地層「千葉セクション」の国際標準模式地(GSSP)認定に向けた審査、第二ステップへ

 本学理学部の岡田誠教授を含む22機関35名の研究者からなる研究チームは、千葉県市原市の地層「千葉セクション」の、地質時代の下部−中部更新統境界国際標準模式地(GSSP)認定に向け、7月24日、国際地質科学連合(IUGS)の中の第四紀層序小委員会(SQS)に提案申請書を提出しました。SQSでの審査はGSSPの審査の4ステップ中、2つめのステップにあたります。千葉セクションは、昨年11月に行われた下部−中部更新統境界作業部会(WG)で、申請された3つの地層の中からGSSP候補に選ばれています。SQSはWGの上部に位置する小委員会で、今回提出した提案申請書は、WGに提出したものに新たな研究成果(注)を追加し改訂したものであり、この提出をもって、SQSでの審査が開始されます。SQSでは、WGの答申を認めるかどうかの投票が行われ、3つめのステップであるICS(国際層序委員会)での審査に進むためには、60%以上の得票が必要です。

 今後、IUGSでの全4ステップの審査で千葉セクションがGSSPとして選定された場合、申請チームは、約77万年前~12万6千年前の地質時代の名称として「チバニアン」(「千葉時代」の意)を提案する予定です。現在、日本にGSSPはありません。千葉セクションが日本初のGSSPになり、地質時代の名称が日本の地名に由来したものになれば、地質学だけでなく、日本の科学史においても大きな出来事になります。また、地質学の一般への普及や小・中・高校生などへの教育においても大きな波及効果が期待されます。

詳しくは国立極地研究所ホームページの情報をご覧ください。

 

【GSSP決定までの審査ステップ】

下部−中部更新統境界作業部会で審査。審査結果をSQSへ答申。

SQSで答申を認めるか投票。60%以上の得票が必要。

ICS(国際層序委員会)にて投票。60%以上の得票が必要。

IUGS(国際地質科学連合)にて投票。60%以上の得票が必要。

GSSP決定
※それぞれのステップの投票の時期などは通知されていない。

 

注:新たな研究成果

千葉複合セクションのサンプルを用いて、陸域の環境変動を復元するために超高解像度での花粉化石の分析、海域の環境変動を復元するための微化石の分析、および地球化学的分析をそれぞれ行い、千葉複合セクションでは堆積した当時の日本周辺の気候変動が詳細に復元可能であり、千葉複合セクションが世界の気候変動を研究する上で非常に適した場所であることを明らかにした。これまでの研究結果とあわせ、「千葉セクション」が前期-中期更新世境界のGSSPの申請に必要な条件を高いレベルでクリアしていることを明確に示していると言える。

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(2018年7月26日)