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世界湖沼会議が開幕 茨城大学も研究・教育の成果を発信

 第17回世界湖沼会議(いばらき霞ヶ浦2018)が、10月15日、つくば国際会議場を会場に開幕しました。三村信男学長が基調講演を行ったほか、茨城大学の教員や学生・大学院生も分科会などで研究成果を発表します。また、研究機関や企業等が多数出展している展示会では、茨城大学の湖沼環境にかかわる教育・研究の取り組みを紹介する展示ブースも展開しています。

 世界湖沼会議は、1984年に滋賀県の提唱による「世界湖沼環境会議」として始まり、その後およそ2年ごとに世界各地で開催されてきました。茨城県で開催されるのは、1995年の第6回に続き2回目で、今回は「人と湖沼の共生―持続可能な生態系サービスを目指して―」がテーマです。後援団体として本学も名を連ねています。

 初日の10月15日には、本学の三村信男学長が「地球環境の変動と湖沼の未来」というタイトルで基調講演を行いました。三村学長は地球環境工学を研究する立場から、湖沼の環境に気候変動などがどのような影響をもたらすかを、多数のデータにより示唆しました。その上で、「閉鎖性水域である湖沼は環境の変化に対して脆弱だが、同時に、外からの圧力に対する適応力も有している。それぞれの地域の湖沼の個性にあわせた賢い利用(wise use)によって湖沼の健全性を維持することこそが、気候変動適応の基盤になる」と述べ、住民が湖沼に関心をもち、その恵みを実感することが重要であると指摘しました。

本学の三村信男学長が「地球環境の変動と湖沼の未来」というタイトルで基調講演を行いました

 また、連日行われる分科会では、茨城大学の教員や学生・大学院生も多数参加し、研究成果を報告します。

 さらに、会場内の多目的ホールで実施されている展示会では、茨城大学もブースを設け、湖沼にかかわる多岐にわたる取り組みを、貴重な資料やパネル、観察の体験コーナーなどによって紹介しています。

 このうち、霞ヶ浦の一部を成す北浦に生息する魚類について、1960年代に採集された魚類と、2010年代に採集された魚類とを、標本写真を並べて紹介する大型パネルは、本学で保管していた過去の標本などを調査した最新の研究成果をもとに作られたものであり、他では見られないインパクトのある資料といえます。また、特定外来生物のチャネルキャットフィッシュ(別名アメリカナマズ)について、その霞ヶ浦での生態をパネルで紹介するとともに、県内で採取された個体の剥製を展示しています。

 その他、霞ヶ浦や涸沼を含む江戸時代の常陸国の景観を描いた「常陸名所図屏風」(個人蔵、岩手県奥州市寄託)の簡易レプリカなど、本学の研究・教育の視点を通じて茨城の湖沼環境の実態や可能性に触れることができる展示物を多数用意しています。

茨城大学展示ブース

 霞ヶ浦や涸沼といった豊かな湖沼資源に恵まれた茨城県にあって、本学では1956年に「涸沼臨湖実験所」を設置するなど、創立当初から湖沼の研究・教育を進めてきました。現在も、湖沼、地域、地球環境に焦点をあてた研究グループや教育プログラムを連携させ、地域と地球の持続可能な未来を切り開く取り組みを進めています。今回の湖沼会議を契機に、これらの取り組みを国内外へ発信していきます。

(2018年10月16日)