日越大学 気候変動・開発プログラムが開講―茨城大学が幹事校

VJU1.jpg日越大学と茨城大学の協定締結の様子(ベトナム・ハノイ市)

 ベトナムの日越大学(Vietnam Japan University、略称:VJU)で、茨城大学が幹事校を務める修士課程気候変動・開発プログラム(略称:MCCD)がこのほど開講し、25人の新入生(ベトナム国籍22人、ナイジェリア国籍2人、ミャンマー国籍1人)を迎えました。プログラムの開講に伴い、茨城大学と日越大学はMOU(覚書)を締結し、今後の教育・研究に係る連携を確認しました。

 日越大学は、日本とベトナム両政府の合意と、国際協力機構(JICA)の支援によって、ベトナムのハノイ市に2016年に開講した大学(大学院サステイナビリティ学研究科)で、両国の複数の大学が参加・協力しています。これまで6つのプログラムが開講されており(2016年)、今回開講する気候変動・開発プログラム(MCCD)は7つめとなります。

 深刻な洪水・海岸侵食などの課題に見舞われているベトナムにおいては、気候変動や持続可能な開発への関心が高まっています。茨城大学は、2006年設立の地球変動適応科学研究機関(Institute for Global Change Adaptation Science : ICAS)を中心に、東南アジアなどをフィールドとした気候変動及び適応策についての研究・教育に長年取り組んでいる実績から、幹事大学を務めることになりました。

 日越大学の気候変動・開発プログラムにおいては、茨城大学の講義をベースとして、ベトナム社会の現状とニーズに適合した文理融合のプログラムを提供し、温暖化・気候変動に関する原理や影響、持続可能な開発についての学際的な知識・スキルを育て、学生の問題解決能力を養うことを目指します。講義は茨城大学の教員16人の他、両国の大学や国立環境研究所、筑波大学、東京大学などの研究者が担当します。三村信男茨城大学長は、「アジアにおいて気候変動に特化した初めてのプログラムだと思う。アジアは21世紀の世界の成長のセンターといわれているが、同時に気候変動の一番大きな影響を受ける可能性もある。そのため、アジアの人たち自身が環境の大きな変動を視野に入れながら将来を構想していくことが不可欠だ。そういう人材の育成に踏み出したことに大きな意義がある」と語っています。

 本プログラムにおいては、2年次のカリキュラムにインターンシップが組み込まれており、一部の学生は茨城大学の研究室などに滞在し、日本国内での実習やフィールド研究に取り組む予定です。また、茨城大学の学生も、交流協定に基づき、短期海外研修の一環でハノイを訪れ、日越大学の学生たちとも交流を行う予定です。

 今年度の入学式は、9月10日(月)、ハノイ市のベトナム国家大学の講堂を使って行われ、三村信男学長が日越大学の全プログラムの新入生92人や、関係者らに向けて特別講演を行いました。

VJU2.jpg入学式で行われた三村信男学長の特別講演

 また、入学式に先立ち、今回のプログラム開講に伴う日越大学と茨城大学との間での協力を確認するMOU(覚書)が交わされ、茨城大学の三村信男学長と日越大学の古田元夫学長がそれぞれ署名を行いました。

 日越大学の古田元夫学長は、「茨城大学は日本におけるサステイナビリティ学のネットワークの中で大きな役割を果たしている大学であり、三村学長ご自身が日本の気候変動の研究における第一人者です。加えて、茨城県は日本の中でもベトナムとの交流の発展に非常に力を入れている地方自治体で、多数のベトナムからの研修生を受け入れています。したがって、茨城大学と日越大学との協力関係は、茨城県と私どもとの協力関係の発展にもつながるものだと期待しています」と挨拶しました。

 ベトナム国内の日系企業での人事研修の仕事を約10年間にわたって経験した後、気候変動の問題に関心をもって入学を決めたという、新入生のファム・ティ・ミン・チャウ(Pham Thi Minh Chau)さん(35歳)は、「私の出身であるハノイでも気候変動の影響は大きく、それらの影響について学ぶことに対しては、ベトナム人の中にも潜在的なニーズがある。学習環境や教職員の対応、他の学生たちとの人間関係もとても良く、これからの2年間を楽しみにしている。自分は人事教育のマネジメントの仕事に従事してきたので、ここで学んだことと自らのキャリアを活かして、次の世代の人たちに対して気候変動への意識を啓発するような仕事に就きたい」と話しています。

VJU3.jpg学生たちによるワークショップ

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(2018年9月13日)