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この像は、作者が五浦で撮影された有名な写真をもとに制作した。道教の帽子を被り、毛皮のマントを肩に掛けた姿は、天心一流の自己演出であり、おそらく、絵の参考書類にあった「巖子稜」の姿を参照している。漢の武帝の学友だった子稜は宮仕えを嫌い、羊の皮衣をまとって釣三昧の余生を送ったとされている。天心はそれを己の人生に重ねただろう。大観は文展で話題となった《瀟湘八景》(1912年)の「江天暮雪」に子稜の姿を描き込んでいるが、それからも天心周辺の雰囲気がうかがえる。作者は、天心の17回忌の《五浦釣人》(1930年)以来繰り返し釣姿の天心を制作した。茨城大学の作品の体内には「恩師天心先生生誕百年記念」と墨書されており、天心に対する深い敬意が込められている。五浦美術文化研究所の天心記念館はこの作品の寄贈を受けて建設された。
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