、秋田県近海などで獲れる「棒あなご」は、クロヌタウナギではなく、キタクロヌタウナギであるということを明らかにしました。この研究成果は、2019年3月31日付けで、国際科学誌(Asian Fisheries Science)電子版に発表されました。

 ヌタウナギ類(ヌタウナギ目ヌタウナギ科)は顎が無いため無顎類と呼ばれ、世界に40種以上が分布しています。国内では5種程度が確認されており、秋田県のほか山形県、新潟県などでは漁獲され食用にされています。秋田県などの日本海で獲れ、「棒あなご」などの名称で食される種はこれまでクロヌタウナギだと思われてきましたが、一方でクロヌタウナギのもともとの産地である太平洋側の個体とは違いがあるということも示唆されており(McMillan and Wisner 2004)、本研究グループの以前の研究においても、秋田沖で取れたクロヌタウナギは別の種であるという可能性を示唆していました(Kase et al. 2017)。

 本研究では、以前の研究で用いた駿河湾と秋田沖のサンプルに加えて、新たに日本海側の能代沖のサンプル、太平洋側の銚子沖、安房勝山沖および江の島沖からのサンプルを用いて、形態比較とDNA解析を行いました。その結果、形態比較では、内側の癒合舌歯の数が、キタクロヌタウナギとヌタウナギが2であるのに対し、クロヌタウナギは3でした。また、キタクロヌタウナギとクロヌタウナギの外鰓孔の間隔は、ヌタウナギと比べて狭いのが特徴でした。

 また、DNA解析からは、今回調査した海域ではクロヌタウナギは駿河湾と安房勝山沖のみでみられたのに対し、キタクロヌタウナギは、秋田沖、能代沖、銚子沖、江の島沖というように広い海域でみられました。つまり、今まで日本海側でクロヌタウナギと呼ばれていた種はクロヌタウナギではなく、キタクロヌタウナギという別の種であるということが分かりました。

 詳しくはプレスリリースをご覧ください。

【プレスリリース】男鹿の珍味「棒あなご」はクロヌタウナギではなかった!(PDFが開きます)

論文の概要

  • 研究論文名:The northern brown hagfish, Eptatretus walkeri (McMillan and Wisner, 2004) (Myxiniformes: Myxinidae), is widely distributed in Japanese coastal waters
  • 著者:北野誉(茨城大学大学院理工学研究科)、佐々木一樹(茨城大学大学院理工学研究科)、一関晋太朗(秋田水生生物保全協会)、梅津和夫(山形大学医学部)、杉山秀樹(秋田県立大学)
  • 雑誌名:Asian Fisheries Science
  • 公開日:2019年3月31日
    (2019年4月2日)