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太陽コロナホールの出現傾向の統計比較から第23周期と第24周期の違いを解明

 茨城大学大学院理工学研究科博士後期課程の中川裕美さん、理学部の野澤 恵 准教授、名古屋大学の新堀淳樹特任助教のグループは、太陽活動第23周期(1996年~2008年) と第24周期(2009年~2016年) における、太陽コロナホールの面積の変動の違いを統計的に比較し、2つの周期でコロナホールの出現傾向に違いがあることを示しました。また、第23周期と第24周期における地球磁気圏活動の変動の違いについても、第24周期を通した地磁気活動の方が第23周期を通した変動よりも穏やかな傾向にあったことを明らかにしました。

 太陽コロナ領域のうち、周囲のコロナより密度や温度が低い領域はコロナホールとよばれ、コロナホールからは高速のプラズマ流(太陽風)が噴き出しています。この太陽風によって地球周辺まで引き伸ばされた太陽磁場が地球磁気圏に影響を及ぼします。中川さんらは、コロナホールを起源とする高速太陽風や太陽磁場が地球磁気圏に与える影響を、太陽活動周期全体で統計的に解析しました。その結果、第23周期では太陽の南半球低緯度領域にコロナホールがより多く出現する傾向がある一方で、第24周期ではより広い範囲に出現する傾向があることがわかりました。また、地磁気指数や放射線帯電子の変動は、第24周期の方が穏やかな傾向だったことがわかりました。

 突然発生する大きな太陽イベントによる地球磁気圏への影響を個別に解析した研究は数多くありますが、今回の研究は突発的な変動の背後で大局的に変化する太陽-地球空間の特徴を、およそ20年間という長いスケールで調査したものです。

 今回の研究成果は、Earth, Planets and Space (EPS) に掲載されています(オープンアクセス雑誌ですので、どなたでもお読みいただけます)。

太陽コロナホール地球磁気圏活動について
第23周期と第24周期におけるの違いを表したグラフ

論文情報

  • 論文タイトル:Relationship between the low-latitude coronal hole area, solar wind velocity, and geomagnetic activity during solar cycles 23 and 24
  • 著者:Yumi Nakagawa, Satoshi Nozawa and Atsuki Shinbori
  • 雑誌名:Earth, Planets and Space201971:24
  • 発行:2019年3月