三村学長が衆議院環境委員会に参考人として出席―気候変動適応法案めぐる審議で招致

 今年2月に閣議決定された気候変動適応法案についての審議が、衆議院環境委員会でこのほど始まり、4月24日に行われた同委員会では、本学の三村信男学長が参考人として招致され、意見陳述と質疑への応答を行いました。

mimura0424.jpg(衆議院環境委員会で参考人として意見陳述を行う三村学長/衆議院の公開動画より)

 気候変動適応法案では、地球温暖化などの気候変動によるさまざまな影響への適応を推進するため、自治体等による気候変動適応計画の策定を求めるとともに、それに必要な科学的知見などの情報収集・提供の仕組みを政府として進めることを定めています。

 一方、本学では茨城大学地球変動適応科学研究機関(ICAS)を中心に気候変動の影響予測や適応策に関する研究・教育活動に長年取り組むとともに、近年は世界的な強みとして積極的に推進しており、自治体の適応計画の策定に向けては影響予測データの提供や調査等の貢献も期待されています。そうした経緯から、自身も地球環境工学の専門家である三村学長が気候変動適応法案の審議に係る参考人として招致されました。なお、同委員会には、同じく参考人として、国立研究開発法人国立環境研究所の原澤英夫理事も出席しました。

 三村学長は意見陳述において、気候変動の影響の特性として、非常に広い範囲に及ぶものであり、時間のスケールが異なるものが含まれ、なおかつ影響の現われ方が地域によって一様ではないということを説明しました。適応計画の策定をめぐるポイントとしては、不確実性への対応(5年程度おきに影響評価や適応策の見直しを行う等の方法)、地域主体の取り組みに対する国からの情報や助言の提供及び地域の大学や研究機関との連携、多様な政策分野間の連携、地方創生などのより大きな視点の政策との連結(コンパクトシティの検討等)などの点を指摘。その上で、「本法案はこれらの取り組みを推進する上で法的な基礎を与えるもので、時宜に適ったものである」と評価しました。

 その後、出席した委員からは、「気候変動の影響評価を具体的にどのように行っていくべきか」「自治体によってはノウハウが不足している。政府はどのような支援をしてくべきか」「緩和策と適応策の進め方のポイントを教えてほしい」といった質問が示されました。

 国の支援のあり方について、三村学長は、「日本全体の影響予測をより高度・精密なものにするとともに、情報提供に留まらず、解決策に関する助言やコンサルを行う実践的・現場対応型の機能を強化するという方法もある」と述べました。

 また、「気候変動にかかわる課題は多様だが、適応計画をつくる上でどのように優先事項を整理すべきか」という質問に対しては、「重要なのは、地域によって優先する順位は異なるということ。科学的に予測を示すとともに、住民の生活感覚を反映させながら優先順位を決めていくことが大事ではないか」と答えました。

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(2018年4月25日)