茨城大・東京医科大・茨城県立医療大、第10回三大学交流セミナーを開催

 2月26日(月)、茨城県稲敷郡阿見町内に隣接してキャンパスを設けている茨城大学農学部・東京医科大学茨城医療センター・茨城県立医療大による「三大学交流セミナー」を、東京医科大学茨城医療センター内のホールで開催しました。

 同セミナーは2007年に茨城大と東京医科大の連携企画としてスタートし、以来、毎年実施しています。第3回から茨城県立医療大も加わって三大学交流セミナーとなり、各大学が順番で幹事校を務める形で、毎回さまざまなテーマを設けて学術的な交流をしています。

 今回は第10回という節目を迎えたことから、これまでの学術的な内容とは趣向を変え、「阿見町の高齢化に向けた各施設の取り組みと三大学の連携」というテーマを掲げました。セミナーには阿見町から町職員も参加する中、各大学の具体的な地域連携の現状や、より深刻な少子高齢化が進む地域の先進的な取り組みが報告されました。

 東京医科大学茨城医療センターの齋藤 尚代 氏は、自身が主任を務める霞ヶ浦訪問看護ステーションの開設からの20年のあゆみと現在の課題を紹介。近年の特徴として、高齢者夫婦や単身の世帯が増えてきて価値観が多様化していること、そうした中で終末期の訪問看護なども増えていることを報告しました。また、医療職のケアマネージャーが少ないことに言及し、「大学としての組織的なサポートが必要」と述べ、茨城県立医療大との連携にも期待を示しました。

 また、茨城県立医療大学の堀田 和司 教授は、町との連携事業として2015年にスタートした介護予防講座の取り組みを報告。地域包括支援センター、大学、学生の連携により、講座のエリアや内容を年々拡大しており、ケアリーダーの育成・活躍の場にもなっていることが紹介されました。その上で堀田氏は、「高齢者の住まいから歩いていける範囲で教室を作ることが理想。そのためにはボランティアがもっと必要だし、学生がより参加できる仕組みも検討したい」と述べました。

 茨城大学の牧山 正男 准教授は、農村計画学を専門とする立場から、日本一高齢化率が高いという群馬県南牧村での取り組みを事例として紹介しました。牧山准教授によると、同村では村の若者たちが主体となって、移住・定住の支援や移住者同士の交流促進などの事業を積極的に行っているということです。また、少子高齢化が進む地域に偏りが生じ、二極化しつつある傾向を示した上で、「高齢化社会を迎えることを、若者が自覚していない、あるいは自覚していても向き合えない、という状況がある。私たちが普段接している学生は、将来私たちを支えてくれることになる。そういう思いで教育に取り組み、ボランティアに取り組む意識の高い学生が大学の枠を超えて接触し、育っていくような場をつくっていきたい」と語りました。

 これらの報告を踏まえ、阿見町高齢福祉課の湯原勝行課長は、「地域の支え合いの仕組み作りや新たな福祉サービスの創出は、行政だけでは到底できない。農業を活かした介護予防プログラム、介護と医療の連結、地域のケアリーダーの育成といった点で、今後も大学と連携していきたい」と話しました。

 座長を務めた東京医科大学茨城医療センターの松崎 靖司 病院顧問は、「こういう企画は初めてだったが、3大学の具体的な貢献から見た活動状況や町の意見がわかり、これからの阿見町についてどう考えるか、その一旦が浮き彫りになった。これらを踏まえて学生への教育の充実も図り、これからの高齢化者社会をどう乗り越えるか、手を取り合って考えていきたい」とまとめ、今後のさらなる連携と地域貢献を進めることを確認しました。

3u1.jpg3u2.jpg3u3.jpg3u4.jpg(2018年3月7日)