茨城大学と不二製油グループ本社が大学から企業へのクロスアポイントメント制度を実施

 このたび、茨城大学と不二製油グループ本社株式会社(以下、不二製油グループ本社)(大阪府大阪市北区、代表取締役社長 清水洋史)は、本学農学部の中村彰宏准教授について、クロスアポイントメント制度に関する協定を締結しました。中村准教授は共同研究や製品開発の加速化に貢献します。大学所属の教員をクロスアポイントメント制度(※)によって他の企業へ派遣するのは本学にとって初めてのことであり、全国の大学においても実績は数例しかありません。また、不二製油グループ本社にとっても、大学教員を同制度によって研究者として招き入れるのは初めてです。

※クロスアポイントメント制度:研究者が他大学、公的研究機関、企業等の他機関との組織間の取り決めに基づき、一定の勤務割合の下で、それぞれの組織における役割分担や指揮命令系統に従いつつ、研究・開発および教育等の業務のうち、研究に関する一部業務を他機関での活動に従事することを可能にする制度

中村彰宏准教授
中村彰宏准教授

 茨城大学は2017年、農学部を大幅に改組し、新しく誕生した食生命科学科に国際食産業科学コースを設けるなど、食・農の生産や加工に関わってグルーバル規模で活躍できる人材の育成を進めています。また、2019年春には、食品の安全性確保のための国際的な衛生管理方法・HACCP(ハサップ)に対応した加工実験設備を有する「フードイノベーションセンター(仮)」が阿見キャンパスに新設される予定です。さらに全学的にも、2018年1月に研究・産学官連携機構を発足するなど、大学と企業等との共同研究やイノベーションの創出を図っています。

 一方、不二製油グループ本社は、油脂、製菓・製パン素材、大豆の三事業を軸に、おいしさと健康を実現するための食品素材を開発、生産、販売する事業を、グローバル規模で展開しています。食の世界の課題、とりわけ食料不足の解決に役立つ技術力と課題解決力から生まれる2つの価値を同時に追求するPlant-Based Food Solutionsを提供しながら、おいしさと健康で社会に価値を提供し続けるとともに、人と地球の健康という課題に対応することで、自己改革を推進してサステナブルに成長するグローバル企業を目指しています。
 今後、ともにアジアを中心としたグローバル規模の活動を展開している点などを最大限活かし、両者における共同研究の強化や、学生・大学院生の実践的な学修の拡充につなげていくことが期待されます。

 なお、茨城大学では、2016年にクロスアポイントメントによる教員の雇用を制度化し、これまで大学院理工学研究科量子線科学専攻を中心に、研究機関や民間の研究者等を招き入れていましたが、同大所属の教員を同制度によって学外の企業等に派遣するのは初めてのことです。同大としては、時代に即した教員の柔軟かつ多様な働き方を実現するとともに、研究成果を産業社会において実践することやその事業化など、産学連携による研究・教育の取り組みがより加速することを期待しています。

 また、不二製油グループ本社にとっても、大学教員をクロスアポイントメント制度によって招き入れることは初めてです。企業の研究開発活動に大学の高度な専門知識を加えることで、研究の効率を高め、植物由来の新規素材の開発に繋がるものと期待しています。

 協定は6月29日付で締結され、中村准教授は本学においては農学部准教授、不二製油グループ本社株式会社においては主席研究員として、7月1日より業務を開始しました。

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(2018年7月2日)