平成29年度卒業式学長告辞

20180323-7Y9A0340.jpg

卒業生、修了生の皆さん、卒業、修了おめでとうございます。学業を成し遂げ、この日を迎えられたことを、心からお祝いいたします。

ただ今、2,107名の皆さんに、学位記と修了証を授与致しました。この中には、58名の留学生が含まれています。これだけ多くの皆さんを社会に送り出すことができるのは、茨城大学にとって大きな喜びであり、また、誇りとするところであります。今日に至るまでには、それぞれ勉学や研究において大きな努力をされてきたに違いありません。この学位記あるいは修了証の授与はその成果を認めたものであり、皆さんにとって、存分に達成感に浸り、自らを誇らしく感じるに値するものです。

同時に、この日に至るまでに、沢山の方々に支えられてきたことも忘れることはできません。指導教員をはじめ、多くの教職員や友人・先輩が皆さんの勉学を支援してきました。また、ご家族の皆様も、陰になり日向になり皆さんを支えてこられました。ご家族と関係者の皆様のお喜びもさぞかしと思い、心からお祝いを申し上げます。

さて、皆さんは茨城大学での学園生活をどのように振り返っているでしょうか。
私は、最近、本学の学生が活発になり、社会から注目されることが大変多くなったと感じています。それは、学生の皆さんが、地域でも海外でも、様々な活動を行い、活躍しているためです。例えば、常総水害からの復興に向けた小中学校での防災教育ボランティアや、ハワイ・ベトナム等での海外インターンシップなど多くの事例があります。また、学問的な成果の面でも、学会での優秀発表賞などを多数受賞しており、今年、学長表彰を授与した個人と団体は75件にのぼりました。さらに、2年連続で箱根駅伝予選会に出場した陸上競技部やオリエンテーリング部などの活躍が続いています。「茨城県 学生ビジネスプランコンテスト2017」ではドローンを使った動画撮影による地域振興の提案で最優秀賞を授与されるなど、まさに、あらゆる分野で、学生の活躍が目立っています。

こうした活躍は、決して偶然ではなく,現在進めている教育改革の成果です。皆さんが在学した過去数年間、本学では、教育のあり方を大きく変革してきました。まず、皆さんが在学中の平成27年に、ディプロマ・ポリシーを策定しました。ディプロマ・ポリシーとは、卒業までに到達すべき教育目標のことであり、茨城大学で身につけるべき5つの能力を定めたものです。その5つの能力とは、第一が世界の俯瞰的理解、つまり、自分の中に世界の見取り図を作るということです。第二が専門分野の学力とスキル、第三は課題解決力・コミュニケーション力、第四は社会に貢献しようという姿勢、そして、第五が地域活性化に向けた志向です。
このディプロマ・ポリシーは、総合的な人間力を育成するという本学の宣言です。私は、皆さんが、卒業までの4年間、あるいは、大学院での2年間、博士課程での3年間に、こうした多面的な能力を身につけたものと確信しています。そして、その結果、最初に述べたような様々な活躍が生まれてきたのだと思います。皆さんには、自らの成長に自信をもって、社会にこぎ出して欲しいと思います。

次に、皆さんの未来に向けて、私の期待を述べたいと思います。それは、「社会の変化に対応できるリーダーたれ」ということです。21世紀という時代の特徴は、社会の変化の速さにあります。この変化に柔軟で的確に対応できるリーダーこそが必要とされているのです。

現在の世界は、科学技術の進展のスピードが早く、第4次産業革命といわれるような産業の大転換も進んでいます。人工知能や自動運転のように、実現にはまだ10年以上かかると言われていたことが、現実になろうとしています。こうした技術革新によって、世界の姿は大きく変化していくでしょう。私達は、今、極めて大きな時代の転換点に立っていると実感しています。しかし、このように自動化されていく社会では、一層、人間の価値観や判断力、人と人のふれあいが重要になります。技術の進歩を人間の幸福や持続的で健全な社会の構築に使うにはどうすればいいか、まさに、人間にしか出来ない深い思考や判断力が問われることになります。

このように変化が激しく、先の見通せない時代を生き抜く上で、2つのことが大切だと考えています。
その第一は、一人一人が、「自分の軸」を持つことです。広い意味での専門性と言えるものです。周りが変化するからこそ自分のよって立つものをしっかり持っていることは非常に重要です。自分の仕事や生活のベースとなる、ものの見方や知識、スキルが必要ですが、皆さんが本学で学んだことは、この自分の軸を作っていくことだったのです。
もう一つは、同時に、広い視野を持つことです。変化する社会の動きを把握して、自らがその中のどこにいるのかを見通す力です。激しい変化の中で自らを見失わないためには、自分を客観視できる広い視野が必要です。また、どんな仕事であれ、自分の専門だけで解決できる問題はありません。直面する問題の全体像を捉え、他の人と協力して初めて解決できるのであり、そのためには、自らの専門の枠を超えて他の分野を理解し、協力することが必要です。

この2つを備えた人は、T型人間と呼ばれます。アルファベットのTですが、横棒は広い視野を表し、縦棒は自分の軸となる専門知識を示します。これからの人生の中で、横棒を大きく広げ、縦棒を太く深くして、スケールの大きなT型人間になっていって欲しいと思います。そして、どのような場所で働き、生活するとしても、その時々の変化に柔軟で的確に対応できるリーダーとして成長し、よりよい社会の実現に向けて活躍されることを願っています。

最後に、茨城大学は、来年、創立70周年を迎えます。その時には、卒業生・修了生の皆さんと共に盛大に祝うと共に、さらに創立100周年に向かって、より一層、持続的な社会の実現に向けて貢献できる大学へと成長していきたいと考えています。私達は、今後さらに大学改革を進め、卒業生の誇りとなる大学になるべく前進していきます。茨城大学は、皆さんの母校です。その名の通り、皆さんが、うれしい時、悩んでいる時、どんな時でも訪ねて頂けるように、常に門戸を開いて待っています。

皆さんの健康と今後の人生のご多幸を心から祈念して、私の告辞と致します。

平成30年3月23日
茨城大学長 三村信男

20180323-7Y9A0411.jpg

20180323-7Y9A0194.jpg

20180323-7Y9A0459.jpg

20180323-7Y9A0731.JPG